映画『ハナミズキ』マスコミ試写 | 編集プロダクションGROUP

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予告動画
公式サイト

2004年にリリースされた、一青窈の「ハナミズキ」」。

音譜薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと 終わりますように
君と好きな人が 百年続きますように音譜


6年という歳月を経ても今もなお耳に、心の奥に深く刻まれているこのフレーズ。
ふとした瞬間に口ずさむことがある、という人は、少なくないはず。
私も、ハッとさせられた。名曲だ。
「君と好きな人が 百年続きますように」
という、祈りの一言に。
この、多くの人の心を打ち、涙を誘った名曲をモチーフにした映画


『ハナミズキ』が、今夏8月21日公開となる。
一足お先に、マスコミ試写にご招待いただき、観てきた。


ある事情もあって急きょ決まったという、追加のマスコミ向け試写だったこともあり
小ぢんまりした試写室の中、わずか数名だけで鑑賞。
私の…すすり泣き(…何度も 苦笑)は、
どうごまかそうとしたってけっこう、響いていた…かもしれない。


「この夏、No.1泣けるラブストーリー」
そう、パンフレットに綴られたキャッチコピーは、大げさでもなんでもなかった。
泣けた。びっくりするくらい、泣けた。
でも、流れるままに、はらはらと涙を流すというのは、悪くないかもしれない
そうも、思わせてくれる映画だった。


この映画、核となるのは、
新垣結衣演じる主人公・紗枝と、
生田斗真演じる紗枝の運命の人・康平の、互いに想い合う心。
そのほかに
父が愛する娘、息子に注ぐ…かける…愛情。想い。
母の慈愛。強さ。
尊敬できる人に感じる友愛、その人から受ける…かけられる愛情。
初恋。
弱い時、弱い心を支えてくれた人の愛。
家族愛。など


さまざまな愛が、そしてその愛のカタチと、物語が、交錯する。
「とても素敵なストーリーだな」と、しみじみ感じた。


主演の2人が、本当に、感情の揺れや、相手を想いながらも
どこか不器用で、でも、懸命に生きる姿を見事に演じきっている。
私個人的には、薬師丸ひろ子演じる紗枝の母の言動に、けっこう胸打たれた!
そこをぜひ、劇場で確認してほしい。


映画に限らず小説でもコミックでも“ラブストーリー”は数多くある。
ただ、この作品で描かれる紗枝と康平、
そして二人を取り巻く人たちのさまざまな愛の物語は、
時に純粋過ぎるくらいまっすぐなのだ。


すれ違いを余儀なくされる出来ごとに、
そして、自分自身の心の中に渦巻く感情や悩み、
葛藤、夢、希望、新たな出会い…によって
時に翻弄され、時に助けられ、すぐそばで笑い合った二人が、
離れた場所で互いを想いながらも遠く感じて、涙し傷つくこともあり、
ある意味ではとてもリアルだ。


まったく、違う、年齢、時代、環境…を生きている人にも
それぞれの体験や抱いている想いの、どこか一部分と
この物語の登場人物たちの想いが重なる。不思議に。
それほどに、リアルで、メッセージ性が強い作品だと私は感じた。
好きな人を想うあまり、
自分でも驚くほどに、ひょんなところで、すとんと落ち、危うげに揺れ惑う。
そうかと思うと、強くなれそうな気がしたり…温かい気持ちになり、
かけられた言葉の裏側にある想いに、後から気付いて
愛されていたという事実に、感謝して手を合わせる。


そういった、日常のさまざまが
探していた、大事なジグソーパズルの1かけらが他とつながるように、
目の前が、開けるような気が、した。


自分は、そう、強くはないことを知り。
目の前の人も同じ、揺れる弱い人間なのだと理解し。
一方で、弱いからこそ強くなろうと、
ありたいと、もがくことはカッコ悪いことじゃなくて
けれど、時には肩の力を抜いて、素直になることも大切で。


ここだ!というタイミングは、そう何度もあるわけじゃなく
だから、一瞬、一瞬を、大切にしなくちゃ、いけない。
大切な人と、一緒に観てもいいし
一人で観て、誰かを想うのも、いいと思う。
この夏、自分への、自分の心の課題に。「感受性」を磨く、という課外授業に。
映画『ハナミズキ』劇場観賞。おすすめです。


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最後に。パンフレットに記されていたのですが
「ハナミズキ」の歌詞は、一青窈氏が
もともと911のテロの事件をテレビで見て、居ても立ってもいられず
書き殴った数枚の散文詩がベースになったものなのだそう。
映画の1シーンにも、911のテロの時…というくだりが、出てくる。


ハナミズキの花言葉は「返礼」。
明治45年、当時東京の市長だった尾崎行雄氏が日米親睦のために桜を贈り
その返礼として戴いたのがハナミズキだった。そして、
現在も、ワシントンのポトマック湖畔にはたくさんの桜が咲き乱れている。
相手を思う気持ちは、きっと、何年経っても、カタチを変えても
花の、樹のように、静かに優しく、でもたくましく根付き
人々の心に、一陣の快い風を、舞わせるのかもしれない。
(記:日下郁子)