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受賞御礼:週刊アカシックレコード051221

■受賞御礼~週刊アカシックレコード051221■
小誌が「メルマガ オブ ザ イヤー 2005」の「カテゴリ賞 - ニュース&情報部門」を受賞しました。
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【桶狭間の奇襲戦】
佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
m(_ _)m
【オルガノから投票】
農林水産研究計算・情報センター、富山県庁、福井医大6、オルガノ(イオン交換樹脂)、ヤフー、ニコン2、NRIセキュア(野村総研グループ)、三洋電機、都築通信技術、図研4、松下電器……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに福井医大、ニコン、図研からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
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■受賞御礼~「メルマガ オブ ザ イヤー 2005」■
【前回「FIFAが冷遇する国~シリーズ『06年W杯サッカー本大会(抽選工作)』(3)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/fifafk.html > 】
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(「ホームページランキング」とは別に)「メルマガ オブ ザ イヤー 2005」( < http://www.akashic-record.com/y2005/18priz.html > )という人気投票イベントが、小誌(メールマガジン)の配信サービスを提供しているプロバイダーmelma.comの主催で行われ、さる05年12月18日、投票受け付けを締め切りました。
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そして開票の結果、小誌が、栄えある「メルマガ オブ ザ イヤー 2005」の「カテゴリ賞 - ニュース&情報部門」を受賞しました。
(^o^)/~
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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   http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●不平等を逆転!!●
この賞は「各誌がそれぞれの読者に向かって投票を呼びかけていい」という、NHKが『紅白歌合戦』で歌われるべき歌を決めるために実施したアンケート「スキウタ」のような投票方式なので当然、3万、5万と多くの読者を持つ「懸賞情報」誌や、毎日発行される、記事本文の短い「薄文多売」型のメルマガ、有名人の発行誌、大企業サイトの支援を受けた媒体などの「大手誌」が有利であろうと思っておりました。
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が、蓋を開けてみれば、読者数わずか17,274(05年12月現在)の、長文記事を特徴とする「厚文少売」型の小誌が、同部門で読者数第1位(31,811)の「Today's Gendai メール」を抑えて部門内最多得票を賜り、みごと受賞することができました。
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【実は、小誌がどの部門に属しているのか、ということは忘れておりました。創刊前は「ビジネス&政治・経済」と「国際情勢」に入れてもらおうと思ったのですが、「ビジネス&政治・経済」部門にはいると、「お小遣い稼ぎ」情報誌のような、小誌と著しく内容の異なるメルマガと同じ範疇に分類されてしまうので、同部門をやめて「ニュース&情報」部門(その中の「国際情勢」)を選択したのだ、とおぼろげながら記憶しております。
また、02年6月13日のW杯サッカー本大会の「誤審」予測記事( < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#04referee > )が的中して以降、小誌では、国際政治経済のほか、プロ野球を含む「国際スポーツビジネス」(五輪・W杯サッカーとマスコミ)が重要なテーマになっているため、その後も小誌は、「政治・経済」だけでなく「スポーツ」も扱うという意味で、「ニュース&情報」部門に所属し続けました。
結果的に、このカテゴリー選択が奏効したようです。
(^_^;)】
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【詳しい開票結果や各カテゴリーの受賞結果は、後日melma.comから発表されると存じますが、「スキウタ」のように途中で開票結果を事実上無効にしたり事後的な「審査」を上乗せしたりすることなく、当初発表したとおりのルールと正確な「数字」に基いて受賞誌を決定された主催者、melma.comのスタッフの皆様に感謝と敬意を表します。現在開票中のイラク議会選挙もこうあってほしいものです。】
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これもひとえに、小誌をご購読下さり、ご投票下さった読者の皆様のお陰と存じます。
誠に有り難うございました。
m(_ _)m
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┏━━━━━━━━━ メルマガ「軍事情報」 ━━━━━━━━━━┓
   あなたに唯一欠けているのは、「軍事常識」です。
 さあ、私たちと一緒に本当の軍事の世界に船出しましょう!!
        http://okigunnji.com/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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●年末年始●
さて今年、2005年もご購読有り難うございました。
今年は、政治的、社会的な「緊急事態」が起きない限り、これが最後の配信となります。
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来年、2006年は、1月中旬に再開する予定です。
今回の受賞を1つの糧として、今後も記事内容の向上、読者数の増加、ならびに社会的影響力の拡大を目標に精進して参る所存ですので、来年も引き続きご購読のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
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-- 佐々木 敏 + 「週刊アカシックレコード」編集部
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(敬称略)
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追伸1:
本誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、本誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。
本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第218号のあとの臨時増刊です。
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追伸2:
本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

FIFAが冷遇する国:週刊アカシックレコード051215

■FIFAが冷遇する国~週刊アカシックレコード051215■
05年12月9日に行われた06年W杯サッカー本大会予選リーグ(L)の組分け抽選会の結果から、「韓国とは距離を置きたいし、アフリカ勢には予選Lで敗退してほしい」というFIFAの本音が見える。
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【あと3日】
(「ホームページランキング」とは別の)人気投票イベント「メルマガ オブ ザ イヤー 2005」があと3日、12月18日まで < http://melma.com/contents/moy2005/ > で投票を受け付けています。必ず(クリックのみでなく)小誌名「週刊アカシックレコード」か小誌ID「00042082」のどちらかをご記入のうえ[投票する!!]ボタンをクリックして下さいませ。
詳しくはこちら → < http://www.akashic-record.com/y2005/18priz.html >
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【桶狭間の奇襲戦】
佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
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【農水研、富山県庁から投票】
農林水産研究計算・情報センター3、富山県庁、福井医大2、三洋電機、都築通信技術、東洋紡績、ヤフー、ニコン……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに農水研、福井医大からは複数のご投票、有り難うございました。
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■FIFAが冷遇する国~シリーズ「06年W杯サッカー本大会(抽選工作)」(3)■
【前回「抽選方式の矛盾~シリーズ『06年W杯サッカー本大会(抽選工作)』(2)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/acb.html > 】
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05年12月9日に開催国ドイツのライプチヒで行われた、国際サッカー連盟(FIFA)主催の06年ワールドカップ(W杯)サッカー本大会予選リーグ(L)の組分け抽選会に、FIFAは「サッカーの神様」ペレ、元ドイツ代表主将ローター・マテウス、元オランダ代表主将ヨハン・クライフら往年の名選手とともに、元日本代表の中山雅史、元米国代表のコビ・ジョーンズを招待し、抽選のくじを引く大役を与えた。
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厳密に言えば、中山とジョーンズの役割は組分け抽選ではなく、グループ内の対戦順を決めるくじを引くことであり、各国の運命を決する(FIFAが不正を行ってでも操作したい?)「組分け抽選」そのものではなかった。が、抽選会のスペシャルゲストが、日米、2大経済大国から招かれたことは間違いない。
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「大役」はほかに元カメルーン代表のロジェ・ミラ、元フランス代表のクリスチャン・カランブー、元南アフリカ代表のルーカス・ラデベにも与えられた。
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日本は前回、フランスは前々回、米国は前々々回本大会の開催国で、南アフリカは次回(10年)の開催国だから、そういう国から「くじ引きゲスト」を呼ぶのは当然かもしれない。
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      << メルマガ オブ ザ イヤー 2005 >>
           投 票 受 付 中 !!
