広東省の144時間トランジットビザ免除について。トランジットビザ免除については今までかなり詳しく説明してきましたが、広東省はいろいろな意味で特別なので詳述いたします。





トランジットビザ免除の条件については、以前の記事で紹介していますので、こちらをご覧ください。今回は基本的知識は省略して、広東省の独自のルールを中心にご紹介します。






近々、広州のイベントに参加しようと思い、改めて詳しく調べました。







広東省は一体運用を行なっており、定められた口岸(イミグレ)から144時間トランジットビザ免除で入国すると、広東省一体に滞在できます。香港、マカオが隣接しているため、香港やマカオに抜けたいと思う人も多いと思います。そんな旅行客に配慮して、36の口岸(イミグレ)から出国できます。ただし、入国は空路のみで広州、深圳、揭阳潮汕の3空港限定なのでご注意ください。





入国はこの3空港からのみ


广州白云机场口岸    
深圳机场口岸    
揭阳潮汕机场口岸    





出国は以下の36箇所を利用できる(*印は2024年4月16日新設の場所) 

航空口岸(5)  
广州白云机场口岸
深圳机场口岸
梅州机场口岸
湛江机场口岸
揭阳潮汕机场口岸    


铁路口岸(5)   
广深港高铁西九龙站口岸*  
(以下4个口岸暂未恢复开通或关闭) 
广州天河铁路口岸
东莞铁路口岸
佛山铁路口岸
肇庆铁路口岸    


公路口岸(10)    
深圳文锦渡口岸、沙头角口岸、皇岗口岸、罗湖口岸、深圳湾口岸、福田口岸、珠海拱北口岸、横琴口岸、港珠澳大桥珠海公路口岸*、莲塘公路口岸*  


港口口岸(16)    
广州港口岸、南沙港口岸、莲花山港口岸、蛇口码头口岸、深圳机场配套码头口岸、九洲港口岸、湾仔口岸、万山港口岸、斗门港口岸、江门港口岸、鹤山港口岸、佛山高明港口岸、容奇港口岸、中山港口岸、东莞虎门港口岸、琶洲港澳客运口岸*







さて、今回の一番伝えたいことは鉄道で香港西九龍駅が追加になっていることです!!つまり、高速鉄道を利用して香港へ抜けることができるようになったということ。




高速鉄道で広東省から香港へ向かうと、中国側の出国イミグレも香港西九龍駅にあります。つまり、以前の記載を信じるならば、高速鉄道で香港へは行けなかったことになります。在来線の鉄道は廃止(休止)されてるはずなので、実質的に鉄路口岸は使えませんでした。4月より正式に記載されたことで、日本→広東省→(高速鉄道)→香港が可能になりました!






港珠澳大桥珠海公路口岸も記載されました。バスで珠海から香港やマカオに向かうのも可能になりました!!







近日中にセントレア→深圳、深圳から広州まで移動して、広州から香港西九龍駅まで高速鉄道、香港からは飛行機でセントレア。こんなルートで144時間トランジットビザ免除を試してみたいと思います。トランジットビザ免除では出国時に第三国へ抜けるEチケットを持っていることが条件ですが、高速鉄道、船や高速バスでも予約したものを提示すれば良いでしょうか。その辺もレポしますので、結果報告をお待ちいただければと思います。





(追記)

ジェトロが広州出入国国境検査本部に行ったヒアリングによると、証明書類として認められるのは、高速鉄道、船や高速バスの予約はもちろんのこと、香港・マカオから第三国への航空券や香港・マカオのホテルの予約票、香港・マカオで開催されるイベントの参加証など。つまり、予約証明ができない徒歩での出国でも大丈夫ということですね。グランドスタッフにその点を懸念されたら、ジェトロの記事を見せるといいかもしれません。



ジェトロの記事









最後に注意点。いつもくどいくらいに「トランジットビザではない」「アライバルビザは召喚状が必要で簡単には取れない」と言っていますが、実際は多少間違えて伝えても理解してもらえます。ただ、深圳は例外的に観光用アライバルビザがあるので、勘違いさせないように普段より更に注意して説明してください。搭乗時にアライバルビザと誤解されて「広州には行けない」「深夜便なのでアライバルビザの発行窓口は閉まってるから乗せられない」(体験談によると深圳特区旅游ビザの深圳空港窓口は9:00-17:00のようです。本人未確認)と言われる可能性があります。実際にそれで諦めた人のブログをみました。どうやらご本人はトランジットビザ免除希望のようでしたが、トランジットビザ免除、トランジットビザ、アライバルビザのそれぞれの違いを正確に理解しておらず、反論できなくて諦めたようです。そうなって欲しくないので、くどいくらいにトランジットビザ免除だと説明しています。いつも読んでいただいてる方なら、「アライバルビザを取りたいわけではなく、144時間トランジットビザ免除を利用してノービザで臨時入国したいので大丈夫です」と反論できますね。そもそも、宝安空港での特区旅游ビザはリスクが高くおすすめしません。もちろん、144時間トランジットビザ免除は臨時入国する制度で、受付時間なんて制限はありません。スタッフが「アライバルビザ」とか「発行窓口」といったワードを発した時点で勘違いしてると分かるので、丁寧に説明しましょう。










(参考)

様々な記事で確認済みですが、そのうち2つだけ。


西九龙边检站温馨提示广大出入境旅客:广东省144时过境免签政策,对54个国家持有有效期不少于3个月的国际旅行证件和144时确定日期、座位前往第三国(地区)联程客票(包括机票、船票、列车票、前往港澳地区的汽车票)的外国人,可选择从广州白云、深圳宝安、揭阳潮汕机场空港口岸的任一口岸入境,从国务院批准同意的广东省36个口岸中的任一口岸出境,过境免签停留区域为广东省。







为充分发挥过境免签政策效能,更好地促进粤港澳大湾区人员交流与合作,今年416日起,广深港高铁西九龙站口岸被纳入广东省144时过境免签政策的出境口岸。日趋成熟的高铁跨境出行模式和一地两的便捷通关模式,极大满足了外国旅客高效便利出行需求,西九龙站口岸成为众多外国旅客出入境的热门选择。