夕べ
自分の部屋のドアがこそりと動いた


静かに入ってきたのは
孫息子のホマチャン


「ギーくんが死んだんだ」
「………」
「だから  折り紙で鶴作ったよ」


大切に育ててきたカブトムシが
動かなくなったのだ



「ホマチャンに出会えて  ギーくんはよかったと思っているよ、きっと」

「うん   ぼくもいっぱい笑顔になれたからね」



2年生になってから
カブトムシを触れることができるようになり
毎日餌かえをし
動きをとらえて「筋トレやっているんだよ」と観察したりしていた




大切なことを教えてもらい
小さな心は  別れを受け入れようとしている










音たてず命閉ぢたり甲虫
                                    アマンバ