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★★★「週刊アカシックレコード」に投票をお願い致します!★★★
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●韓国離れ●
他方、日本とともに前回02年本大会の開催国で、しかもベスト4に進出して歴史を作った「はず」の韓国からはだれも呼ばれなかった。まるで、02年本大会が日韓共催だったことを忘れたかのような、ずいぶん冷淡な扱いだ。
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国内総生産(GDP)が世界一の米国と2位の日本でサッカーが盛んになれば、FIFAの利益はもっと増える。だから、この2大経済大国を重視するのは当然だ。が、一度も開催国になったことのないオランダやカメルーンからゲストを呼ぶのに、韓国から呼ばないとは………もう二度と韓国で本大会を開催することはない、とFIFAは見限っているのだろうが、まるで掌を返したかのような冷たさだ。
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韓国は(人口が日本の1/3以上の約4800万人もいて、プロ野球の球団も8つあるのに)高校野球をやっている学校が全国で約50しかない、という極端なスポーツ後進国だ(日本で硬式野球部を持つ高校は4000以上。小誌05年11月28日「日韓野球格差~半永久的に変わらぬ構図」 < http://www.akashic-record.com/y2005/jkball.html > )。韓国ではスポーツは「恵まれた環境にある一部のエリートがたしなむ特殊なもの」であり、韓国国民はサッカーも含めて、スポーツそのものが好きなわけではない。ただ、歴史が浅く、脆弱なナショナリズムを糊塗するため、「(戦争の代わりに)自国が勝つところが見たい」「日本が負けるところが見たい」と騒いでいるだけだ。
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だから、外国の一流選手への敬意などひとかけらもない。02年本大会決勝トーナメント(T)韓国ラウンド初戦「ドイツ対パラグアイ」戦の観客席はがらがらで、チケットは半分近く、約14,000枚も売れ残った(小誌02年6月17日「●断ちがたい不正判定の誘惑」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#05 > )。この「がらがらの観客席」はそのまま全世界に生中継され、世界中のサッカー関係者の怒りを買った。すなわち、韓国が、サッカーそのものが好きなわけでもないのに、「日本に単独開催させたくない」という、欧州諸国から見てなんら同情するに値しない、くだらないわがままのために、W杯本大会をおもちゃにしたことが、わかったからだ。この試合に出たチームからは「韓国主催当局はW杯サッカーの魅力を韓国内に伝える努力を十分にしたのか」という非難の声が上がった(小誌02年6月23日「●次は負けるはず」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#07 > )。
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もちろん、なんの努力もしていない。韓国のマスコミは「日本に遅れをとるな」「韓国は絶対勝つ」という「大本営発表」に終始していたのだから。当然、02年6月14日の「韓国対ポルトガル」戦で韓国が勝ったのは、ポルトガルにレッドカードが2枚出る、という異常な「誤審」のお陰であることなど(小誌前掲記事)韓国内ではだれも冷静に考えようとしない。
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それに比べて、日本には「ベッカム様」のファンが大勢いる。日本人は、自国の出ない試合でも、たとえばブラジル対イングランドの試合でも熱狂し、客席は満員になる。欧州サッカービジネス界の幹部たちは、日本人のサッカー好きをよく知っており、04年にギリシャで開催された(日本人選手が1人も出ない、各国A代表対抗の)欧州選手権「EURO 2004」の公式サイトに、英語など欧州各国語版のほかに日本語版も設けた………が、韓国語版は作らなかった。
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そのうえ韓国スポーツ界は上記のような事情で極端に選手層が薄い。テコンドーのように世界の競技人口の大半が韓国に集中している特殊な競技ならともかく、サッカーのように全世界で盛んなスポーツで、韓国ごときスポーツ貧困国が「強豪」になることなどありえない。
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他方、日本はスポーツ先進国、サッカー大国になりうるだけの総人口、競技人口を十分に持っている。日本は、Jリーグ発足直後の、90年代のW杯サッカーの地区予選、本大会でこそ苦戦し、他国のA代表からなかなか点の取れない「決定力不足」だったものの、00年を過ぎると、五輪や国際Aマッチ(A代表同士の試合)で得点するのはかなり容易になり、日本代表は「点の取れるチーム」に成長した。
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日本は、00年シドニー五輪サッカーでは(韓国と違って)決勝T進出をはたし、同年のアジアカップ(アジア杯)サッカー決勝では中東(開催国レバノン)で中東の強豪(サウジアラビア)を破るという「ドーハの悲劇」以来の悲願を達成し、そして02年W杯本大会予選Lでは(韓国と違って「誤審」なしで)2勝した。
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たまりかねた韓国は、FIFA副会長の韓国人、鄭夢準(チョン・モンジュン)をFIFA五輪分科会副委員長に就任させ、アテネ五輪サッカー本大会の日程編成権を握った(任期は04~06年で、その権限はW杯の日程には直接およばない。五輪サッカーの主催権は国際オリンピック委員会IOCでなくFIFAが持つ。在日大韓民国国民団Web 03年11月26日「鄭夢準氏がFIFA五輪分科会副委員長に」 < http://www.mindan.org/search_view.php?mode=news&id=2216 > )。
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この五輪本大会予選Lで、日本は(韓国の希望どおり?)パラグアイ、イタリア、ガーナという強豪のひしめく「死のグループ」に押し込められ、決勝T進出を邪魔された。
他方、韓国はギリシャ、メキシコ、マリと一緒の、比較的ラクな組にはいり、1勝2分で決勝Tに進出したものの、初戦でパラグアイに敗退した(スポーツナビ「アテネ五輪 サッカー」 < http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/athens/data/result/ > )。
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韓国は「パラグアイには負けたが、(決勝Tに進出したことで)日本には勝った」と思っているかもしれないが、FIFAの欧米人幹部にとっては、そんな偏執狂的な対日感情など、考慮する価値もない。
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今後、日韓を「宿命のライバル」と位置付け、韓国を日本に劣らぬアジアの強豪に「見せかける」ために、FIFAはいったいどれほどの虚しい努力をしなければならないのだろうか。02年本大会で、韓国が(誤審の連続で不正に)ベスト4になったあと、韓国のFIFA国別ランキングの順位は日本を上回ったが、05年11月発表の最新ランキングでは、15位の日本を大きく下回る29位にまで落ちた(FIFA公式Web 05年11月23日「ランキング」 <
http://www.fifa.com/en/mens/statistics/index/0,2548,111537,00.html?articleid=111537 > )。
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この先、この差は、短期的には縮まることもあるかもしれないが、長期的には開く一方だろう。日本は、中田英寿も小野伸二も柳沢敦も高原直泰も使わずに(敵地中国で反日シュプレヒコールを浴びながら)04年アジア杯で優勝してしまうほどの厚い選手層を持つが、韓国にはそんなものはないのだから(韓国は、日本がとうの昔に克服した中東勢をいまだに苦手とし、いつまで経ってもアジア杯で優勝できない)。
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いったいいつまで、比べても意味のないほど国情の違う2つの国を対等に比較する「宿命のライバルごっこ」に、全世界が付き合わされるのだろうか………ものには限度があるはずだ。
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FIFAがどんなに努力しても、その「ごっこ」には大した見返りはない。韓国市場は日本市場よりはるかに小さいからだ。
韓国のGDPは日本の1/4(米CIA Web「World Fact Book」 < http://www.cia.gov/cia/publications/factbook/index.html > 04年の推計値)というマーケティング上単純な問題もあり、今後FIFAは韓国を重視しなくなるだろう。
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たしかに韓国には鄭夢準副会長というFIFAの重鎮がいる。が、その韓国が、今回06年本大会予選Lの組分けでスイスと同じ組にはいったのはどういうわけだ?
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スイスはジョセフ・ブラッターFIFA会長の母国であり、だれが考えても会長のほうが副会長より偉いので、前回02年本大会のときのように、韓国がまた怪しげな判定で決勝Tに進出しようとすれば、スイスがその前に壁として立ちはだかることは間違いない。もう同じテは使えないのだ。
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むしろ06年本大会では韓国は、スイスが決勝Tに進むための踏み台にされるのではあるまいか、02年本大会でポルトガルが韓国の踏み台にされたように(もはやFIFAにとって韓国の利用価値は、その程度しかあるまい)。
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【つまり、前回推理したように、くじに目印を付けてスイスの組分け抽選結果を操作したのだとしても、韓国がスイスを選んだのではなく、スイスが韓国を(安全パイとして)選んだ、と考えるべきなのだ。】
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      2008年北京五輪、開催不可能!
               ↓
   http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●アフリカへの刺客●
小誌は前々回の記事で「アフリカ諸国のなかで欧米白人がもっとも嫌う国ナイジェリアが06年W杯本大会には出場しないので(同国を決勝Tに進出させないために)優勝候補クラスの強豪ばかりを集めた予選Lの組「死のグループ」を、(02年本大会のときと違って)FIFAは今回は意図的には設けないのではないか、と述べた(小誌05年12月5日「組分け抽選の『操作』を読む~06年W杯サッカー本大会(抽選工作)」 < http://www.akashic-record.com/y2005/wcfd.html > )。
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が、05年12月9日に決まった予選Lの組分け「抽選」結果を見ると、「死のグループ」の名に値する、決勝T進出があたりまえの強豪が3か国以上集まった組がある(FIFA公認Web「Final Draw presented by Emirates Airline」 < http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/w/fd/index.html > で[Relive The Final Draw]ボタンをクリックすると組分け抽選の最終結果「Groups」を確認できる)。以下の3つだ。
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B組: イングランド、パラグアイ、トリニダードトバゴ、スウェーデン
C組: アルゼンチン、コートジボワール(CIV)、セルビアモンテネグロ(SCG)、オランダ
E組: イタリア、ガーナ、米国、チェコ
