先生と僕 | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

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坂木司さんの「先生と僕」を読みました。


先生と僕 坂木司

坂木司さんの小説を読むのは初めて。

怖がりで人が死ぬ小説を読めないのに推理研に入部してしまった、田舎から上京した大学生の二葉さんと、
都会的で裕福な家庭で暮らすミステリマニアの中学生の隼人くんのコンビが、日常の謎を解決するミステリ。

名目上大学生の二葉さんが中学生の隼人くんの家庭教師なのだが、
実は二葉さんが読めそうなミステリを隼人くんが紹介するという師弟関係。
鋭い洞察力と観察力で謎を解くジャニーズ系の隼人くんがカッコ良すぎですが、
純朴な二葉さんも瞬間的にその場の光景を記憶できるという特殊能力を持ったなかなかのキャラ。
このボケと突っ込み具合もしっかりしたコンビがほのぼのしていて微笑ましい。

このコンビ+人が死なない日常の謎系のミステリなので、
全体的にもっと楽しい感じになってもいいのに、
あまりそうはならないのは、解決する謎の毒気が少々強いからかも。
万引きや盗撮果ては宗教の勧誘と、日常の謎にしてはちょっとダーク過ぎる。

そういう人の暗黒面をバシバシ推理する隼人くんは中学生離れしたひねくれたマセガキ臭が際立つし、
純粋で人の悪意に鈍感でキャッチセールスにも簡単に騙されそうな二葉さんは、これまた世間知らずすぎる。
このコンビでもっとほのぼのとした事件を解く話が読みたかったなあ。

隼人くんが勧める古典的な人が死なないミステリは読んでみたいものがたくさんあった。
最後に隼人くんが卒論を書く前に北村薫「六の宮の姫君」を読むように勧めるが、これは同意。