私の職場では、勤続30年を超えると、記念品と5日間の休暇が付与される。

本来であれば、30年勤続した年から、翌年までの1年間が使用期限だが、

コロナの中を長期休暇して遊びに行けとは言えず、使用期限が毎年延長されてきた。

 

さて、そろそろプランを考えてみよう…と思い始めたのが最近のこと。

 

 

20年勤続のときの5日間の休暇では、

家族を家において、一人ふらふら信州の山道を

自転車で走り回っていた。

 

 

さあ、今回の30年はどこに行こうかと。

 

20年の時に考えていたのは海外旅行だった。

アメリカかオーストラリアに行こうかなと思ってたけど、

帰国後の待機期間を考慮するととてもじゃないけど行けない。

コロナが完全に消え去らない限りは、5日ぽっちの休みでは海外は無理。

 

じゃあ、日本のどこに行こうか。

 

南の島で一週間ぼーっとして過ごすか、一週間分の食料を背負って山にこもるか…

車で日本一周早回りでもしようか… ローカル路線の鉄道を細切れで乗ってこようか…

 

考えては、予算をはじき出し…を繰り返した結果、

 

 

北海道に行ってこよう!

 

 

往復はフェリーを使って、道内は車でふらふらと。

宿泊は宿、車内、キャンプ場。 その日その時その場所、その時の気分で決めればいいやと。

全行程11日。

ま、こんなところかな。 今回も一人だし、自分のペースで好きに旅すればいいやと。

 

学生時代には毎年北海道に行ってたのに、就職してから行ったことのない北海道。

広いだけに、日数がないと行ってられないなぁと思ってただけに、今回はチャンスだ。

 

 

……と、ここまでは良かった。

 

このプランを家族の中で話しながら、あとは出発日を決めるだけとなった。

妻からは、「 この日だと、私の出張と被るから困る。 」

職場では、「 ここは、この予定。 ここはこの予定。 だから、ここでは? 」
 
そんなスキを突くように、日程を無理やり押し込んだ。
ようやく日程が決まった。 あとは、往復のフェリーを予約するだけだ。
 
 
 
ところが。
 
「 この日程だったら私も行く。 」 と妻。
 
「 え? そんなに休めないでしょ? 」 と私。
 
「 一緒に行って、こことここに行って、旭川から飛行機で先に帰ってくる。 」 と妻。
 
 
さらには…
 
「 ねえねえ、ボクも一緒に行ってもいい? 」 とK。
 
「 え? 」
 
「 ボク、その期間は講義ないから、一緒に行くよ。 」 とK。
 
 

 

こっちが一生懸命にプランを考えて形にしてきたのに、あとから急にただ乗りしてきやがって~ 

ひとりでふらふらと、気楽に気ままに、誰にも気を使うことなく、好きな音楽を聴きながら、

広大な北海道で地平線目指して走ってこようかと思ってたのに~

 

 

ま、オレの30年なんて、こんなもんか。