【過敏性腸症候群は、単に「精神的な問題」だけではない】
多くの臨床家はこれまで過敏性腸症候群は「単なるストレスや精神的な問題」ととらえてきた。
もちろん精神的な問題、腸脳相関が要素として存在するのは間違いない。
しかし、最近の研究により、過敏性腸症候群は「食物」や「腸内細菌」に問題があることがわかってきた。
特に、小腸の中での過剰な細菌増殖(SIBO(小腸内菌増殖症;Small Intestinal Bacterial Overgrowth))や、食物、特に腸内で過剰な発酵を起こす糖質、FODMAP(フォドマップ)による影響が脚光を浴びてきたのだ。
今回の本の中で解説したSIBO研究の権威、マーク・ピメンテル教授のインタビューを見て彼の発する声に傾聴して欲しい。
患者さんが呼気試験を受けている映像も写っている(江田クリニックでもSIBOの呼気試験を行っている)。
ピメンテル教授は、「過敏性腸症候群に抗生物質が効く」ことをニューイングランドジャーナルオブメディスンに報告した教授である。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21208106
2015年にアメリカではすでに下痢型の過敏性腸症候群に対して、抗生物質の2週間の治療がFDAで認可されている。
特に「リファキシミン」という抗生剤がきわめて有効で過敏性腸症候群の症状を軽減する。
特にリファキシミンはほとんど副作用もなく、耐性菌を作ることが少ないことが報告されている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26202193
これらの知見は、ストレスマネージメントや認知行動療法だけではまったく良くならなかった
患者さんの病状を改善することにつながる。
医療法人社団信証会 江田クリニック 院長 江田証
ビンキュリンなどは、私の本でも解説しています。
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