![$家具 通販 赤や 竹田のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20110910/09/akaya-kagu/16/60/j/t02200220_0300030011473465875.jpg?caw=800)
温かな手 石持 浅海
石持作品は前回読んだのは、
人類は生まれてきた段階で全て女性というトンデモ設定の
「BG、あるいは死せるカイニス」でしたが、
この作品も探偵役が人間じゃないという一風変わった本格ミステリ。
人類に擬態して人のエネルギーを吸い取る謎の生物がなんと探偵役!
そう聞くと何だか「寄生獣」や「遊星からの物体X」みたいな
グロテクスな生き物を想像してしまいますが、
ここで登場する謎の生物のギンちゃんもムーちゃんも心優しい魅力あるキャラクターです。
その生物と同居する二人の男女がワトソン役なのですが、
「きれいな魂」を持っている人としか一緒に暮らさない謎の生物が選んだ
この二人も清らかでとても愛すべきキャラクター。
こんなトンデモ設定なのですが、
殺伐とした殺人事件を理路整然と解き明かしていくストーリーは
完全に正統派の本格ミステリ。
生命エネルギーだけでなく接触することで
昂った感情エネルギーををも吸い取る二人のおかげで、
その場にいる人間みんなが、すぐに理性を取り戻し事件について話ができるというのが面白い。
最終的に少しせつなくも心地よい終わり方が非常に良かったです。
タイトルがピッタリあった小説でした。