今回、複数の学会にかけもちで参加してきた。

 

地方都市で開催された学会総会もあり、移動も宿泊も非常に大変だったが、患者さんのためである。

 

その中で、医師でも犯しがちな誤解をなんども見た。

 

SIBOの研究発表で、『SIBOを起こしている腸内細菌を検討した』という内容なのに、なんと調べた対象が「便」なのだ。

 

千人単位の大規模な検討にて、大腸内の腸内細菌叢と小腸内の腸内細菌叢はまったく違うものであることが示されている。

 

便の中に検出される腸内細菌は、大腸内、それも肛門に近い部位の大腸内の腸内細菌叢を反映したもので、小腸の中の腸内細菌叢は、また全く異なることがわかっている。

 

この発表には、さすがの座長(国立大学教授)からも、

 

これは、便ですよね?

小腸からはかなり遠いですよね…と苦言を呈されていた。

 

ほかの研究会でも、

「便を取って調べる検査でSIBOの治療で使う抗生物質を決める」などというとんでもない演者の話を聞いた。

 

SIBOで増えている細菌は、あくまでも小腸内で増えている。

この小腸内の細菌に対して効く抗生物質を使わなくてはならない。

 

しかし、便で調べても、それはわからないのだ。

いくら分子生物学的なアプローチで便中に排出された細菌を分析したところで、便でわかる細菌は、あくまでも大腸内で増えている細菌であり、見当違いである。

 

つまり、SIBOで増えている細菌は、便を採取して調べる検査ではわからない。

 

患者さんもここはよく勉強して理解しておく必要がある。

 

ここは下記の本で解説。

 

 

 

 

 

 

 

 


海外で、私の本が翻訳されて発売されることが決定しました‼️

私の本が海外で翻訳、発売されるのは、これで6冊目なのですが、今回翻訳されるのは、以下の本。



『腸をリセットする簡単レシピ』(江田証著 幻冬舎刊)


医療法人信証会 江田クリニック 院長 江田証


高校のマラソン大会に

救護医として参加してきました

偏差値70を越える秀才の集まる高校である。

 

20キロ弱を走るマラソン大会。

もし速く走れなくて悔しかった君は、そのぶん、大人になったら、速い車に乗ればいい。

一生懸命に努力して、仕事に邁進すれば、あなたたちならフェラーリだって容易に買えるだろう。

もしくは、鈍足の君は、対価を払って足の速い人に代わりに走ってもらうこともできる。

それが大人の世界。

 

ただ、伝統あるマラソン大会の日とは、たとえ蝸牛の歩みでも、足が痙攣してうずくまってしまっても、足に血豆ができても、自分の足で走ることの尊さを感じるための日なのだと思う。

 

当日、風邪やインフルエンザ、コロナなどの感染症などで走れなかった君は、自分の思うとおりにいかない悔しさを心に刻むかもしれない。でも、そんな理不尽なつらさを味わうのも「人生というマラソン」でもある。

 

コロナ禍で4年ぶりとなった、この伝統ある行事が開催されたことを心からお祝いしたい。

 

すばらしい秋晴れのもと、私は、若者のさわやかな汗とスピリッツをつぶさに見た。

 

懸命に走った生徒はもちろん、事情があり走ることが叶わなかったものの、一生懸命記録をつけたり、テントを運んだ生徒の皆さんの、輝かしい未来に乾杯

 

医療法人社団信証会 江田クリニック 院長 江田証

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