2015年、結成10周年を迎えたAKB48。
12月に高橋みなみから横山由依へとグループ総監督が引き継がれ、「横山新体制」が始動した。
世代交代の中で、その姿を変えてきたAKB48グループの15年を総括し、16年の動向を展望した。

15年を振り返ると、福岡で開票イベントが開催された「総選挙」で、HKT48の指原莉乃が2年ぶりの1位に返り咲いた。
また、SKE48の「顔」だった松井玲奈のほか、山田菜々、川栄李奈らがそれぞれの所属グループを離れ、年末には宮澤佐江や高城亜樹が卒業を発表。
その一方で、AKB48にとって国内で4番目となる姉妹グループ・NGT48が発足し、「第2回ドラフト会議」などを通じて新たな人材が発掘された。

セールス面では、オリコンが発表した音楽ソフト年間ランキングのCDシングル部門で、AKB48の作品が売上枚数の上位4位までを独占。
NHK連続テレビ小説「あさが来た」の主題歌「365日の紙飛行機」も注目を集めた。

グループにとっての15年は、横山新体制に向けての「移行期」的な位置付けだったとの印象だ。
横山は次期総監督として「修行」を重ね、12月8日の「AKB48劇場10周年記念特別公演」で高橋から総監督を継承した。

「10周年イヤー」のクライマックスとなった「10年祭」(12月6日)などでは、前田敦子や大島優子、板野友美ら知名度が高い卒業生が登場し、存在感を存分に発揮した。
OGに刺激を受けた横山は総監督を引き継ぐ際、「越えなければいけないのは今までのAKB。
初期メンバーが築いた歴史に負けないくらい新しいAKBをつくりたい」と意気込んだ。

こうした中で迎えた16年は、NGT48の専用劇場が10日に本拠地・新潟でオープン。
16日から「リクエストアワーセットリストベスト100」が始まり、2月には高橋がプロデュースする劇場公演が行われる。
3月はOGも参加するシングル発売と高橋の卒業コンサート(3月26、27両日)が続き、4月8日には高橋の卒業公演が開催される予定だ。

これらのイベントなどを通じて横山体制が確立されることになる。
横山は「メンバー個々の知名度を上げたい」「姉妹グループ間でもっと親睦を深められたら」などと課題や構想を話しており、これから打ち出される新機軸が注目される。

近年のAKB48グループでは、若いメンバーがパフォーマンス面で着実に成長している感がある。
昨年12月開催の「AKB48紅白対抗歌合戦」で、司会を務めた堺正章が「見せる意識がしっかりしてきた」などと評価していた。
シングル表題曲を歌う選抜メンバーに定着してきた加藤玲奈や、15期生の向井地美音をはじめ、今年の「総選挙」では若い世代の躍進が見られるかもしれない。