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06年本大会に出場するアフリカ代表は、最新のFIFAランキングの順にチュニジア(28位)CIV(41位)ガーナ(50位)トーゴ(56位)アンゴラ(62位)の5か国だが、このうち「身体能力の高い黒人」の国は4か国だけで、チュニジアはアラブ人の国だ。
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チュニジアのランキングが高いのは、04年のアフリカネーションズカップ(アフリカ杯)で優勝したことによるもので、この国はアフリカ大陸内では「黒人の国」に(戦い慣れているので)強いらしい。が、02年W杯本大会では「0-2」で日本に完敗しており、アフリカ域外での戦いには強くない。
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05年11月のキリンチャレンジカップで日本に敗れたアンゴラも、アンゴラ並みにFIFAランキングの低いトーゴも同様だ。
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つまり、上記のC組、E組の組分けは(国際Aマッチの経験が少ないので、その勝敗で変動するFIFAランキングは低いものの)真に強いアフリカの2強、CIVとガーナにそれぞれ、オランダ、チェコという、最新のFIFAランキングで3位、2位の優勝候補がぶつかる形になっているのだ。「2強」はこのほかにもそれぞれ、旧ユーゴスラビアが解体するまで東欧屈指の強豪だったSCG、02年本大会ベスト8でランキング8位の米国(そしてもちろん第1シードのアルゼンチン、イタリア)という「刺客」を差し向けられており、これでCIV、ガーナともに上位進出はほぼ絶望と見てよい。
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なんでFIFAは(抽選会のくじに目印を付けてまで?)こんな組分けをしたのか。
近年アフリカ大陸勢は進境著しく、過去の本大会での実績に基き、06年本大会では(それぞれ4.5か国の出場枠しかない)アジア、南米を上回る、5か国の出場枠を与えられているし、上記の06年本大会組分け抽選会にも2人のアフリカ人が特別ゲストとして招待されており、FIFAはいままでアフリカに敬意を払って来たではないか(小数点以下の「0.5」か国は、他大陸の代表とのプレーオフに勝って初めて出場が決まる枠が1つあることを意味する。以下同)。
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なぜ、アフリカ勢のなかで(決勝Tに進出すれば)旋風を巻き起こす可能性の高いCIVとガーナだけがこんな「意地悪」をされるのか。5年後の10年にはアフリカでW杯本大会が開催されるというのに。
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実は、この10年本大会が、最大の問題なのだ。
06年本大会では各大陸別の出場枠はアジア4.5、オセアニア0.5、アフリカ5、北中米(カリブ海)3.5、南米4.5、欧州14(開催国ドイツを含む)だ。
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これをそのまま10年本大会にあてはめると、開催国は南アフリカなので、それを含めてアフリカの枠は6となる。他方、もし06年本大会でブラジルなど南米勢が大活躍した場合は、FIFAは10年本大会の南米の枠を現行の4.5から5に増やさざるをえないので、代わりにどこかの大陸の枠を減らす必要がある。
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オセアニアの0.5はこれ以上減らしようがない。
欧州の13も減らせない。06年本大会では開催国を含めて14もの枠があるが、それでもFIFAランキング11位のトルコやEURO 2004で優勝したギリシャが本大会出場をのがすなど、元々欧州のレベルの高さに比べて欧州の出場枠は少なすぎるのだ。
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北中米とアジアも難しい。北中米の出場枠を現行の3.5から3、アジアのそれを4.5から4ないし3.5に減らした場合、FIFAが重要視する2大経済大国、米国と日本が出場しにくくなる、というマーケティング上最悪の問題が発生する。
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結局、アフリカを減らすのがいちばんよい。
もし06年本大会予選Lでアフリカ勢5か国が「全滅」し、どこも決勝Tに進めなければ、アフリカの枠を現行の5から(開催国を除いて)4(ないし4.5)に減らすことができる。
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アフリカには(南アフリカを除くと)日米欧のような豊かな先進国はない。大半は貧しい国ばかりだ。いかにアフリカで開催されるW杯本大会といえども、そんなところに、開催国を含めて6か国もの出場枠を与えるのは非生産的だ。TV放送権料も関連グッズの売り上げもないに等しい国々にそんな、余分な出場枠を与えるのは、マーケティング上「自殺行為」であって、そんな「余分」があるなら、それは北中米かアジアにまわしたほうがいいに決まっている。
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だから、06年本大会予選Lの組分け抽選では、FIFAはアフリカの強豪の決勝T進出を妨害するような組分けをしたと考えられるのだ。
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●やはり抽選工作?●
このように、組分け抽選結果は、各大陸の出場枠を左右し、世界サッカービジネスのマーケティング戦略を直撃する大問題なのだ。だから、くじ引きゲストに自由にくじを引いてもらって「運任せ」にしよう、などとFIFAの幹部たちが考えるはずはない。
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(敬称略)
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追伸2:
本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

抽選方式の矛盾:週刊アカシックレコード051211

■抽選方式の矛盾~週刊アカシックレコード051211■
05年12月9日にドイツで行われた06年W杯サッカー本大会予選リーグの組分け抽選会では、FIFAは小誌既報のとおりメキシコを強引に第1シード(ポット)に入れ、事前に発表した抽選手順も変更したうえで、日本に有利な組分けをした。
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【メルマガ オブ ザ イヤー 2005】
という人気投票イベントがあるそうで < http://melma.com/contents/moy2005/ > で12月18日まで投票を受け付けています。必ず(クリックのみでなく)小誌名「週刊アカシックレコード」か小誌ID「00042082」のどちらかをご記入のうえ[投票する!!]ボタンをクリックして下さいませ(「推薦コメント」欄には何も書かなくてもかまいません)。
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【桶狭間の奇襲戦】
佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
m(_ _)m
【阪神電鉄、金秀、NTTグループから投票】
農林水産研究計算・情報センター2、福井医大2、東京エレクトロン2、ヤフー2、図研3、NRIセキュア(野村総研グループ)、東洋紡績、ニコン、三洋電機2、BML(臨床検査)2、NTTデータシステムサービス、金秀グループ(沖縄県の建設、鋼材企業)、阪神電鉄グループ……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに農水研、福井医大、東京エレクトロン、ヤフー、図研、三洋、BMLからは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
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■抽選方式の矛盾~シリーズ「06年W杯サッカー本大会(抽選工作)」(2)■
【前回「組分け抽選の『操作』を読む~06年W杯サッカー本大会(抽選工作)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/wcfd.html > 】
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FIFAの幹部なんて、ろくな死に方はしないぞ。
(>_<;)
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05年12月9日に開催国ドイツのライプチヒで行われた、国際サッカー連盟(FIFA)主催の06年ワールドカップ(W杯)サッカー本大会予選リーグ(L)の組分け抽選は、まさに不正操作の「やりたい放題」だった。これが「抽選」と言えるのか(FIFA公認Web「Final Draw presented by Emirates Airline」 < http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/w/fd/index.html > で[Relive The Final Draw]のボタンをクリックすると組分け抽選の最終結果「Groups」と、それに至るまでの分刻みの途中経過「Live Commentary」を確認できる)。
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●やはりメキシコ●
前回記事の末尾で筆者は「まさか今回『メキシコを第1ポットに入れて欧州勢の1か国を第3ポットに…』などとムリヤリ端数を作るような露骨な操作はしないと思うのだが……」と懸念を表明した。
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その理由は2つある。
1つは、北中米(カリブ海)地区代表のメキシコを第1ポット(シード)に入れると、抽選の手順が異様に複雑になり、急に不自然なほど不正操作がやりやすくなるからだ。そして、もう1つは、メキシコを第1ポットに入れることに、まともな理由がないからだ。
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前者の不合理は技術的な理由だ。
メキシコが他の3か国の北中米代表とともに同じポットにはいれば、それとアジア地区代表の4か国とで合計8か国となり、1つのポット(今回は第4ポット)が埋まる。その場合、第1ポットはFIFAの国別ランキングと最近の本大会の実績から見て、ブラジル、アルゼンチンの南米代表の2強と、独仏伊西など欧州代表の6強でよい。そうすると、欧州代表の出場国(今回は合計14か国)の残りは8か国となり、その「残り」だけで1つのポットが埋まる。また、南米の「残り」がエクアドルとパラグアイの2か国になるので、これにアフリカ代表5か国とオセアニア代表1か国(オーストラリア、豪州)とを加えれば、また1つのポットが埋まる。
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つまり、欧州は2つのポットにしかまたがらず、北中米は1つのポットにすべて収まる。けっして「欧州が同じ組に3か国以上」「北中米が同じ組に2か国以上」にならないことが、くじ引き前から保証されるので、特定の組に同じ地区(大陸)の代表を過剰に集めたくない、というFIFAの既定方針を貫くのが、簡単なのだ。
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しかし、FIFAはそうはしなかった。
メキシコを第1ポットに入れたことで、第1ポットにはいるはずだった欧州の6か国目は第3、第4ポットに押し出され、欧州代表は3つのポットに分散し、北中米代表は第1ポットと第4ポットの2つにまたがることになった。
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本来、くじのはいった箱(ポット)の中身の入れ替えは、エクアドル、パラグアイという南米代表の「残り」を、第1ポットのブラジル、アルゼンチンと同じ組にしないために、第2ポットで1回やれば済むはずだった。
ところが、メキシコのせいで、第4ポットに欧州代表のセルビアモンテネグロ(SCG、旧ユーゴスラビア)が、欧州代表14か国中「最新の」FIFAランキングがもっとも低い、という理由で(産経新聞05年12月7日付朝刊24面「抽選方式」)飛び入りし、これを他の欧州勢2か国と同じ組にしないために、まずSCGをブラジルかアルゼンチンのいる組に割り振ったあと、ポットの中身を入れ替える「余計な手間」が必要になった。
