二流の腸活は、「腸活って、ヨーグルト食べて、野菜食べてればいんだろう」と言います。
一流の腸活は、「腸活するには、座らないこと」と言って、立って食事をしています。
日本人は世界で最も座っている時間が長い民族です。
平均7時間も座っています。
以前から、「6時間以上座っている人の寿命は短い」と言われていました。
世界でトップクラスの医学誌である、ランセットに掲載された論文では、大腸癌や乳がんの10%は、座りすぎ
などの運動不足が原因だと結論づけています。
いま、日本人女性の死因のトップは大腸癌になっています。
では、なぜ、座りすぎると、腸内環境が悪くなるのでしょう?
腸内細菌叢のバランスが乱れるからです。
座っている時間が長い人の腸内細菌叢を調べてみると、いい働きをする、「いわゆる善玉菌」が減っていることが判明したのです。
善玉菌とは、腸の中で、「酪酸」などの短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)という体にとてもいい成分をつくってくれる細菌のことです。
座っている時間が長いと、腸内細菌が劣化します。
その結果として、寿命が短くなるのです。
座りすぎると、単に足腰の血流が悪くなるから短命になるのではないのです。
座りすぎると、腸内細菌叢が乱れ、酪酸をつくる酪酸産生菌(酪酸菌)が減ってしまうので、全身に大きな悪影響が起こるのです。なにも、ヨーグルトを食べるだけが「腸活」ではありません。生活を整えることも腸活なのです。
二流の腸活では、だらんと長い時間、椅子に腰掛けて、食事をします。
一流の腸活では、立って食事をします。
フィンランドの保健衛生省は、健康のために、立ってコーヒーを飲んだり食事をすることを推奨しています。
今のように安い値段でスタンディングデスクを買うことができるようになる前は、しかたなく私は70万円も出して、フィンランドの木材でできたスタンディングデスクを買いました。そして10年間、立って本を書いてきて、今、累計90万部を超える本を出版してきました。たしかに高かったですが、健康になりながら原稿を書けたと思えば、安い投資であり、十分にペイしたと思えるのです。
長生きのために、立って食事をしよう。
井戸端会議の「立ち話」だって、おすすめです。座ってだべるより、ずっと腸活になります。
腸を健康にするために、立って食事をしよう。
医療法人社団信証会 江田クリニック 院長 江田証