ご縁あって、先日…4月5日 金曜の夜
Ichika Nito Live “season 1 osaka ver i-1”
の、観客席の片隅に、私は居た。
ホワイトカラーを効かせた、シンプルだけれど幻想的な舞台演出を背景に
ギタリスト、Ichika Nito(いちか にとう)
がつま弾く音色に、たちまち魅了されていく。
時に優しく。切なく。また、力強く。
語るように。歌うように。叫ぶように。
幾つもの、さまざまな、色を、景色を、匂いを、温度を想像させてくれる、ギターの音色。
ソロギター演奏はもちろんのこと、小オーケストラ編成による魅せ方も粋で
腕一本で、こんなにも、人の五感を揺さぶる表現ができる彼を
素直に心から尊敬できたし
彼の音に触れたことで、自分の五感が研ぎ澄まされ
思考がクリアになり、ここからまた柔軟にものごとを吸収できそう…そんな風に思える瞬間、瞬間があった。
ゲストには、ギタリストの押尾コータロー氏が登場し
Ichika Nito本人が押尾氏をリスペクトしている、多大な影響を受けている、と公言しているだけに、ふたりで観客を引き込む演奏の素晴らしさはもちろんのこと
関西弁で茶目っ気ある会話をしたり
本当に楽しそうにセッションしている姿がまた、好印象で。
そう!
Ichika Nitoは、コンサートの途中
実は、天満橋~南森町 界隈で20年以上暮らしていた
と、ホームタウンについて触れ
えっ、ご近所さんやん。
と、一気に親近感が増す。
住み慣れた街、その空気が
彼の音楽にも少なからず影響しているのかな、などと想像すると
幸せであたたかい気持ちになれた。
海外でのライブ経験を多く積んできている
まさに、世界が認めるギタリスト…なわけなのだけれど
なぜか、地元・大阪でのライブを迎えた前日夜は
緊張して眠れなかった、と
照れくさそうに話す姿も…愛おしく感じられたな。
アーティストの感性は…やっぱり、繊細で、引き出しが幾つもあり奥深く、そのどこかが何かをきっかけに、ふいに開いたりして。
そして、アーティスト本人でも想像できない一面が顔を覗かせる…のかな、などと思った。
(文:ライター 日下郁子 Fumiko Kusaka)