こんにちは。
今回は日本海軍の航空救命胴衣を再現しましたので
実物と比較しながらご紹介いたします。
~航空救命胴衣~
海上での作戦が基本の海軍航空隊の必需品である。
大正12年(1923年)に圧搾空気を袋に充満させて浮力を出す仕掛けの英式救命帯を購入試験していたが、大正13年(1924年)に横須賀退職軍人受産会が、ギャバジンの表地の中にカポックを詰めたチョッキ型の救命胴衣を考案し、好評を得た。
カポックはフィリピンやジャワで産出する木の種子の繊維で、極めて浮力が大きい。
胴衣の形状は左右4本ずつを肩から裾まで袋状に縫い、背面も同様に作ってカポックを詰め込んだ。初めは屈曲部が無かったが、人体の動きと姿勢を考えて、昭和11年(1936年)に胸下に屈曲部のある二つ折りにし、股吊りをつけ、布に防水バーバリ―生地を採用し、昭和17年(1942)制は表地を「焦茶色木綿」とした。薄緑色もあったようだ。
再現
昭和17年4月制定の航空救命胴衣(前期型)で、右下に小さいポケットがあります。後期型ではそのポケットは無くなります。
6月にご紹介した後期型同様、とことん実物に近づけたい為、正確な縫製と、中にカポックを詰め込みました。
ちなみにこれが中身です。
カポック
木の実からつくられた天然繊維。
中が空洞のため軽く、空気を多く含む特徴があり、世界で最も軽い天然繊維と言われている。
感触はびっくりするほど柔らかくしなやかです。
記名布は長方形のものが使用されました。
股吊りの中央に穴があります。
実物
~前期型救命胴衣を身につけた搭乗員達~
皆様、いかがでしょうか。