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余計な手間はここで終わらない。さらに同じ第4ポットで、メキシコ以外の北中米代表3か国をメキシコのいない組に割り振る抽選を実施し、それが終わったあとに、また「ポットの中身を入れ替えて」アジア代表4か国を残りに割り振ることになるからだ。
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つまり、日本のくじ引きが行われる時点では第3ポットまでの抽選はすべて終わっているので、不正が可能なら、FIFAは意識的に、日本を弱い相手の多い組に割り振る確率を、非常に高くできるのだ。
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後者の不合理は道義的に深刻で、まさに「サッカー倫理」に反する。
まず、最新の、05年11月23日発表の、FIFAの国別ランキングで見ると、メキシコは7位だが、今回第2ポットにまわった2位のチェコ、3位のオランダより劣る(米国は8位。FIFA公式Web < http://www.fifa.com/en/mens/statistics/index/0,2548,111537,00.html?articleid=111537 > を参照)。
次に、94~02年までのW杯本大会の実績で見ても、メキシコは一度もベスト8にはいっておらず、94年3位のスウェーデン、98年4位のオランダ、02年ベスト8の米国より劣る(FIFA公認Web < http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/p/pwc/index.html > )。
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この選定は発表直後から反感を買っている。米国サッカー関係者は「メキシコの第1シード(ポット)入りはcontroversial(議論を呼ぶ)」と述べている(日本時間05年12月7日6:30~7:00PM放送のCNNj『ワールドスポーツ』)。
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FIFAは、事前には第1ポットの選定基準を発表せず、メキシコを含む8か国を発表したあと「98~02年の本大会の成績と03~05年の(つまり過去3年の)FIFAランキングを、06年本大会出場32か国中で序列化し、高い順位に高ポイントを与える方式のポイント制」に基いた、と「あと知恵」を披露した(産経新聞05年12月7日付朝刊24面「シード国の選定方法」)。
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【この「ポイント制」は、SCGを第4ポットにまわした理由、「最新の(つまり05年11月発表分のみの)FIFAランキングが欧州代表のなかでもっとも低い国」と、明らかに矛盾している。】
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これはずるい。
第1ポットの選考基準は03~05年のFIFAランキングに基くと言いながら、W杯本大会の成績のほうは98年までさかのぼって考慮するという。そんなに昔の本大会の成績が重要なら、FIFAランキングのほうも98年から考慮すべきだし、逆に、03年からのFIFAランキングを重視するなら、それ以前の本大会の成績などどうでもよいはずだ。
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98~02年の本大会の成績を序列化してポイントにしたのは、98~02年本大会不出場のチェコ、02年本大会不出場のオランダ、02年本大会予選L敗退のポルトガルのポイントを意図的に引き下げ、相対的にメキシコのポイントを上げるため、と考えられる。
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【98~02年にチェコ、オランダが本大会出場を逸したのは、欧州地区のレベルが高すぎるからであり、02年本大会予選Lでポルトガルが敗退したのは、審判の「誤審」によって韓国に(不正に)敗れたからだ(小誌02年6月13日「●いまこそ『奥の手』を~審判に『期待』」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#04referee > )。この欧州勢3か国はいずれも本大会でベスト4以上をねらえる強豪だが、今回は他の大陸の代表に比べて不当に低いポイントを与えられ、メキシコに第1ポットを奪われたのだ。】
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つまり、今回FIFAは、敢えて抽選の手順を複雑にするために、二重、三重に矛盾した理由でメキシコを第1ポットに入れ、不正を行う機会を増やしたのだ。「いくらなんでも、そこまで露骨なことは…」と前回の記事で書いたのだが……まさかほんとうにやるとは。
(>_<;)
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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   http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●急遽変更●
しかし、不正はこれで終わらなかった。
産経新聞が05年12月6日のFIFAの発表に基づいて翌7日付で報道した第4ポットの抽選手順によれば、まずSCGのはいる組を決めたあと、北中米の3か国を(メキシコと同じ組にならないように)割り振り、次に「そのうえでアジアの4か国が空いた組にはいる」はずだった(産経前掲記事「抽選方式」)。
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ところが、12月9日の実際の抽選では、SCGがはいる組(アルゼンチンと同じC組)を決めたあとは、いきなり北中米3か国とアジア4か国のくじ(球)計7つを混ぜてくじ引きを始めたのだ。
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これについてFIFAは「(7か国のくじ引きで)最初に引かれたアジアの国はメキシコのいる組にはいり、メキシコの組を引く順番で北中米の国が出た場合は(北中米大陸代表同士を同じ組にしないために)自動的に次の組にまわす」という手順の詳細を、メキシコの第1ポット入りを発表した翌日の7日付で発表している(「Draw Procedure」p.4 "Draw 8" < http://eur.i1.yimg.com/eur.yimg.com/i/eu/fifa/proce.pdf > )。
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産経は一流紙だ。根拠があったからこそ「北中米が終わってからアジア」と書いたのだ(常識的に見て、産経の報道のほうがその後のFIFAの発表内容より合理的だ)。
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が、その後、7日にFIFAが発表した「抽選手順」(前掲「Draw Procedure」)では、第2、第4ポットについて「(同じ大陸の代表同士が重なった場合)自動的に次の組にまわす」という規定がはいっていた。そして第2、第4ポットのいずれにおいても、くじのはいったポットの中身を入れ替える作業は(日本時間05年12月10日放送のNHKの生中継番組『FIFAワールドカップ組み合わせ抽選会』を見る限り)行われなかった。結果的に、エクアドル、パラグアイは同じ南米勢のはいった組(C組とF組)をかすりもしなかったし、北中米勢がメキシコの組(D組)をかすって「次の組にまわる」という規定が発動される事態(醜態?)も回避された。
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●目印?●
実は、第2ポットの抽選は、順番どおりに行われていない。
最初(エクアドル)はA組(ドイツのいる組)だったが、次(コートジボアール)はC組(アルゼンチンの組)に行き、そのあと(パラグアイ)はB組(イングランドの組)に入れられている。これは、「(第2ポットで)南米勢以外の代表が引かれたらまず、すでに(第1ポットの)南米勢(アルゼンチン、ブラジル)のはいっている組に優先的にまわす(南米勢同士が同じ組で重なる可能性が残っている場合のみ)」という規定による(前掲「Draw Procedure」p.3 "Draw 5")。
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以上から、今回の抽選で不正操作を行う場合の「手口」が絞り込まれて来る。
おそらく(少なくとも)第2、第4のポットのくじ(球)には目印が付いていたのだ(他のポットも同様だったかもしれない)。
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第2ポットの抽選では、くじ引きゲスト(元オランダ代表主将ヨハン・クライフ)がそれに気付かずに(うっかり「予定」を忘れて?)引いた球(コートジボアール)を司会者のところに持って来たので、司会者(FIFA広報責任者マルクス・ジーグラー)は急遽「自動的に次の組にまわす」ルールを発動してその球を南米勢のアルゼンチンのいる組(C組)に押し付け、次の球(パラグアイ)を(予定どおり?)B組にまわしたのだ。
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第4ポットではそうした「醜態」が生じなかったので、くじ引きゲストはちゃんと球の目印(とその意味する国名)を1つ1つ確認していて、SCGのはいったC組を除いてA組から順番に作業が流れるように配慮したように見える。ゲストは、A~B組の抽選のあと、メキシコのはいったD組の抽選では、ちゃんと(日韓でなく)イランの印の付いた球を拾い上げ、そのあとメキシコのいないE組のときは北中米代表の米国の球、豪州(とクロアチアとブラジル)のいるF組のときは日本の球、トーゴ(とフランスとスイス)のいるG組のときは韓国の球を意識的に引いたと解釈できる。A、B、D、E、F、G、Hの順番は完璧に守られていたのだから。
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【事情を知らない大多数の関係者やカメラマンは(1か国ずつ異なる)球の目印に気付き、FIFA幹部に「この印は何だ」と聞くかもしれない。そのとき「同じ大陸同士が重ならないようにするための単なる記号だ」(1つずつ違うことに意味はない)という言い訳で押し通すには、(たとえポットの中身を途中で入れ替えない場合でも)メキシコを第1ポットに移して手順を複雑化しておく必要があったのだ。】
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第4ポットのくじを引いたゲストのローター・マテウスは元ドイツ代表主将で、引退後も独サッカー界とつながりを持ち、スポーツビジネスで利益を得ているはずだ。つまり、十分に欧州サッカー界の「体制」に組み込まれているはずなのだ。
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【「ポットの中身の入れ替える」よりも「ゲストに目印を覚えさせる」方式のほうが、より詳細に、確実に抽選結果を「指定」できるので、今回はそれを選んだ、ということか。】
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マテウスの「功績」により、日本には豪州、韓国にはトーゴ、というかなり弱い相手があてがわれたので、これで日韓両国は06年本大会で1勝以上することが保証されたのだろう。
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●02年大会の報復●
韓国のはいったG組には、ほかにもスイスという比較的弱い相手がいるので、韓国は幸運か……というと、そうでもない。韓国対トーゴの試合で、韓国に有利な方向で怪しげな判定(審判が買収されていたとしか思えない誤審)が出ても、地元の観客はべつに怒らないが、対フランス、対スイスの試合でそういう判定が出た場合は(両国ともドイツの隣国で大勢のファンが本国から来ていると想定されるので)観客は地元のマスコミを巻き込んで大騒ぎするはずだ。審判は現場や宿舎で厳しい批判にさらされるから、それがこわくて、いい加減な判定はできない。
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むしろ「微妙な判定はすべてフランス、スイスに有利に」出ると見たほうがよい(とくに、前回の記事で述べたようにスイスはブラッターFIFA会長の母国なので、審判は頼まれなくてもスイスに有利な判定をする可能性が高い)。
