とある日(母の日)の事です。
その日のサザエさんのエピソードは母の日でした。
「ごめんなさいね。今年はプレゼント無いよ」
娘さんが梅さんにあやまりました。
と。
「今年と言わず、母の日のプレゼントもらった事なんて無いよ」
梅さんが語気を荒く言いました。
「えっ?」
「いつもあげるじゃない」
「忘れたの?」
娘さんが穏やかに答えます。
「もらった事無いよ」
梅さんが言い張ります。
「あら、かわいそうに」
「上のお姉ちゃんからも、もらった事無いの?」
娘さんがおどけてたずねます。
「あの子は優しいから、くれたかもね」
「忘れたけど」
梅さんの言葉が優しくなります。
娘さんには忘れられない遠い遠い昔の母の日の強烈な思い出があります。
お小遣いを貯めてお姉さんと2人で母の日のプレゼントを買いました。
喜んで貰えると信じていました。
が。
梅さんは全く喜びませんでした。
それどころか。
無駄遣いと言うのです。
そして。
正確な言い回しは忘れましたが、お金の出所を「どうせ私のお金」と言いました。
当時は幼すぎて、言葉の真意がわかりませんでした。
ただただ、ショックでした。
時が過ぎ。
娘さんは、あれは屈折した梅さんなりの子供達への思いやり(優しさ)だったのだろうなぁと思っています。
梅さんはこの出来事を全く覚えていません。
娘さんは思います。
『もっと素直になれば良いのに』と。
トホホ。