千葉支部より、
今回は青島文化教材研究所(以下 青島 とします)のB級重巡鈴谷を作成
いたしましたのでご覧頂こうと思います。
このキットにつきましては、私の尊敬する明石小五郎先生のように資料を持
ち合わせておりませんので、発売時期等詳しい説明は出来ません。
青島では割と早期から(昭和31年頃)「ブルタニヤ号」(ソリッド)や「羽黒」
(ブロック船体)など艦船模型を発売しておりました。
また、ベビーソリッドモデルの「朝風」や「電」など多数のキットを発売して
おりました。
昭和34年頃になりますとB級1/400,50㎝の「羽黒」、「鈴谷」、「高雄」
、「妙高」、C級1/500、40cmの「羽黒」、「鈴谷」の他連合艦隊シリー
ズとして1/500戦艦「日向」、「山城」が発売されていました。
C級「鈴谷」、B級「妙高」、画像はいずれもヤフオクのものです
では、「鈴谷」をご覧いただきましょう。
今回はキットの材料を使わず手持ちの木材を使用しました。
船体はクリヌキに出来なかったため、ソリッドの船体となっています。
木材は、船体はアガチス材、上構は主に朴材を使用しました。
例によってできるだけ図面に忠実に、を心掛けて制作しました。
しかし、1か所だけ、2番主砲砲身を1番砲塔に載せるところだけはど
うしても図面通りにはしたくなかったので、載せてしまいました。
その他は特に難しいところはありませんでしたが、私は半田がうまく
出来ないのでマストは瞬間接着剤で作りました。その為すっきりした
完成状態になりませんでした。
完成いたしました。ご覧ください。
やはりキットの部品を使用していないので、出来上がりを眺めてみ
るとだいぶ印象が違って見えます。
昭和34年頃になりますと、木製艦船模型の絶頂期となり、各社とも
傑作キットが次々と発売されていました。
青島のキットは今見てもなかなか特徴を良くとらえて、縮尺に見合った
纏め方をしています。部品取りが良く考えられているのでとても作り易
い印象を受けます。部品数も少なく出来ればコストダウンにもつながり
メーカーにとっても良いことになります。
当時の各メーカーの製品を見ると、今井と青島が何となく似ている気が
します。LSやフジミ、静教、田宮などは独特の雰囲気を持っています。
誰が図面を作っていたかなど資料が全くありませんので、、キットを眺
めたり、作ってみながらそんな想像を巡らせてみるのも楽しいものです。
木製艦船模型を作る楽しみの一つかもしれません。
あとは作成者がどれだけ自分の腕を見せられるか。当時夢中になって作
っていたあの頃の気持ちが蘇ってくるようです。