カラフル 原恵一監督
小説は未読のまま鑑賞。
原恵一監督といえばオトナ帝国の逆襲や戦国大合戦で
不覚にもクレヨンしんちゃんの映画で感動させられた経験をもつので、
かなりかまえて行ったのですが、
後半家族で鍋を食べる一連のシーンでかなりグッときて
涙目になってしまいました。
自分自身が脆く、弱く、未熟な精神であるにも関わらず
他者の弱さを認めない。
卑屈に考え、他者が自分に向ける暖かみを感じることが出来ない。
思春期の思い悩む中学生の葛藤や心情がよく描かれていたと思います。
作画も素晴らしく、
背景はまるで実写と見紛う如き美しさでした。
特に路面電車の動き方はその演出にも感動しました。
また「食べること」を登場人物の心情の表現に使う演出にも感心しました。
冒頭から食卓で家族と、コンビニや学校で友達と、とやたら食べるシーンがでてきますが、
この映画では非常に重要なポイントでありすごく拘りを感じました。
最終的には結構よく聞く種類のメッセージが主題となっていましたが、
非常によくまとまっていて心に残る映画でした。