このお話は、Find the answer の、櫻井sideのお話です。
一緒にお読みいただけると、お話がより分かると思います。
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中学から男子校だった俺は、ずっと見つめていた奴がいた。
目がでかくって
笑うと可愛くて
人懐こくって
何でもやりたがるのに、ちょっと不器用で
それでも、最後まで自分でやり遂げる根性を持ち合せている。
だけど、誰よりも繊細な心の持ち主だってことも知ってる。
だから、俺がずっと守ってやるって・・・そう思っていたのに。
「翔ちゃん、何見てるの?」
「何でも無いよ。」
ただ離れたとこから見てることしかできなかった。
俺が意気地無しだったから。
そして、そのまま高校を卒業し、K大学へと入学した。
あいつは・・・俺とは違う大学へ進学したと、風の噂で聞いた。
今頃、何してるんだろう?
そう思うのに、結局行動に移せない俺。
もしどこかで出会えたら?
もしあいつも俺の事覚えていてくれたら?
今度こそ、俺が守ってやりたい。
そんな事をふと思ったのは・・・
「あれ?松本?」
「いえ、違います。」
俺が大学卒業してすぐの事。
後姿が、何だかあいつにダブって・・・思わず声を掛けて顔を見たら、全くの別人だった。
まだ、俺はあいつの事好きだってことなのかな・・・そう思うようになったら、どうしても会いたくなった。
だけど、どうやって?
中学・高校くらいしか接点の無い俺達。
探すと言っても・・・その時の俺には、限界の壁がすぐに立ちはだかった。