どうやら しばらくは曇天続きのようです



今回の本は自分にとってかなり重くて
一章ずつしか読んでいけませんでした







                                 町田そのこ・著
                                 ポプラ社




帯から引用します



地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀屋の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。




人の死は  自分にとって大切であるほど悲しみは大きい
けれどそれは
生きる者に  どう生き抜いていけばいいのかを教えてくれるもの
「自分」を大切にし  幸福感   充実感 を持てるように生きることも教えてくれるもの



そんな感想を持ちました



また   亡くなった人といつでも対話ができる椅子を心のなかに用意していることの大切さも知りました




『芥子実庵』という名がどうしてつけられたのか   ずっと不思議に思いながら読んでいくと   ちゃんと答えが用意されていました



「死」を受け入れられない場面での時です




『けしのみはどこにもない』
仏教から来た話だそうです
「ひとつかみのけしの実を持って来たなら、叶えましょう」と釈迦は  自分の子どもを葬り  人々に泣いて縋る女性に言います
「ただし、その芥子の実はいままで死んだ者を出したことのない家から貰ってくること」
……そんな家はどこにもない……
女性は  我が子の死はもう覆せないのだと気づき、その死を受け入れます



(「けしのみはどこにもない」で検索すると詳しく書かれています)




そんな『芥子実庵』でのさまざまな出来事が  細かに書かれています
死とか葬儀屋とかに  触れたくない周囲の眼を振り切って  そこに  自分らしい生き方を見いだしていく佐久間真奈という女性の生きようが書かれている一冊でもあるかと思います




町田そのこさん   いろいろな取材をもとに書かれたことでしょう
渾身の一冊だなと  読みながら感じました







昨日の木瓜の花です
再登場ニコニコ



口紅を塗りすぎのごと木瓜の花
                                           アマンバ








思えば   もう4年ほど口紅を買っていません
木瓜の方が   毎年お洒落です