【第435場 新宿駅前】
(11月30日 20:00頃)
エレア:「あれ?かお?」
かお:「エレア!」
エレア:「こんな時間にこんなとこになんでかおがいるんだ?」
かお:「太一君と待ち合わせしてて。
モデルの仕事があるから、それ終わってから会おうって約束してるんだ。
エレアは?今日お店お休みだよね?」
エレア:「幹部ミーティングの帰り。」
(太一がやって来る)
太一:「かおさ…」
エレア:「スーツなんか着て、まだ就職前だろ?」
かお:「うん。でも今日は内定者だけの説明会があって。」
エレア:「あ、そのネクタイ、ハル兄に貰ったやつだよな?」
かお:「うん、ハル兄に誕生日プレゼントに貰ったやつだよ。」
エレア:「ハル兄、帰国してるらしいぜ。」
かお:「そうなの?!」
エレア:「連絡取ってなかったのかよ。
ハル兄もかおのこと心配だと思うから、たまには飯でも食いに行ってやれよ。」
かお:「ハル兄の家でご飯かぁ。懐かしいね。」
エレア:「でもこの季節のハル兄の飯っつったら…」
エレア・かお:「鍋!!」
エレア:「ぶはははは。」
かお:「あはは。」
エレア:「あれ?太一?」
太一:「……」
かお:「太一くん!」
太一:「あ、ああ、こんばんは。
すいません、お待たせして。」
かお:「ううん、大丈夫だよ。」
エレア:「仕事お疲れ。掛け持ち大変だろ?」
太一:「どっちも好きな仕事なんで、気にならないっす!でも今日の仕事はかなり怒られちゃいましたけど!」
エレア:「あんま気にすんな。
太一くらい気遣い出来るやつなら、どんなことも上手く行くって。」
かお:「あんまり無理しないでね。」
太一:「ありがとうございます!」
エレア:「じゃ、俺行くわ。」
かお:「そろそろセンター近いもんね。
頑張ってね。」
エレア:「おう!じゃな。」
(エレア去る)
太一:「……。」
かお:「太一君?」
太一:「あ、すいません!ちょっとぼーっとしてました!」
かお:「具合悪い?」
太一:「あ、そう言われればちょっと風邪っぽいかも知れません!
かおさんに移すと悪いので、今日はなしにして貰ってもいいですか?」
かお:「僕はいいけど、大丈夫?」
太一:「寝れば治りますよ!」
かお:「ちゃんと暖かくして、休んでね。」
太一:「はい、かおさんも気をつけて帰ってください!」
かお:「太一君は帰らないの?」
太一:「ちょっとだけ新宿に用があるので、それ済ましたら帰ります。」
かお:「わかった。なるべく早く帰ってね。」
太一:「ありがとうございます!じゃ!」
(かお去る)
太一:「かおさんの今の彼氏は、俺だよな…?
っくしょ。焼きもちなんて柄でもねーや!
飲み行くか!」
(エレアとかおの間にある、太一には埋められない絆が、太一を悩ませた。)