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韓国は02年本大会では怪しげな判定の連続で(不正に)ベスト4になった(小誌前掲記事「●いまこそ『奥の手』を」)。今回はそのツケを払わされるはずで、韓国の決勝トーナメント(T)進出はよほどの「事故」がない限りありえまい。
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ツケを払わされるのは韓国だけではない。02年大会の韓国代表監督フース・ヒディンク(オランダ人)は、今回豪州代表監督なので、豪州は1勝もさせてもらえないはずだ。
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この「因果応報」をいちばんよくわかっているのはヒディンク自身だろう。まともなサッカー人なら、02年のような、あんなインチキに基く実績が再現されないことはわかっているはずだ。
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それに、今回、06年本大会で豪州が3連敗してもヒディンクの「名声」は傷付かない。「豪州は久々の出場なので選手がかたくなった」つまり「選手が未熟だった」という言い訳が通用するからだ。
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対豪州戦(05年6月12日)に続く日本の相手、クロアチア(6月18日)は経済力の低い、ドイツから遠い国なので、本国から試合を観戦に来るファンもそう多くないし、FIFAのスポーツビジネス上重要な国(大きな利益の上がる経済大国)でもないので、「微妙な判定がすべてクロアチアに有利」などということはない。
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したがって、韓国と違って、日本の決勝T進出の可能性は十分にある。
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       http://melma.com/contents/moy2005/
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●2011年のTV●
日本が決勝Tに進出するかどうかは、地上波デジタル(地デジ)放送(とスカイパーフェクTVのデジタル版と、現行の地上波アナログ放送)を受信できる「CS付き共用受信機」が、2011年の地上波アナログ(地アナ)放送終了までに十分に普及するかどうか、つまり、11年に予定どおり円滑に地アナを打ち切れるかどうか、総額2兆円にのぼる地デジ受信機が日本の国内市場で計画どおり売れるかどうか、にかかわる大問題なのだ(小誌05年5月30日「●感動ビジネス~シリーズ『2011年のTV』(2)」 < http://www.akashic-record.com/y2005/ygvsd.html > )。
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だから、日本が予選Lで敗退することなど、あってよいはずがない。
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【前回の記事で、日本と対戦しうる欧州の国の例として、間違えてデンマークを挙げましたが、同国は06年本大会には出場しません。この場をお借りし、お詫び申し上げます。が、前回記事(Web版)そのものは、05年12月6日のFIFAの第1ポットの国名発表以前に、小誌がメキシコの第1ポット入りを予言(でなくて科学的に予測、あるいは懸念)した証拠として、訂正せず、そのまま掲載し続けます。何卒御了承下さいませ。】
m(_ _)m
【北京五輪や警視庁コンピュータ犯罪捜査官について筆者に質問のある方は、必ず拙著『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html#cover > )や『中途採用捜査官@ネット上の密室』< http://www.akashic-record.com/oddmen/cntnt.html#cover > )を読んでからメールをお出し下さい。小説の宣伝コピーとメルマガ記事本文とを取り違えた御質問など、明らかに「読んでない」ことがわかる場合はお答えしません。】
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(敬称略)
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追伸1:
本誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、本誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。
本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第217号です。
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但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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All rights reserved. 不許複製、禁無断転載
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

W杯抽選工作:週刊アカシックレコード051205

■W杯抽選工作~週刊アカシックレコード051205■
05年12月9日に行われる06年W杯サッカー本大会の組分け抽選では、日韓は南米やアフリカの準強豪と同じ組になりそうなので、決勝Tに進出するには抽選結果を「操作」する必要がある。
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【メルマガ オブ ザ イヤー 2005】
という人気投票イベントがあるそうで < http://melma.com/contents/moy2005/ > で12月18日まで投票を受け付けています。必ず(クリックのみでなく)小誌名「週刊アカシックレコード」か小誌ID「00042082」のどちらかをご記入のうえ[投票する!!]ボタンをクリックして下さいませ(「推薦コメント」欄には何も書かなくてもかまいません)。
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【桶狭間の奇襲戦】
05年、NHKは『紅白歌合戦』で歌われる歌を決めるため国民的アンケート「スキウタ」投票を実施したのですが、一部の歌手がファンクラブに投票を呼びかけ、その持ち歌が不当に大量得票したため、投票結果は事実上無効になりました。持ち歌が2曲もスキウタ上位100曲にランクインしたにもかかわらず「落選」した橋幸夫さんは、ファンに謝罪したそうです(05年12月4日放送のTBS『アッコにおまかせ!』)。
歌手の皆さん、NHKは公共放送なので「桶狭間の奇襲戦」をやってはいけませんよ。
(>_<;)
さて、佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
m(_ _)m
【NTT-ME、リコー、北洋海産から投票】
農林水産研究計算・情報センター、岡山県庁、富山県庁、福井医大6、ヤフー3、ニコン、北洋海産(辛子明太子)、丸紅2、リコー、NTT-ME、図研2……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに福井医大、ヤフー、図研、丸紅からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
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■組分け抽選の「操作」を読む~06年W杯サッカー本大会■
【前々回「日韓野球格差~半永久的に変わらぬ構図」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/jkball.html > 】
【前回「ブログの虚像~格言『毎日書くのはただのバカ』は正しいか」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → < http://blog.melma.com/00042082/ > 】
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国際サッカー連盟(FIFA)の06年ワールドカップ(W杯)サッカー本大会予選リーグ(L)の組分け抽選が、05年12月9日に開催国ドイツで行われる(出場32か国一覧は06年W杯FIFA公式サイト < http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/w/fd/index.html > を参照)。
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●組分け抽選の不正●
筆者は前世紀からこの抽選には何か「操作」が施されているのではないかと疑って来た(小誌97年12月14日「『ドーハのひいき』はまだ続く」 < http://www.akashic-record.com/doha.html > )。
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なぜなら、W杯の地区予選でも本大会予選Lでも、日本代表が常に「比較的弱い相手ばかりの組」にはいり、有利に扱われているように思われたからだ。
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サッカーは全世界で愛好されているスポーツなので、スポーツビジネスとしては世界最大だ。が、世界の国内総生産(GDP)の1位、2位を占める2大経済大国、米国と日本では伝統的にサッカーよりも野球など他のスポーツのほうが人気がある。もしFIFA幹部がもっとサッカーを発展させ利益を拡大したいと思うなら、日米2大経済大国でサッカーを盛んにすべきだ。
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だから、FIFAは米国では女子サッカーの普及に努め、日本には、国際大会で日本代表の成績が上がって国民的関心が高まるように、有利な組分けを与える……それがFIFAの最重要戦略なのではないか、そのために、組分け抽選結果を「操作」するぐらい、FIFAはやるのではないか、と筆者はずっと疑って来た。
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そして、その疑いは、02年にはっきりした。
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日韓共催となった02W杯サッカー本大会の組分け抽選の前、サッカーファンが少なく(また、国民が外国の一流選手になんの敬意も持たない国柄のため)入場券の売り上げ不振に悩む韓国側主催当局KOWOCは、韓国の隣国で観光客の大量動員が見込める中国を予選Lの(日本ラウンドではなく)韓国ラウンドの組(A~D組)に入れたいと主張したのだ(小誌02年5月28日「●韓国の露骨な『くじ引き干渉』~2002年W杯サッカーのディープスロート」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#01 > )。
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当時、産経新聞は抽選前日の01年11月30日付の社説(主張)で、中国がA~D組にはいることを「予言」し、翌12月1日、それは「的中」した(小誌前掲記事)。つまり、組分け抽選結果は「操作」できるのだ。
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02年までの歴史から推測すると、06年本大会予選Lの組分け抽選では、開催国ドイツ、ジョセフ・ブラッターFIFA会長の母国スイス、鄭夢準(チョン・モンジュン)FIFA副会長の母国・韓国、そして国際スポーツビジネスに大きな影響力を持つ(「公式スポンサー」制度を発明した)某大手広告代理店A社の本社がある日本、の計4か国が中心となって「操作」をすると疑われる。
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もちろん「日米の2大経済大国でサッカーを盛んにしたい」というFIFAの基本戦略はいまも生きているだろうから、米国への配慮もされるだろう。が、今回はスイスが出場している点が重要だ。
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スイスは国が小さすぎて、W杯本大会の開催はほぼ不可能だ。06年のW杯本大会はスイスの隣国ドイツで開催され、スイスにはドイツ語を話す国民が大勢いる。つまり、06年本大会は事実上、スイスにとっては、望みうる限りもっとも望ましい形での「地元開催」なのであって、ブラッターはスイス代表が決勝トーナメント(T)に進出できるよう、最大限の努力をするはずだ。
