ラバー・ソウル 井上夢人
あらすじ
洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。
「BOOK」データベースより
ビートルズのアルバム名をタイトルに冠し、各章のタイトルに曲名が付けられている。
作中にも頻繁にビートルズのナンバーが登場する。
自分はあんまりビートルズに詳しくはないが、そんな私でも、あぁあの曲ね、とわかる有名曲も多数。
物語は36歳職歴なしの引き篭もりのニートが主人公鈴木誠。
世間からは蔑んで見られ生きてきた男が、モデルの三島江利子に恋をすることで男の世界が一変する。
読んでいて嫌悪感を伴う偏愛ぶりと、どんどんエスカレートするストーカー行為の描写に、
背筋がゾクゾクする。
関係者の供述でストーリーが進んでいくので、口語調でとにかくテンポ良く読める。
それぞれの視点で話が転がっていくので、様々な角度から出来事が補完されていき、
非常にわかりやすい。
非常にわかりやすはずのストーリーなんだけど…。
やはり井上夢人さんのミステリには仕掛けがいっぱい。
大変面白かったです。
そして「ラバー・ソウル」というタイトルを見て
レロレロレロレロレロレロレロレロ、
ドゥー ユゥー ア ン ダ ス タ ン ン ン ン ド ゥ ！
の例のスタンド使いが頭に浮かんだ私はやっぱりジョジョオタです。