あなたは「対極思考」をご存じでしょうか? | 辛口太郎のレッツぎふ クチコミレポート!!

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「適当に話を合わせないで下さい。どちらが本心なんですか?」
「えっ、すべて本心でお話していますが・・・」

中小企業診断士として市の「経営相談」をお引き受けしていた頃-かなり昔の逸話です。
相談相手-地元で書店業を営む経営者のY氏は、明らかに私に疑念を抱いていたようです。
突然厳しい口調でとがめられ、私は少し狼狽しました。
なぜ彼がそのようなことを言うのか理解できなかったからです。

「ですが先生。あなたは先ほど私に話したことと、今度は逆の事を言っているじゃないですか!」
この人は親身になって相談に応じてくれているのか、
その場しのぎで適当に付き合っているだけではないのか、 
私を見るY氏の目つきは、そんな不信感を抱いている様子でした。

(何がまずかったのだろう?)

市の経営相談は、地元の商工事業者を対象に市役所の小部屋でマンツーマンで行われます。
当初Y氏は、売上の低下で書店業の資金繰りが悪化し、取引銀行への借入金返済が大変だという窮状を私に述べたのです。

「苦しくても銀行への返済はキチンと頑張って下さい。とにかく返すことが大切ですね。元利金を完済すればそれが御社の実績になり、信用に結びつきます」

銀行は借りた金を返せば次は容易に、しかもより多く借り入れることができると私は説明し、Y氏もそれは理解していると言いました。
その上で、現在の取引銀行は窮状を説明しても前向きに取り組んでくれない、返済額が多すぎて運転資金に支障をきたしている、とも打ち明けてくれたのです。
真剣な相談には、こちらも親身になって応じます。私の次のアドバイスも本心から出た言葉なのです。

「何も銀行にキチンと返済する必要はありません。返そう、返そうと考えるから負担が大きくなるのです」

ここで彼の口から、冒頭のセリフが飛び出すことになったのでした。
「適当に話を合わせないで下さい。どちらが本心なんですか?」と。

(あっ、そういうことか!)

相手に不信感を抱かせては失格です。私は素直に頭を下げ詫びました。
「私のアドバイスが誤解を与えたようで、申し訳ありませんでした」
そのひと言で彼も一気に穏やかになってくれました。
「いえ。ですが内容が矛盾することを、さも当然のように話されますので、ついどちらが本心なのかと・・・」

(どちらも私の本心であり、同じ物の見方であり考え方なのだ)

理由を説明しなくてはならない。Y氏の誤解をとく必要がありました。
この時に初めて“捉え方の価値観”-対極思考-を第三者に明かすことになります。

「Yさん、あなたは『対極思考』というものをご存じでしょうか?」


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