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●「死のグループ」は不要?●
尚、06年大会の重要な点の1つに、アフリカ勢のナイジェリアが出場していない点が挙げられる。ナイジェリアはブラックアフリカ最大の人口と石油生産量を誇る大国で、アフリカの盟主を自認し、しばしば近隣諸国に軍事介入している(外務省Web 04年7月「最近のナイジェリア情勢と日・ナイジェリア関係」 < http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nigeria/kankei.html > )。
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が、石油利権をめぐる汚職や内戦、野党政治家への弾圧などの人権問題により、欧米から非難されることが多い。たとえば、英国を盟主とする英連邦は、90年代、当時のアバチャ軍事独裁政権による人権弾圧を理由にナイジェリアに制裁を加えている(外務省Web 97年「ナイジェリア 基礎データ」 < http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/97/2nd/no7/no714.html > )。
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99年、軍事独裁政権は終わったものの、逆にタガがはずれて少数民族の内戦が激化し始めた。それにもかかわらず、依然として「アフリカの盟主」意識だけは健在で、国際イベントの招致に熱心なので、欧米から見ると「生意気」に見える。
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ナイジェリアは、人口の多さと黒人特有の身体能力の高さを活かして、W杯や五輪のサッカーでは好成績を挙げるのが常だが(96年アトランタ五輪本大会では優勝)、このままナイジェリアが勝ち続けると、「黒人代表」として世界サッカー界で大きな発言力を持ち、欧米白人のFIFA幹部に対して「FIFA会長選に立候補したい」などと言い出す懸念がある。
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現にナイジェリアは、99年の世界ユース(U-20)サッカー選手権大会では開催権を要求し、実現しているし(フィリップ・トルシエ監督が小野伸二ら当時20歳以下の日本代表を率いて準優勝した、あの大会)、02年にはなんと五輪本大会招致を検討したことすらある(英BBC Web 02年8月20日「Nigeria plans 2012 Olympic bid」 < http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/other_sports/2205083.stm > )。
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【ナイジェリアは、国連安全保障理事会の常任理事国が拡大される場合は、「子分」にしている近隣諸国の支持を得て、自身がその1国になるつもりでいた。日本はこうしたアフリカ世論に配慮して、国連安保理改革を提唱し、事実上「新たな常任理事国は日本、ドイツ、インド、ブラジルとアフリカの2か国」とする趣旨の改革案(G4案)を05年の国連総会に提出しようとしたが、米国などの反対で挫折した。理由はいろいろあるが、ナイジェリアの発言力増大を米国が嫌ったことも一因だろう。
欧米白人がいちばん好きなブラックアフリカの国は、黒人政党と白人政党が連立政権を組んでいる(経済を白人が支配している)南アフリカ共和国であり、だからこそ10年W杯本大会は南アフリカで開催されるのだ。
ほかに、A代表に白人のゴールキーパーを擁する、「白黒共生」型の産油国アンゴラも、欧米白人に好かれそうな国である。】
_
上記の中国の組分けと違って「操作された」という報道はないが、(結果的に)FIFAは02年W杯サッカー本大会予選Lではナイジェリアをイングランド、アルゼンチンなどの強豪と同じ「死のグループ」(F組)に入れて「制裁」し、その決勝T進出を妨害している(産経新聞Web版01年12月2日「死のグループ F組」 < http://www.sankei.co.jp/databox/Wcup/html/0112/1202side009.html > )。
_
ほかに、フランスで開催された98年本大会でも、ナイジェリアはスペイン、パラグアイなど強豪ひしめくD組に入れられている(このときは決勝Tに進み、初戦でデンマークに大敗。大会公式Web < http://www.worldcup.fr/resultats/index.html > )。
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ナイジェリアの政治が石油利権をめぐって腐敗しているのは、実は欧米石油資本のせいなのだが(05年7月23日放送のNHKスペシャル『アフリカ ゼロ年』 < http://www.nhk.or.jp/special/libraly/05/l0007/l0723.html > )、そんなことは棚に上げて、FIFAの白人幹部たちはナイジェリアを嫌っている(少なくとも「ひいき」したことがないのは間違いない)。
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そのナイジェリアが出ないのだから、06年本大会では意識的に「死のグループ」を設ける必要はないはずだ。
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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●ポット制●
とはいえ、本大会の組分け抽選には伝統的なルールがあり、いくら開催国でも、そう簡単に自分の組に弱い相手ばかり集めるわけには行かない。
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そのルールとは「ポット制」だ。出場32か国はまず4ポット(4シード)各8か国ずつに分けられる。
第1ポットは、過去の本大会の実績やFIFAの国別ランキングを考慮して選ばれる「優勝候補」と開催国で、具体的には欧州のドイツ、フランス、イタリア、スペインなどの6強と南米のブラジル、アルゼンチンの2強になると予想される。
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抽選は、まずA~Hの各組にこの「8強」を割り振ったあと、その相手となる各組残り3か国を、なるべく同じ大陸の国同士が重ならないように配慮しながら行う。
このため、第2ポットは第1ポットの6強を除く欧州勢8か国になる。06年本大会に出場する欧州勢は合計14か国なので、第2ポットの組分け抽選が終わった時点で欧州勢の割り振りはすべて終わり、どの組にも欧州勢が3か国以上はいらないことが保証される。
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問題はこのあとだ。
以下、日韓のはいるポットを第4ポットと仮定して議論する(第3ポットでも第4ポットでも、第1、第2ポットの強国2か国とあたる確率には変わりがないからだ)。
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今回、南米勢は2強を除いて2、アジア勢は4、北中米(カリブ海)勢も4、アフリカ勢は5、オセアニア勢は1(オーストラリア、豪州)である。
つまり残り16か国を2つのポットに分ける必要があるのだが、日韓にとっては不幸なことに、アジア勢と北中米勢を足すと8になって、それで1つのポットが埋まってしまうのだ。
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もし、アジア対北中米のプレーオフでバーレーンがトリニダードトバゴ(TRI)に勝っていてくれれば、アジア勢は5か国になるので、1つのポットを埋めるために、アジア勢と南米の残り2か国と豪州とを組み合わせることが可能だった。さすれば、日韓は南米の準強豪、パラグアイとエクアドルと同じ組にはいらないことが保証されたはずだ。
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しかし、バーレーンは敗退し、アジア勢は4、北中米勢も4となった。この結果この2大陸の代表だけで第4ポットが埋まってしまうので、第3ポットには南米勢2、アフリカ勢5と豪州がはいることになる。
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すなわち、日韓はそれぞれ確率7/8で、南米勢またはアフリカ勢と対戦することになるのだ。
例によってアフリカ勢は身体能力が高いから、日韓には難しい相手だし(05年6月12日放送のテレビ朝日『Get Sports~祝 W杯出場決定!! しかし本大会で惨敗?』でのサッカー解説者・中西哲生の発言)、サッカーの盛んな南米でしばしばブラジルを苦しめるパラグアイとエクアドルも相当に手強い。
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つまり、最悪の場合、たとえば、
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「アルゼンチン、デンマーク、ガーナ、日本」
「スペイン、スウェーデン、パラグアイ、韓国」
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などという組み合わせがありうるのだ。
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これは辛い。どっちも3連敗しそうだ。
日韓としてはなんとしてでも、第3ポット最弱の豪州と同じ組になりたいところだ。
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が、豪州との対戦は当然ドイツ、スイスもねらっているはずだ。韓国は前回02年本大会では、実力とは無関係に、怪しげな「誤審」の連続で決勝Tに進出し(不正に)ベスト4になったので(小誌02年6月13日「●いまこそ『奥の手』を~審判に『期待』」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#04referee > )、今回開催国を相手に横車を押すのは難しかろう。02年に「誤審」の犠牲になったのは、ポルトガル、イタリア、スペインといった欧州勢ばかりだったのだから、今回欧州諸国は韓国に「借りを返せ」と言える立場にある。
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だから、よほど悪辣な裏取引(審判への組織的買収)がない限り、06年本大会では韓国の決勝T進出は、まずないだろう。
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●弱国争奪戦●
ただ、日韓にとって幸いなのは、ドイツとスイスが北中米の弱国コスタリカ、TRIと同じ組にはいれることだ。この2か国と同じ組になれるなら、ドイツもスイスも「何がなんでも豪州をよこせ」とは言うまい。
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それに、アフリカ勢のなかでもサハラ砂漠以北の(黒人でなく)アラブ人の国は、あまり強くない。出場5か国のうちチュニジアがそれに該当し、この国は02年本大会予選Lでは日本に完敗している。
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日本にとって望ましいのは、同じ組の第3ポットにチュニジアか豪州が来てくれることだ。
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あるいは、いっそのこと、開催国ドイツと同じ組になるという手もある。
ドイツは第3ポットには必ず弱国を選ぶはすだし、可能なら第2ポットにも欧州最弱の国(02年本大会で「誤審」なしで韓国に敗れたポーランドなど)を持って来るだろうから、日本にとっては、なんとか勝てそうな相手が2つ来ることになる。
ドイツにとっても、ドイツから見れば十分に弱国である日本が第4ポットで来てくれることは(メキシコや米国と同じ組になるより)明らかに望ましい。
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この取り引きは成立する可能性がある。
成立すれば、たとえば、
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「ドイツ、ポーランド、日本、豪州またはチュニジア」
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となり、これが日独の理想だ。但しドイツ(とスイス)は
