大雨はおさまりましたが

梅雨特有のどんよりした空気の日です



心までどんよりしてしまいそうです




こんなとき  私にとって読書は救い手です




目が見えない人の話を読み終えました

「五感を使って」は物を書いたり描いたりするときに大切なアドバイスです

話の主人公は   眼   以外の感覚を研ぎ澄ましながら  前向きに生きていきます

特に香りが好きで「香りのカプセル」と四季折々の花の香を大切な人のようにしています








                                小川    糸 ・著

                                新潮文庫





小川  糸さんの文章は  どの文を取っても美しく優しい調べのようです

その筆致に吸い込まれるように読みました




以下は  解説の平松洋子さんの文からの抜粋です





庭は「母さん」によって「とわの庭」と名づけられる。「とわ」は娘である「わたし」の名前、託された意味は   ” 永遠 “  。さらに、「母さん」の名前は「あい」。ふたりは「とわのあい」として結び合わされ、かたときも離れない完璧な関係のシンボルとして登場する。しかし、少しずつ明らかになってゆく母娘の生活は社会性を拒み、しだいに逼迫、母娘の間には虐待の気配さえ漂い始めて破綻となる。


ところが、この救いようのない理不尽な状況を吸収し、残酷さの緩衝体として機能するのも「とわの庭」である。




とわは1人で暮し  ごみ屋敷とまで言われた家から   いっぽ   にほ   さんぽ   と外に出ていきます

靴を履いたことのない足には土踏まずはなく  地面をたくさん歩けません

最後に食べたのは   どうやら  消しゴム

そんな身体です




でも  その  いっぽ  から   彼女の運命は明るい方へ   光満ちる方へ   少しずつ変わっていくのです




「母さんとは決別」

心に決めたとわは  田中十和子という名前を持ち   戸籍は児童相談所となり  逞しく生きていきます





出会ったスズは年下ですが  生活の仕方の一からを優しく教えます

ずっと紙オムツをしていた  とわ  にです




白杖がうまく使えなかった  とわ  は厳しい練習を重ねて盲導犬のジョイと出合い家族を得ます




ごみ屋敷は整備され  一人暮らしを始めます

近所ではマリさんというピアニストと友達になります




とわ は  「とわの庭」でスイカズラの香を感じた時   母の香りを思い出し夢を見ます

その数日後  母は亡くなったことを知るのです




あれだけ酷いことをした母ですが  とわ  はスイカズラの香りのなかに  懐かしさと切なさを感じます




でも  とわ  は思うのです





この世界には、まだまだ美しいものがたくさん息を潜めている。だからわたしは、そのひとつひとつをこの小さな手のひらにとって、慈しみたいのだ。そのために生まれたのだから。この体は生きている限り、夜空には、わたしだけの星座が、生まれ続ける。





今   書き写しながら   自分のなかに  何か光るものがちらりと見えてきました

書き残したいことはたくさんありますがこのくらいにします




纏まりのない文章を最後まで読んでくださりありがとうございます





❤️梅雨の読書はいいものです❤️






ピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロンピンクマカロン




一瞬の風に転びし梅雨の蝶

                                   アマンバ





昨日   ピアノのレッスンの帰り  講師さんの庭の通り道で   アカタテハを見ました

ふいに  ふっと風が吹いてきて  アカタテハは翔べずに  私の歩く前で転がりました

まだ  成虫になったばかりだったのか   風に敗けたのか  



ところでピアノは なかなか です

激しい脳トレです😵