とある日の事です。


「あの水が流れて来てカタッてなるの何て言うんだった?」


梅さんが娘さんに聞きました。


「《ししおどし》の事?」

娘さん答えます。


と、


「違うわよ」と梅さんが言います。


「何が知りたいの?」


娘が梅さんの見ている俳句のプリントを見ると。


そこにあったのは《花馬酔木》の文字でした。


「それ?《はなあせび》でしょう」


娘さんがさらりと読むと。


「あんた、この字、読めるの」


梅さんがちょっと疑う様に言いました。


娘さんは梅さんにスマホの花馬酔木を見せました。


「あら、本当」


毎度の事なのですが。

梅さんは自分で聞いて置きながら、娘さんがあっさり答えると信じない所があるのです。


「こんな字、読めるの?」


梅さんが繰り返していました。


余程、自分の読めない字を娘さんがあっさり読めた事が意外だったようです。


そもそも、何故に。


《花馬酔木》を《ししおどし》と思ったのか?


娘さんは梅さんにききました。


が。


「わからない」の一点張りでした。


早合点の思い込みで勝手な解釈をしてしまっているのです。


こっちの方がよっぽど『わからないわ』と思うと娘さんでした。


トホホ。


ちなみに。

《馬酔木》が読めるのは。

初めてこの字を知った時に習った語源(この木には毒があり馬が葉を食べると酔った様になるらしい)のインパクトが強すぎて、覚えてしまったのでした😁