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「ドイツ、ポーランドまたはスイス、コスタリカまたはTRI、豪州またはチュニジア」
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でもいい。
一方、韓国にとって望ましいのは、02年本大会のときの「借り」のある欧州勢となるべく対戦しないことで、たとえば
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「ブラジルまたはアルゼンチン、ポーランド、韓国、豪州またはチュニジア」
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である。しかし、これは日独の理想とバッティングするので、調整が必要だ。
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【第2ポットの抽選で「操作」が可能なら、ポーランドは奪い合いになるが、スイスは自身が第2ポットでありポーランドと同じ組なので、この争奪戦には加わらない。したがって、韓国がポーランドを取る可能性は少ないながら、ある。】
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●操作の手口●
ところで、具体的に抽選結果の「操作」はどのように行うのだろう。
カギは、第3ポットでのパラグアイ、エクアドルの扱いだ。この2か国を含む第3ポット8か国の抽選は単純ではない。普通に抽選すれば、両国はそれぞれ確率2/8で同じ南米勢のブラジル、アルゼンチンと同じ組になってしまうからだ。
が、過去の例から判断すると、予測できる。
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今回の第3ポットの抽選では、南米勢が同じ組に2か国はいることを避けるために、抽選の途中でくじのはいった箱の中身を入れ替えるはずだ。
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これこそまさに「不正の温床」だ。入れ替える際には、あらゆる操作が可能ではないか。
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高校野球の組み合わせ抽選会でもそうだが「同じ地域同士が(初戦で)対戦しないように」という、一見もっともらしい大義名分が、実はいちばん怪しいのだ。
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98年、02年の本大会の抽選では、大陸別出場国数が偶数でないところが多く、「端数」がたくさん出たので、箱の中身の入れ替えは何度も行われ、不正操作はまさに「やりたい放題」だった。
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まさか今回「メキシコを第1ポットに入れて欧州勢の1か国を第3ポットに…」「アジア・アフリカ勢9か国を第3ポットに入れて、余った1か国を…」などとムリヤリ端数を作るような露骨な操作はしないと思うのだが……。
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

blogの虚像:週刊アカシックレコード051129

■blogの虚像~週刊アカシックレコード051129■
melma!blogの営業停止により小誌もblog版を廃刊させて頂きますが、これを機会にブログの世界の「虚像」についてひとこと。
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【文庫版カバー画像も掲載】
佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
m(_ _)m
【野村総研グループから投票】
岡山県庁、福井医大、都築通信技術2、NRIセキュア(野村総研グループ)、ヤフー、図研、松下電器……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに都築からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
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■ブログの虚像~格言「毎日書くのはただのバカ」は正しいか■
【前回「日韓野球格差~半永久的に変わらぬ構図」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/jkball.html > 】
【写真「東京ドームの広告」は→ < http://blog.melma.com/00042082/20051121 > 】
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小誌は04年3月13日から、インターネットサービスプロバイダー、メルマ(melma.com)のブログサービス(melma!blog)を利用し、Web版の宣伝用(補助)サイトとして試験的にblog版を運用して参りました。
が、このたびmelma.com が05年11月30日をもってmelma!blogのサービスを打ち切り、ブログ(blog)開設者の記事本文や読者の方々の投稿コメント、トラックバックを含む、既存データのすべてを、他サイトに引き継ぐことなく、廃棄すると発表しました。
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これに伴い、小誌も同時にblob版を廃刊させて頂きます。短い間でしたが、しばしばご覧頂き有り難うございました。
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この、melma!blogの突然の打ち切り通告は、「ブログ命」と思い定め、「ブログは毎日書くべきもの(日記)」と(勝手に?)思い込んで、連日せっせと(書くネタがないときにも無理して)記事を書いたり、コメントに返答したり、トラックバックしたり、と努力してアクセスを獲得して来られた熱心なブロガー(ブログオタク?)の方々にとっては、いままでの努力が水泡に帰するわけで、悪夢のような話です(たとえ他社のブログサービスに移行して再度ブログを開設しても、以前の記事やトラックバックに基くアクセスは完全には復旧できませんので)。
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これは、ユーザー(ホームページ開設者)が独自にファイル(記事)データを管理できる、従来型のホームページ(小誌のWeb版 < http://www.akashic-record.com/ > など)と異なり、ファイル(記事)の扱いをすべてプロバイダーに「あなた任せ」にするブログならではの悲劇と申せましょう。今後はブログサービスを利用することも「毎日書く」こともお控えになり、「ネタのあるときだけ(出典や論拠を明示した資料的価値のある、何か月後に読まれても読者増につながるような)記事を書き、(おもにメルマガで)定期購読者を獲得する」方式をご検討なさいますよう、老婆心ながらおすすめ申し上げます。
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●宣伝の奴隷●
その理由は、ほとんどのブログサービスプロバイダーの言う「正しいブログの書き方」……毎日書く、コメントも毎日読み、まめに回答する、など……にはなんら法的、道義的、実際的な根拠はなく、ウソだからです(そもそも、プロバイダーが、自身の廃業や倒産で、すべて灰燼に帰するような方法をすすめること自体が、眉唾です)。
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プロバイダーがブログを「日記」として売り込み、ユーザーに「毎日書く」ように促すのは、何も「ユーザー(ブロガー)の皆様が毎日すばらしい記事を書いて下さる」と期待しているからではありません。「毎日書く」と自動的に自社のブログサービスサイトに「毎日アクセス」することになるので、それによって自社サイトの宣伝媒体としての価値を高め、広告収入を得るのが目的です。つまり、「毎日書く」ことなど、どうでもいいのであって、「毎日読ませる」ことだけが重要なのです(だから、どのプロバイダーも、だれが書いているのかわからない、有名人の日記スタイルの「公式ブログ」を「手本」として用意して、素人ブロガーに読ませようとするのです)。
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だから、ブログはタダなのです。少なからぬIT業界人のホンネは、以下のようなものです:
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「きょうもまた素人ブロガーがだまされて下手な『日記』を書きやがった」
「毎日書くってことは、ろくに取材も推敲もせずに、戦略もなしに書くってことだろ」
「手に入れた情報をすぐに書くなんてバカだ、それもアカの他人に向かって」
「情報は公開する時機や相手によって価値が変わるってことを知らないんだな」
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そもそも、ブログサービス最大手、ライブドアの堀江貴文社長の『社長日記』( < http://blog.livedoor.jp/takapon_ceo/ > )でさえ、毎日更新されてはおらず、すくなくとも05年3月頃までは、数日分の「日記」をまとめて、日付だけを小分けして同じ日にリリースすることもしばしばありました(05年11月現在は完全に「書かない日」を設けているようです)。もちろん、「次はどこの会社の株を買う(企業買収する)」などといった重要な情報を、記者会見もしないうちに、この「日記」に書くことはありえません。書くのはただ「どこでだれとめしを食った」式のくだらないことばかりです。
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【一方、同社が自社株を元手にニッポン放送株の買収に励んでいた最中の05年2月、その自社株の取り引きについて、同社の熊谷史人副社長が別のブログに、うっかり「重要な情報」を書き、証券取引法上の犯罪「風説の流布」(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金)に該当するのではないか、と厳しくマスコミで非難され、後日「日記の訂正」というぶざまな事態に追い込まれた例があります(熊谷史人『日々の生活』05年2月18日 < http://blog.livedoor.jp/livedoorIR/archives/14594951.html > )。つまり、深く考えもしないでブログに価値のある(ありそうな)情報を書くのは愚の骨頂であり、逆に、価値のある情報を持つ者(堀江社長など)がそういう情報を書かないのなら、そういうブログを読むほうが愚の骨頂ということになります。】
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        警察小説・刑事ドラマ史上、初
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宅配(本体\1800+α)でご注文 → < http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d01/qhonten.htm >
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●検索の邪魔●
この「日記」スタイルという、「間違った『正しいの書き方』」の普及により、価値の低い記事、とくに、不正確な内容の、あるいは、誹謗中傷や嫉妬、怨恨、劣等感処理などを目的にした記事が過剰にアクセスを集めてしまい、ネット上で正確な、資料的価値のある記事を検索しようとするビジネスマン(ウーマン)の「検索の邪魔」になる、という困った事態が起きています。
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いくらアクセスが多くても、出典も論拠も(書いた本人の名前も)ろくに明示されない粗雑な記事は、ビジネス上の情報としては使えないのに、YahooやGoogleなどの検索サイトで検索した場合、ブログの持つアクセスを集めやすくする諸機能(トラックバックによるブログ間のアクセス受け渡し、など)により「不正確型」「誹謗中傷型」が検索サイトの検索結果表示画面で、不当に上位に表示されてしまうからです(04年12月8日放送のフジテレビ『とくダネ!』)。
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┏━━━━━━━━━ メルマガ「軍事情報」 ━━━━━━━━━━┓
   あなたに唯一欠けているのは、「軍事常識」です。
 さあ、私たちと一緒に本当の軍事の世界に船出しましょう!!
