夏空が広がっていましたが
さきほど 落雷注意報が出て 暗くなってきました
落ち着きのないお天気です
寺地はるな・著
集英社文庫
この本は 第9回河合隼雄物語賞を受賞しています
以前に読んだのは 『川のほとりに立つ者は』や『大人は泣かないと思っていた』
どちらも 心の微妙なところを描いていたと記憶しています
今回も 1人ひとりの気持ちを細かく細かく描いていると思いました
家族という集団のなかにあって
自分らしく生きることとは…
また それを周りが認めていくとは…
かなり 難しいことを丁寧に書いてあると思いました
じわりと来る場面は何度かあるのですが
そういう感傷に入り込む隙を与えずに書かれているところが魅力です
物語は 六章から構成されています
語り手は 登場する家族や知人です
🔷手芸が趣味の高校生 清澄
友達はいないけど おばあさんにいろんな裁縫を教わっています
🔷小学校の塾帰り スカートを切られ「かわいい」と言われてから スーツ以外着なくなった 姉の水青(みお)
🔷2人の母であるさつ子は 「母親の手作り」とか「無償の愛」に抵抗して生きています
元の夫 全 とは感性の違いで離婚しています
🔷おばあさんの文枝は 常に娘のさつ子や孫2人に 「好きなことをして 自由に生きる」ようにと言います
苦い思い出が心の奥底に塊として存在しているのです
🔷先の 全 の知り合いの黒田の話です
彼は 全が素晴らしい服飾デザイナーとしての才能を持っていると信じています
そのため 全 を雇い 全の代わりに慰謝料を 毎月 清澄と水青に渡しに行きます
🔷再び清澄の語りになります
実は 水青は紺野と近々結婚式を挙げるのですが ウエディングドレスを着ることに嫌悪感を持っています
トラウマ故に、です
清澄は 姉のドレスを自分が作ると宣言し姉のいう通りの試作品をいくつか縫います
全て気に入ってもらえません
彼は とうとう 父親の全 に頼みます
そうしてできたドレスは 水青の心にすーっと入っていきます
さすがに父さんと思いながらも 刺繍だけでもしたいと姉に頼み 学校を休みながら 仮眠を取りながら 仕上げていきます
その刺繍は…
ドレスに流れる水のイメージがふんだんにあしらわれてします
小学校の頃 名前の由来について語らなかった父のメッセージを思い出したのです
姉に伝えます
「流れる水は、けっして淀まない。だから清らかで澄んでいる。一度も汚れたことがないのは『清らか』とは違う。進み続けるものを、停滞しないものを、清らかと呼ぶんやと思う。これから生きていくあいだにたくさん泣いて傷つくんやろうし、くやしい思いをしたり、恥をかくこともあるだろうけど、それでも動き続けてほしい。流れる水であってください。」
全 の書いた文章を 黒田が代読でした
そんな話をしながら 清澄はドレスの刺繍の手をやめません
ようやく仕上がったとき
清澄も水青もさつ子も解放感に満たされていきます
「○○らしく」とか「○○だから」とか そんな考え方から解放されていったのでしょう
おばあさんの常に言ってきた
「自由に自分らしく生きる」
この言葉の深さ
苦労の末のものだったことでしょう
最後の場面 水青のウエディングドレスが目に浮かぶようでした
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学校のチャイムでっかし南風
俳句ポスト 中級以上 並選
もう1句はボツ
南風夜汽車の音の重きかな
南風が吹く日は 南側からの音が部屋に大きく聞こえてきます
夜は いつもなら聞こえない電車の音がよーく聞こえてきます
朝一番ブルーベリーや喉走る
アマンバ
先日 姉が育てたブルーベリーをお弁当箱に入れて送ってくれました
朝一番に冷たいブルーベリーを口に含むと スッキリ感100パーセント![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
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ありがたいです
ブルーベリーは季語のようです
紫苺?
炎昼や電子音のみ聞こえけり
アマンバ
38度の日
昼間は蝉も鳴かず 誰も通らず 静か静か
です
何から聞こえてくるのか 電子音のみ
耳鳴りだったのかなあと思ったりもしました
怖い沈黙の真夏の音です
あーぁ
さっきから雷鳴しきり⛈️
雨音しきり⛈️
また 俳句 考えてみることにします
最後まで読んでくださり ありがとうございました
今回の本は 読まれると味わい深い一冊かなと思います
上手く纏まらなかったなあと 今頃反省しています