今日6月19日は、朗読の日です。
朗読には、素晴らしい健康効果があるのです。
読書には、黙って読む黙読、自分で声を出すだけの音読、さらに、他人に読んであげる朗読があります。
音読だけでも脳は活性化しますが、それほどではありません。
ただ、他人が聞くことを想定した朗読には、前頭葉の血流を良くして認知機能を改善する効果があります。
朗読するためには、まず黙読する必要かあります。
その上で、聴いてくれる他人のために、「ここを強調したい」、「こうやって抑揚をつけたい」などと考えて工夫してから朗読します。
これによって、ポジティブな文章を他人に朗読してあげると、朗読している方の脳がかなり活性化し、ポジティブな幸福感が生まれるというのです。
なるほど、ですね。
ただ音読もいいですが、誰かのために朗読してあげることは、素晴らしい健康効果があるのです。
目の不自由な方や高齢の親、子どもや孫に本を読んであげるボランティアをしながら健康になる、なんて最高ですよね。
そんなことを考えて僕は一日を過ごしました。
なんていい話なんだろう。
戦争や米などの物価高騰で、なんだか世界が不穏で暗い話ばかりですが、朗読するだけなら、誰にだってできます。
僕の好きなフランスの作家、ロマンロランは、その名作「ジャンクリストフ」の中で、
『英雄とは、できることをやる人だ』と言っています。
『そんなんじゃ、つまらない!英雄とは、誰にもできないようなすごいことを成し遂げることだと言っている人もいる!』と反論する若者に対して、
『そんなのはね、嘘つきが言うことだよ、
本当の英雄は、なしうることをやる人が真の英雄なのだよ。それだけでも立派でなかなかできないことなのだよ』
と諭し、若者は真理を感得していきます。
何かすごいことをやるより、本当はできるのに、やっていないことに焦点を当てたほうが、人間は幸せになれるのかもしれません。
『なしうるすべてを』。
医療法人信証会 江田クリニック 院長 江田証