昨日  落語会に行きました




中電ホールまでの名古屋市内の銀杏の黄葉は見頃でした

かつてはもっと大きな木が枝を伸ばし  黄色いトンネルのようになっていました






















私にとって盆と正月がきたような二人会です

ずーっと  この日を待っていたというのも過言ではないのですニコニコ





今   このときも   目を瞑ると

さん喬師匠の『芝浜』のおっかさんの本心を夫に言いだそうとする声が聞こえます

「ねえ  おまえさん…」

何とも切ない声です

働かない夫が拾った財布は夢だとウソをついたことをようやく言えるようになった夜のこと




その余韻   

思い出すと  今も目頭が熱くなります





新治師匠の『まめだ』の噺は  自分が何度も出かけた稲沢市祖父江の銀杏のマクラからでした

この噺の情景も目に焼き付いています

圧巻でした




まめだとは豆狸のことです

自分が迷惑をかけた右三郎の家が貝殻に膏薬を詰める商いをしていると知り  毎日買いに行きます

お金はすぐに銀杏の葉に変わるのです





やがてまめだに死が訪れます

貝殻ごと体に膏薬をいっぱい貼り付けた姿に  右三郎はハッとします

そして  まめだを手厚く葬ります

右三郎の家族だけになったとき   さらさら  さらさらと銀杏の黄葉が待ってきて

まめだの墓を黄色に埋め尽くしていきます




新治師匠はこの噺のために  黄色の着物を着てみえたと後で教えてくださいました




師匠が手を伸ばし さあーっと動かすと

銀杏の黄葉が限りなく降っていく様が見えてくるのです

目を見張るような美しい光景です

『まめだ』は  大阪の「みってらすじ」(三津寺筋)の噺だと聞きました





『七段目』は  芝居好きの若旦那の噺です

日常生活でも  芝居風に立ち振舞う姿を新治師匠は見事に演じてみえて  芝居と落語を楽しめました

大袈裟ではないように  バタバタを演じる落語家さんは好きです





この『七段目』のサゲ

上方と江戸では違いがあるようです

2階で若旦那と奉公人がまたまた芝居に夢中になって階段が転げ落ちたときのサゲです

最後に「アレ?」と思いましたが  さん喬師匠が『芝浜』の前に少し説明してくださいました




江戸は

「てっぺんから落ちたか」

「いえ、七段目です」



上方は

「七段目で落ちたな」

「いえ、てっぺんから落ちた」




江戸と上方の落語を

互いの落語を

尊重しながらの二人会




素敵なコラボに

私は思い切り拍手をしながら緞帳が降りていくのを見ていました




ますます   お二人のファンになりました💕

また  名古屋に来ていただきたいです

企画してくださった  あきつ舎さん

ありがとうございました🙇




あっ

またしても  リーフの色と演者さんの着物や羽織の色が見事に同じでした



それと

露の新幸さん

穏やかな笑顔が素敵で噺も会を重ねるごとに時の経つのを忘れるようになりました

九年目だとか

また来ていただきたい方の一人です🎵





長い感想にお付き合いくださり  ありがとうございました

あの感動が  少しでもお伝えできたなら嬉しいです





寒菊や笑って泣いた落語会

                                    アマンバ