梅さんは88歳の元気なお婆さんです。
今日も強気に我が人生を謳歌しています。
朝のニュースで、お祭りでグミをもらって食べた人が病院に運ばれたと言っていました。
「知らない人からもらった物を食べたら駄目よ」
娘さんが梅さんに言いました。
「子供じゃ無いんだから、食べないわよ」
梅さんが、さも心外と言わんばかりに答えました。
「あら、そう」
娘さんが、ニヤリと笑います。
そうです。
梅さんには、娘さんにニヤリとされる過去があるのです。
それは、40年以上前の出来事です。
梅さん一家はのどかな田舎町でのんびり暮らしていました。
梅さんが仕事からの帰り道、砂糖をまぶした団子の様な物が道に落ちていたそうです。
『美味しそう😊』
梅さんは拾って食べようとしました。
と。
鼻を突くような強烈な臭いがしました。
梅さんは、団子を投げ捨てたそうです。
この話を聞いた娘さん達は口を揃えて言いました。
「普通、道に落ちてる物は食べないでしょ」
「でも、美味しそうだったのよ」
梅さんは、名残惜しそうに言っていました。
その団子は、増殖する野良犬退治用だったそうです。
月日が流れても。
「本当に美味しそうだったのよ」
梅さんはその話が出る度に名残惜しそうに言っています。
それほど美味しそうなら犬も思わず臭いも気にせず食べちゃうでしょうね➰。
トホホ。