とある日の事です。
娘さんが夕食の調理中、調味料を出そうとガス台の下を開けると朝まで無かったスパゲティが置いてありました。
「お母さん、またスパゲティ買って来たの?」娘さんが梅さんに聞きます。
「知らない」
「前から入ってた」
「私が入れたんじゃ無い」
「今日は家から出てない」
「あんたが買って来たんじゃないの」
毎度の矢継ぎ早な言い訳が始まります。
が。
残念ながら、梅さんは買い物に行った様です。
その日の買い物レシートが財布に入っていました。
そして、そのレシートにしっかりとスパゲティの記載がありました。
更に、いつもスパゲティを入れてある乾物の棚には、梅さんが買って来たスパゲティがすでに2袋あります。
3袋になってしまいました。
かつて、梅さんは『買い物に行く前には家に何が残っているか、見てから行かなきゃダメよ』と言っていました。
今では忘れてしまっているみたいですが、、、。
「私が買って来たの?」梅さんがぎこちなく呟きました。
「そうみたいね」と娘さん。
娘さんは思います。
記憶がかなりあやふやになって来ているのに、どうして言い訳だけは見事なくらいスラスラ出てくるのだろう?
トホホ。