昨日   落語会に行きました




サボテンの花は透明感のある花を咲かせ

「待ちに待っていた日ですね」

ささやいているようでした









いってきます!















本当は  この文字に近い色合い
さん喬師匠の色です
うまく色がでませんでした






    

                  チラシのさん喬師匠











季節感のなくなった今をどことなく淋しく感じると仰って



『千両みかん』



夏にみかん食べたい病に伏せた若旦那にたった1つのみかんが手に入ります




そのみかんを食べる時の  さん喬師匠の指先は見事

そこに本物があるかのようなのです

皮を剥いて   割って  1袋だけ出して  その周りの白い筋を1本1本丁寧に取っていくのです

愛するものを慈しむ丁寧さに時間がゆっくり流れていくようでした




夏と言えば



『船徳』




涼風に吹かれて  となるのが船ですが

若旦那の徳兵衛が船頭の船は  冷や汗ものです

さん喬師匠の船頭歌がドジ徳兵衛を応援してくれているようです

さんざんな船の短い旅ですが  どこか憎めない噺です





夏の噺2つ

これだけでも十分満足なのに

仲入り後は

ネタ出しの長講1時間半に及ぶと案内されている




『双蝶々』









初めて聞く噺です






      ※  ネットよりお借りしました



今も

つまり一晩眠ったのに  この噺の世界に心がいってしまいます




一枚の座蒲団の上で   繰り広げられた物語

乱れることなく  時には父親の長兵衛に   時には母親のお光に   そして  息子の長吉に   声や仕草を変えながらの   1時間半  

決して長くはありませんでした





最後の場面です

長吉の悪さによって  住んでいた土地を離れ 貧乏暮しをする長兵衛とお光

ある夜  長吉が袖乞いをするお光にばったり会います

そして長兵衛に再会する場面です





長吉は病気で寝込む父に「これで治せ」「人を雇っている身だから」とお金を渡そうとすると  「いらない!」

と突っ返します

父には息子の嘘が分かっていたのです





諦めて帰ろうとする長吉に言います




「1日でも長く生きていろ!」



「1日でも長く生きていろ!」




2回言うのです



私は切なくなりました





小さい頃   愛情をかけることができず

いらないもののように奉公に出した己への悔恨に聞こえ

また  息子への親ならではの叫びに聞こえ




潤んでしまいました




しかしながら

雪だるまのように悪を身に纏った長吉を待っていたのは  「御用!」の厳しい声でした




しーんしんと雪が降るその夜

美しかったはずの雪の原が赤いものに染められたのか   泥々の足跡に汚されたのか…





双蝶々の意味がよく分からなかったし  今ですら曖昧です

蝶々の模様が裏表違うように  人の心にも善と悪   とか   美と醜   とか   相反するものが存在していて   その二つを抱えながら  何とか世の中の規範の許されるところで生きているのでしょう

それとも   双蝶々とは  親子を表しているのでしょうか





子は幼い時に

どんなことがあろうと慈しんでいたい

慈しんでいてほしい

最近読む小説にも  そういう親子関係に関するものが多くなりました

余談です





さてさて

さん喬師匠

ありがとうございました

そして

お疲れさまでした




いつも謙虚な言葉でご自分を語られます  でも私は

『天下一品の落語家さん』

って思っていますニコニコ




ずっとファンでよかったなあってニコニコ








                                        リーフより





                            楽屋前にそっと置かれていました








最後まで読んでくださり  ありがとうございます

さん喬師匠に会うと  静かな勇気と元気をいただけます

まずは   この暑い夏   越えないとなあ  です