また地震が起きました

被害が広がらないことを願っています

夜中に驚かれたことでしょうね

フォローしているブロガーさん達のなかには  震源地に近い所にお住まいの方が何人かみえます

みなさん  大丈夫だったでしょうか






『神様のカルテ』3冊目を読み終えました

ますます  夏川草介さんの魅力的な世界に浸れました



今回は  花粉症もあるけど  ティッシュペーパーが何枚も必要でした









いつものように  付箋を貼りながら読み  あとで纏めようと思っていました

でも   解説の姜尚中氏の文章が  あまりにも分かりやすく書かれていました



引用します



ー  夏川氏の作品がとりわけ出色なのは、地域医療の現場で、それこそ、「安物のラップのように、無造作に切り取られては使い捨てられている」医師を主人公に、その目を通じて地域に生きる人々の生を、その悲喜を、生き生きと活写しているからである。医師を兼ねた作家、あるいは作家を兼ねた医師。どう呼ぶにせよ、地域の医療現場を舞台に、医療に携わる人々と患者、その周辺とを、一介の医者の目から描き出した作家の作品は実に珍しいに違いない。




どこか漱石の坊っちゃんを哲学好きの医師にしたような主人公の栗原一止(いちと)を中心に、同僚の進藤辰也や砂山次郎、内科部長の大狸先生や外科部長の甘利先生、峻厳な医者の使命を求め続ける小幡先生、さらに救急部師長の外村さんや主任看護師の東西さんなど、主人公の勤める本庄病院の人たちのキャラクターがたまらなく魅力的だ。個性的なのは、医師や看護師だけではない。アル中で家族離別の金魚屋の横田さん、作曲家を夢見ながら人生を踏み外しアル中になった榊原さん、背中に龍の彫り物のある、重厚な存在の島内老人など、患者たちも深い陰影に彩られている。




栗原はこうした患者の心の深いところに入り   治療をしていきます

だからこそ   患者たちは最後には

「ありがとうございました」

この言葉を伝えます




今までの感想で  栗原が細君とよぶカメラマンの榛名の爽やかな存在が  このシリーズを爽やかなものにしています

2人は「イチさん」「ハルさん」と呼び合っています




栗原は仕事でへこむと  飲みに行ったり  松本城を眺めながらひと息つきます

そんなとき  そばにはハルさんが寄り添っています




彼女からの言葉を少し紹介します



クリスマスの夜の居酒屋「久兵衛」で

病院からの電話を気にする栗原に



「大丈夫ですよ、イチさん。今夜は呼ばれない気がします」

「理由はありません。そんな気がするんです。そんな気がすることが大切です」

ふふっと笑う……




松本城の氷彫フェスティバルの準備をしている寒い夜

本庄病院を辞して  大学病院に移る決心をしながらも  今までの出来事につーっと涙をこぼす栗原に




「イチさん?」

「泣いているんですか?」





「ああやって一生懸命に彫刻しても、明日の午後には日の光を受けて溶けてしまうかもしれないんですよ」


「それなのに、みんな、それぞれの作品に全力を注いでいるんです。明後日のことなんて誰も考えてはいません。明日のためだけに…、いいえ、もしかしたら今この瞬間のためだけに、懸命に鑿(のみ)と槌をふるっているんです。こんなに美しい景色は、私のカメラには収まりません」




栗原はハルさんがいて  それこそ明るい方に目を向けて  また  歩き始めます




松本市だけでなく  長野の美しい風景が物語を彩ります



シリーズはあと2冊



少し休んで他の方の本に触れてから

また   栗原とハルさんに会いたいです❤️






拙い感想を最後まで読んでくださり   ありがとうございました🙇









しろつめぐさ四つ葉はもはや探さない

                                                    アマンバ








野あざみの頭なぜだか噴火中

                                        アマンバ