とある日の事です。


「洗濯物ある?」


娘さんが梅さんに聞きました。


「無いよ」と梅さん。


娘さんは通常、夜、1日置きに洗濯機を動かしています。

夏場は汗もかきますので、洗濯物の量をみて洗濯機を動かすかどうか判断しています。


娘「じゃ、今日は洗濯しないよ」

梅「わかったよ」


すんなり会話が成立した様に思われました。


が。


「洗濯機回さないの?」


シャワーを終えた梅さんが言います。


先ほどの会話から30分も経っていません。


娘「さっき『洗濯物無い』って言わなかった?」

梅「今日、暑かったから汗かいたのよ」


娘さんが洗濯機の中を覗くと下着やパジャマなどかなりの量入っていました。


が。


その日着ていた服が入っていません。


「あるならあるって言ってよ」

「洗濯機を動かすかどうかの為に聞いてるのに」

「今日、着てた服は洗わなくて良いの」

「パジャマは昨日も洗ったよ」


娘さんが呆れ気味に言います。


「パジャマはずっと着てたわよ」

「今日は汗かかなかったから」


と梅さん。


えっ?


さっき『汗かいた』って言わなかったですか?


毎日、同じ会話をしている気がして問いかける気力も無く、娘さんは黙って洗濯機を動かしました。


一方。


汗を流してさっぱりした梅さんは扇風機を抱え込んで心地良さそうに涼んでいました。


梅さんの後ろ姿を眺めながら、娘さんは思います。


日増しに会話が成立しなくたってる。


聞こえて無いのか?

理解力低下なのか?


肩に《ズン》と何か重いものを感じる娘さんでした。


トホホ。