とある日の事に御座います。

大局様は…かの日以来(お豆にありったけを吐き出されスッキリされたのか)いたくご機嫌がよろしいご様子に御座いました。

頼みもしない事を手伝おうとされたりしておりました。

それまでお豆を手伝った事など皆無で御座いましたので…気味悪さと反動への恐怖でお豆の顔は引きつり気味で御座いました。

その日も…朝から大局様は上機嫌で御座いました。

このまま今日も1日終わってくれたらと願っていた矢先の事で御座いました。

お豆は…他の階に用が有り従業員用エレベーターへと参りました。

と…。

大局様がエレベーターを待っておられました。

『お疲れ様です』

お豆が明るく声をかけますと…条件反射するがごとく大局様が《ぷい》と何処かへ行かれて仕舞われたに御座います。

エレベーターの階数表示はひとつ手前の階を示しておりました。

あまりの出来事に状況が飲み込めぬまま、お豆は用を済ませ戻って参りました。

案の定…大局様は不在で御座いました。

何と…お豆と同じ部署へ『用で出向いた』と同僚が申します。

お豆がエレベーターホールで『ツンされた』と申しますと…。

『誰か地雷を踏んだね』

同僚が大袈裟に身震いの真似を致しました。

大局様は常に無数の地雷を引きずっておられます故…気を抜いておりますと不覚にも地雷につまずいてしまう事が御座います。

この日の地雷は…毎度お馴染みの《仲間外れにされた》だった様に御座います。

正に…不覚で御座いました。

大局様が上機嫌でおられましたので、誰もが大丈夫だろうと気を抜き…大局様抜きで快適な時を過ごしておりました。

結果が…これで御座います。

何とも…手のかかるお方に御座います。

『何様のつもりだよ。いい加減にしてくれよ。』

言えたら…どんなにかスッキリする事かとモヤモヤを募らせるお豆で御座いました。

とほほ。