9月に入り やや 涼しさを感じます
なんとなく ほっとします
雨の俳句ですが 俳句脳が少し動きだしたようなので…
雨のなか賑やかなりし百日紅
柿の実のわずか色づく雨あがり
アマンバ
蜂蜜色の素敵な感想画です
作画感想として加藤柊俐さんは こんなことを書いています
「蜂蜜をもうひと匙足せば、たぶんあなたの明日は今日より良くなるから」
そんな言葉と共に貰った蜂蜜がきっかけとなり、自分の力で変わっていった主人公の姿に勇気をもらい、小さなことでも、人生は大きく変わるのだと感じました。主人公の人生を変えた蜂蜜のように、この作品を見た人が幸せな気持ちになって、人生のたった一欠片にでもなって欲しいという思いを込めて描きました。
加藤さんに向けての 作者の寺村さんのメッセージです
高校生の加藤くんに、こうして読んでもらえたことが、何より嬉しいです
📕
もし明日人生が終わるとしたら、きっとわたしは、喜ぶ。
この1文が書き出しです
「わたし」とは 碧のことです
碧は中学生のころ ひどいイジメにあっていました
家庭も不穏ななかで ひとりぼっちを抱え摂食障害になりながら なんとか生きていたのです
ところがある日 先の加藤さんの引用文の言葉をかけてくれる女性に出会います
「みんなに嫌われているんです…でもいいんです。卒業までの辛抱なので…でも ずっと嫌われて生きていきそう」
碧が彼女にそう言うとこんな言葉が返っていました。
「あなた自身が、あなたを大事にしていないから。あなたがあなたを嫌っているから。だから周りの人はみんな、ますますあなたを大事にしないし、嫌いになる。こいつはそういうふうに扱ってもいいんだって思われてしまう」
碧は その時から少しずつ少しずつ顔を上げて生きていこうとします
弱り果てると 女性の言葉を思い出しながら…
大人になり 付き合っていた安西に
「実家に帰らなければならない。碧も一緒に…」
ということで 朝埜 という土地に引っ越します
安西の父のせいで なかなか結婚までに辿り着けない碧
ところがもう そんなことでしょげている彼女ではありません
逞しく 行動を起こします
興味を持ったのは 安西の父の土地で養蜂している黒江という無骨な男
離婚して1人暮らしています
なんだかんだと言いながら 碧に蜜蜂との向き合い方を教えます
まるで蜂の心を読むようです🐝
碧はそこに自分の居場所を見つけます
また街の居酒屋のママのあざみとも心を通わせます
あざみは 過去に経験した辛さをひと言も口にせず 楽しげに客と話します
碧はそこでも 心を開いていきます
蜂蜜を使った いろいろなお菓子や料理を考案します
そのたびに 中学生の頃に出会った女性をふと思い出すのです
こうして
明日人生が終わるなら、きっとわたしは喜ぶ
と感じていた碧は
「今日 蜂蜜を食べたら 明日はきっと元気になれる」
と 悩んでいる周囲の人達に言葉がけをするようになります
自分の居場所を見つけた人間は 強いなとつくづく思います
心が安定し 前に向いて動きます
へこたれません
安西との関係は 最後には「別れ」になるのですが 美大卒の彼から手渡されたのは 幾枚もの 「碧の顔」でした
ずーっと若い時からの…
あれだけ 「たまには 私を描いて」と言っても知らん顔だったのに…
2人はどうなるのか⤴️😌
暗示するような最終でした
あっ
碧は ある女性の正体も ちゃんと突き止めました
どん底にいても 必ず這い上がる姿を書いてくれる寺地はるなさんの作品
読んでよかったです🙆
また感想画向けの物語は 小中高を通して とても興味深い作品が多いなと思います