Kがようやく運転免許を取得した。
長かった…… と言っても、夏休みのこと。
と、さらに時をさかのぼること2年近くも前のこと。
たしか、昨年の年始あたりに言われたような。
「 運転免許を取りたいから金が欲しい。 」 と言い出した。
そんなの自分でバイトして金貯めて、好きにすれば良い。
これが私と妻の回答だった。
本人はバイト代も貯まっていたし、
親から少しでももらえれば良いな~と考えてたみたいだけど、
そう簡単にはお金が入ってくることはなかった。
Kの最初の計画は、合宿免許を考えていた。
第一の候補地は、愛媛県。
申し込み手続きをしようとしたところ、
タイミングが悪く定員いっぱいで予約が取れない。
なぜって、2月なんかに申し込むから。
この時期は高校生が大量に申し込むから不可能に近い。
このため、この期間は断念し、次は夏休みにしようと心待ちにした。
でも、なんで愛媛なのか聞くと、
「 景色もよさそうだし、暖かそうだから。 」
夏休みの合宿先に選んだのは、三重県。
「 え? なんで今度は三重県なの? 」
「 松坂牛を食べてみたいし、ついでに伊勢志摩を見てきたい。 」
申し込みは普通にできて、あとは行くだけになったんだけど…
コロナ感染症、第2波の真っただ中…
今度は、親の反対にあい、やむなく断念。
夏休みすらまともに楽しめなかった。
それからしばらくは、音沙汰もなかったのだが、
いつの間にか、学校とアパートの間くらいにある教習所に通い始めたらしい。
この時点で、もう合宿はあきらめたようです。
すると8月に入ってすぐ…
「 教習所卒業したから、免許取りに家に帰るから~ 」
おいおい、我が家は感染区域から帰ってくる子供を
素直に受け入れないことはわかってるだろ?
そう簡単に言うなよ!
「 今日から一週間はバイトないし、夏休みで誰とも会わないから。 」
ということで、一週間の間は、友人にも会わず部屋で学校の課題をこなし、
気晴らしには一人でランニングをして過ごし、
ようやくの思いで、帰宅の許可が下りたKくん。
我が家でも一週間の隔離期間を経て、ようやく一般人扱い。
そして、いざ免許センターへ!
という流れでした。
コロナがなければ、もっと簡単に取得できてたかもしれないし、
こんなに時間がかかるなんて思ってもみなかった。
それに、本人としては合宿に行って普段とは違った地域で、
風景を見たり、おいしいモノを食べたりしてみたかったんだと思う。
なんだかいろいろと残念な学生生活だ。