アレルギー疾患は、遺伝的な体質と標的となる器官の過敏性によるものですが、その発症には環境の影響が非常に大きいと考えられています。食生活や住環境、現代社会での様々なストレスと言ったものが複雑に関与しているようです。今回は最近増えてきていると指摘されるアトピー性皮膚炎を取り上げてみます。
 長い間、アトピー性皮膚炎とはアレルギーの問題だと考えられていました。ハウスダストやダニ、花粉、食物などのアレルゲンに過敏に反応する事で皮膚炎が発症するのでは、と言う考えです。
 しかし、現在ではこのアレルギーの問題よりも、生まれつきの皮膚の弱さが重要視されています。つまり、アトピー性皮膚炎の患者では、皮膚細胞のすきまを埋め、肌を保護している「セラミド」という脂が生まれつき十分でないため、皮膚が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下している状態になっています。バリア機能が働かない為に、外からの刺激を受けやすく、皮膚炎が悪化してしまう、と言う考え方です。
 症状を悪化させない為にも、日常生活での注意点を幾つか挙げてみます。

1.皮膚を清潔に保つ事
 スキンケアの基本は清潔にする事と乾燥を防ぐ事です。汗や垢、埃は出来るだけ早く洗い流し、皮膚が乾燥する前に保湿剤を塗ってあげます。ただ、市販のシャンプーや石鹸は刺激が強いものが多いため、低刺激な物を使用すると良いでしょう。

2.食事とお酒に注意する
 肌の状態を出来るだけ良い状態に保つ為、バランスの取れた食事と十分な睡眠、規則正しい生活は基本となります。偏食は避け、動物性脂肪、糖分の摂取は控え、魚介類やミネラル、ビタミンを含む食品を多く摂取しましょう。なお、お酒は痒みを誘発しますので極力控えてください。

3.部屋を清潔にし、衣服にも気を使う
 ダニに対してのアレルギーを持つ患者が高率なため、ダニ対策も奨められています。
床はフローリングの方が良く、掃除をこまめに行います。衣類は肌の刺激にならないよう注意します。また、ダニ抗原は寝具にも多く、接触する時間も長いので、よく干す、防ダニ加工のカバーを用いるなどの心掛けをしてください。

4.上手なストレス発散を
 子供がいじめに遭う、受験勉強が大変、大人が会社に入った、転勤したなどがきっかけとなって症状が出る場合が多い事から、「ストレス」が大変注目されています。患者にとってはアトピー性皮膚炎自体が大変なストレスとなるので、その他のストレスは上手に発散するようにしましょう。

5.薬を正しく使う
 治療薬には塗り薬と飲み薬が使われます。塗り薬の中心となるのはステロイド外用薬です。炎症や痒みを強力に抑える作用がありますが、副作用を心配して自分で使用を中止してしまう患者さんもいるようです。しかし、これはかえって逆効果。薬を中断したために痒みがぶり返し、かいてしまう事により皮膚のバリヤー機構が壊れ、結果的には症状を重くしてしまいます。外用薬の場合、内服薬のような全身性の副作用は見られないので、専門医に従って使用してください。

 また、内服薬は抗ヒスタミン薬と抗アレルギー薬が用いられます。近年、治療効果が証明され積極的に用いられているようです。
皮膚を清潔に保ち、規則正しい生活を心掛け、悪化した時には炎症を抑えてあげるようにしていれば、常に肌を良い状態にコントロール出来ます。それと同時に免疫力を正常に戻し、徐々に薬を減らしていく、使わなくしていく事が大事です。
 難治の病気と言うイメージがありますが、皮膚科の専門医と相談しながら皮膚をケアし、また、カイロプラクティック治療で身体の抵抗力をつけ、免疫反応を正常に戻して行けば、普段と変わらない生活を送る事が出来るのです。病気の正しい知識を持っておくことも重要なポイントですね。