七つの海を照らす星 読書感想 | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

家具 通販 赤や 竹田のブログ

家具 通販 赤やで働く竹田のブログです。仕事の事や家具のこと、個人的なしょーもないことまで日々綴っていきたいと思います。

七つの海を照らす星を読みました。

$家具 通販 赤や 竹田のブログ-七つの海を照らす星
七つの海を照らす星 七河 迦南

七河 迦南さんの「アルバトロスは羽ばたかない」が面白いと聞いたので、
その前作にあたるこの小説をまずは読んでからと思い手に取りました。

連作短編集の形をとった日常の謎系の本格ミステリ。
児童養護施設が舞台というのが、自分にはとても新鮮でした。
様々な過去を持った子供たちが集う児童養護施設は、
子供たちそれぞれのドラマがありストーリーを作りやすい設定なんだろうな、と安易に思いましたが、
本格ミステリありがちな登場人物たちが記号的な扱いを受けず、
子供たちの描写もそれを取り巻く環境も非常に丁寧に描かれていて、
落ち着いて読むことができました。

特にそれぞれの事件の肝となる、子供たちの繊細な心理描写は読んでいてすごく頷けました。
現代ならではの育児に関する様々な問題提起や解説も多々あり、
この手の話に詳しくない私でもすんなりと入っていけました。

話によっては探偵役の海王さんの推理が冴え渡りすぎな感もありましたが、
伏線も結構露骨にあるし、そりゃないわ!という類のトリックや謎はなかったので、
アンフェアな印象もなく、概ね納得です。

最後は連作短篇集にありがちな、
「えーっ!!」な展開も…。

回文がめちゃくちゃ出てきますが、
この小説自体にすごい遊び心がある仕掛けが施されていた事にもビックリでした。

新人の作家さんなのに全体的にすごく安定感を感じました。
読み物として大変面白かったです。

続けて「アルバトロスは羽ばたかない」を読む予定。
めちゃくちゃ楽しみにひひ!!