「オリーブの実るころ」 著者:中島京子さんを読みました。

結婚にまつわる話の6つの短編集 

 

 

 

・「家猫」

・結婚する息子に対する母の目線と嫁の気持ちなど、ちょっとゾワっとするお話。

 

・「ローゼンブルクで恋をして」

終活をするといって始めた父の行動で明らかになっていく父の過去。

 

ローゼンブルクというのはRosenburgで、実は茨城県のこと。このお話の中では、都道府県を無駄にドイツ語で訳して話すという。最初は外国のお話だと思って読み始めてて、笑ってしまいました爆  笑

このサイトが本当にあるらしくて、それで調べてみると、山梨はBirnenberg(ビルネンべルク)だった。かっこいい(笑)キラキラ

  

 

 

・「川端康成が死んだ日」

唐突に出て行った母とのことをふり返っているお話。有名な作家がガス栓を開いて自殺したという場面がちらり出てきて、これが川端康成のこと?川端康成って自殺で亡くなられてとは知りませんでした。末後の眼で見る世界、人生の最後に見る景色のところで出てくるのですが、いまいち、何が言いたかったのか・・・。

 

 

・「ガリップ」

コハクチョウのガリップが夫との恋のライバルになるという変わったお話

 

・「オリーブの実るころ」

私は前科者ですと名乗る80代の老人男性の壮絶な恋のお話。ドキッとするのですが、最後は柔らかな後味を残してくれるお話で、すごく好きなお話でした。

 

 

・「春成と冴子とファンさん」

結婚する彼の父親、離婚した母の冴子、冴子の現在のパートナー(女性)のファンさん、どれも個性的な人で、サバサバしてるけど、すごく温かいなと思える人達。結婚するハツの心が緩んでいく感じが良かったな。

 

全体的に設定や世界観が独特。離れ離れになっても相手をずっと思ってるというのが伝わってきて、ほんわかしました。

 

中島京子さんって初めて読みましたが、こういう世界観なのか~。後一冊、予約してるので楽しみです!