        http://okigunnji.com/
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●アクセスの奴隷●
上記のような理由で、すくなくとも日本語圏のブログの大半は、なんの成果もあげていません。日本語圏には、ブログをビジネスに使って大金を儲けたとか、市民運動に活用して旋風を巻き起こしたとか、そういう明確な成功事例はありません。
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「ブログはこうあるべき」と発言し、ブログの理想像を定義する資格があるのは、ブログでビジネスや市民運動を展開して劇的な成果をあげた方々だけです。「ただ毎日(無理して)書いて無意味にアクセスを集めているだけ」の方々には、ブログのあるべき姿を定義する資格はありません。残念ながら、「毎日書くのはただのバカ」(プロバイダーにのせられているだけの「アクセスの奴隷」)という格言が妥当するケースが、かなり多いのが現状です。
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●コメントの「暴走」●
小誌はblog版をあくまで宣伝用(補助)サイトと位置付けており、また、小誌スタッフはインターネット掲示板(BBS)を重視せず、個人的にも使用しておりません。
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このように、私どもがブログ(のコメント投稿コーナー)やBBSで議論することに積極的でない理由は、おもに2つあります。
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1つは「早とちり投稿」です。ブログやBBSには、おおもとの記事本文の内容を読み間違えた、的外れな議論や訂正要求コメント、さらにその間違いに気付かずに、ほかの投稿者の方との間で議論がどんどん間違った方向に発展してしまう「コメント(合戦)の暴走」が少なくありません。が、それらに付き合って「再訂正要求」のような返信(コメント)を書くことは時間の無駄になるだけで、小誌にとっても、早とちりしていない大半の読者の方々にとっても、なんのメリットもありません。
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【他人のコメントなんて、ほっとけばいいのに。
ブログやBBSの投稿を読む人は、そこに、自分の気に入らない、あるいは関心のない投稿がありうることを承知のうえでアクセスしているはずなのに、「いちいち反応しなければならない」と思い込んでいる人がいるのには、呆れます。
気に入らないものは、読者なら無視すればいいし、管理者でも、せいぜい削除すればいいだけでしょう。上記の堀江社長の場合は「無視」で対応しているようなので、手本とされることをおすすめします(彼の場合は、投稿に必要な登録手続きを利用し、投稿者のメールアドレスを大量に収拾してビジネスに活かしているようです)。】
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●実名優位(匿名劣位)の原則●
いま1つは「メルマガ登録者との不公平」です。メルマガの返信(ファンメール)という形で、小誌に対してご意見などをお寄せになる読者の方々は非常に多いので、それらのすべてに返信をお出しすることはできません。その一方で、ブログの(匿名の)コメントに返信コメントを書くことは(ご自身のメールアドレスや氏名などの個人情報を明かしたうえで)ファンメールを書いておられる方々に対して、明らかに不公平になります。
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【「匿名」と「実名」とでは当然、後者が優先です。実名のコメント(ファンメール)は責任をもって書かれているので、基本的に尊重されるべき理由があります。が、匿名のコメントは責任の所在が不明なので(つまり、基本的なスタンスが「卑怯」なので)、意見としても情報としても価値はなく、すべて「スパム」として扱ってかまわないはずです。ですから、万一ブログにコメント投稿なさるときは「スパム扱い」されないように、せめて投稿者ご自身の「正式な」名前と肩書きとサイトアドレスは明らかにしておきましょう(それぐらいの責任感があれば、基本的には何を投稿してもいいはずです)。
すくなくとも、「実名」のサイト開設者が「匿名」の投稿者と(あるいは、実名の投稿者が匿名のサイト開設者と)対等に議論しなければならない理由は何もありません。】
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●マーケティング上の価値●
また、メルマガは登録読者数が正確に把握でき(小誌の場合は、企業サイトの支援なしで05年11月現在17,200人以上。 < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html#greeting > )、拙著の出版案内やアンケート調査のご依頼も効果的に配信できるのに対し、ブログは正確な読者数が不明で、マーケティング上意味がない(したがって当然、ブログ主体でビジネス上大きな成果を挙げるのは本来容易でない)ことも、小誌がブログを重視しない理由の1つです。
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あしからず御了承下さいませ。
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●やはりメルマガ●
小誌の場合はblog版の記事のほとんどはWeb版(お陰さまで執筆・リリースの数か月後でも参照され「ホームページランキング」で投票されることがあります。 < http://www.akashic-record.com/ > )に収録されており、blog版の読者の皆様にも常々
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「(blog版の)この記事へのご意見等は、ブログのコメントとしてではなく、なるべくメールマガジンへの返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(『週刊アカシックレコード』編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります」
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とお願いして参りましたので、blog版が廃止されても、読者の皆様へのサービスは、ほとんど影響を受けないと存じます。引き続き、小誌にご興味がおありの方は、メールマガジンにご登録( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
m(_ _)m
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-- 佐々木 敏 + 『週刊アカシックレコード』編集部
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【blog版廃刊のお知らせはこちら → < http://www.akashic-record.com/y2005/30blog.html > 】
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【北京五輪や警視庁コンピュータ犯罪捜査官について筆者に質問のある方は、必ず拙著『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html#cover > )や『中途採用捜査官@ネット上の密室』< http://www.akashic-record.com/oddmen/cntnt.html#cover > )を読んでからメールをお出し下さい。小説の宣伝コピーとメルマガ記事本文とを取り違えた御質問など、明らかに「読んでない」ことがわかる場合はお答えしません。】
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(敬称略)
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追伸1:
本誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、本誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。
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日韓野球格差:週刊アカシックレコード051128

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■日韓野球格差~週刊アカシックレコード051128■
選手層の薄さと経済力の乏しさゆえに、韓国の野球が日本の野球に追い付くことはありえない。
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【世界サッカー統一広告代理店】
前回 < http://www.akashic-record.com/y2005/adbat.html > の記事で、一部誤解があるようなので念のため申し上げます。
サッカー日本代表出場試合のうち、キリン(チャレンジ)カップは日本サッカー協会(JFA)主催、ワールドカップ(W杯)サッカー・アジア地区予選は国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)の主催なので当然、公式スポンサー(協賛企業)が違います。前者はキリンビール、アディダスなど、後者は朝日新聞、キリンビール、コニカミノルタ(事務機)、ニコン(カメラ)などです。
但し、広告を扱っている代理店は両方とも(さらにJリーグもW杯本大会も五輪も)同じ会社(A社)なので、前回記事の「JFAとA社は、日本代表のゴールの持つ巨大な宣伝効果を知っており、日本代表の試合に看板広告を出せる公式スポンサーを絞り込む…」の下りは間違いでありません(が、文頭の「JFAと」は取ったほうがわかりやすかったかもしれません)。
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佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
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■日韓野球格差~半永久的に変わらぬ構図■
【前回「プロ野球の球団を増やす方法~シリーズ『村上ファンドの阪神株』(3)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/adbat.html > 】
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04年の日本プロ野球界再編騒動の際、野球解説者の張本勲は「(TVでなく)球場で試合を見たことのない者は、球界の運営について発言する資格はない」と述べた(04年放送のTBS『サンデーモーニング』)。
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筆者はしばしば野球ビジネスについて書いているので、いつかは球場で試合を見るべきと思い、過日久方ぶりにナマでプロ野球「公式戦」を観戦した。それは、アジアシリーズ2005決勝「千葉ロッテマリーンズ vs. 韓国サムスンライオンズ」である。
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アジアシリーズは国際親善試合ではなく、日本プロ野球組織(日本野球機構NPB)が、韓国野球委員会(KBO)、中国棒球協会(CBA),台湾の中華職業棒球連盟(CPBL)の協力を得て主催する公式戦なので、スコアはすべて「公式記録」として残る(NPB公式Web < http://asia.npb.or.jp/summary/index.html > )。
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ちなみに、この試合の始球式は張本が務めた。
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●不公平●
試合が始まってすぐ気が付いたのは、韓国側の外国人選手が質・量ともに劣ることだ。
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NPBは野茂英雄(近鉄バファローズ→ロサンゼルスドジャース)らの大物選手が多数米大リーグ(MLB)入りするようになった90年代以降、彼らが抜けた分の戦力を補うため、それまで1球団2名だった外国人選手(同時出場)枠を3名に拡大した(01年以降、出場選手登録は4名まで。4名の枠を超える、支配下登録だけの外国人選手数は無制限。日本プロフェッショナル野球協約2005 第82条、第82条の2。 < http://jpbpa.net/convention/12.pdf > )。
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一方、KBOでは外国人選手枠は2名で、しかもサムスンライオンズは「打線がいい」という理由でその枠をすべて投手の補強に使っている(05年11月20日再放送のスカイパーフェクTV JSPORTS 3『KONAMI CUPアジアシリーズ2005』におけるジャーナリスト木村公一の発言)。が、サムスンライオンズの外国人選手は、02~04年中日ドラゴンズに在籍してあまり活躍できなかったマルティン・バルガス(通算4勝9敗、防御4.26。スポーツ朝鮮04年12月20日「中日・バルガスのサムスン入団が内定」 < http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/12/20/20041220000042.html > )などエース級ではないので、結局決勝には出て来なかった。
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つまり、決勝に関する限り、韓国側の外国人選手は0名、日本側(マリーンズ)の外国人選手はイ・スンヨプ、ベニー・アグバヤニ、マット・フランコの3名だったのだ。
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これは日韓両国の経済力の差を露骨に表している。
日本の人口は韓国の約2.5倍あり、国内総生産(GDP)も約4倍で(米CIA Web < http://www.cia.gov/cia/publications/factbook/index.html > )、物価水準も桁違いだ。当然プロ野球ファンの数も、ファンが球場に落とす金額もまったく違うから、日本球界の選手の年俸は韓国球界の選手の年俸より圧倒的に高い。日本一高給取りのプロ野球選手の年俸と、韓国一のそれとを比較すると、常に10~15倍もの差がある(朝鮮日報日本語版01年12月25日「年俸で見た韓・日のプロ野球」 < http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2001/12/25/20011225000002.html > )。韓国の一流選手の年俸は日本円に換算するとせいぜい数千万円であり、日本では準レギュラーか代打要員の金額だ。
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マリーンズのイ・スンヨプがサムスンライオンズOBであることで明らかなように、日本側は韓国球界の一流選手を、韓国球界が絶対に支払えないような高額年俸で、いとも簡単に引き抜くことができる。が、逆はない。
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また、日本の球団は、MLBで主力選手として通用しないまでも日本では十分活躍できそうな「準大リーグ級」の選手を北中南米などから獲得できるが、彼らの年俸の相場は資金力のある日本の球団が、自身の懐具合に合わせて(高く)決めてしまう。このため、サムスンライオンズがベニー、フランコと同等の実力のある外国人選手を獲得することは(彼らにふさわしい年俸が払えないので)不可能だ。
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もちろん、まだ実績はないが将来性がある、という北中南米などの有望な外国人選手を韓国球界が(日本を出し抜いて、日本の基準から見ればかなり)安い年俸で獲得することはある。しかし、KBOで本塁打王になったタイロン・ウッズが03年に横浜ベイスターズに移籍(05年から中日ドラゴンズに移籍)したように、そういう選手も最後にはより高い年俸を求めて日本にやって来る(NPB公式Web < http://bis.npb.or.jp/players/51855117.html > )。
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結局、韓国側が獲得できる外国人選手は上記のバルガスのような「日本であまり活躍しなかった(しそうにない)選手」ばかりになってしまう。
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つまり、たとえKBOが外国人選手枠を3名、4名に拡大しても、韓国球界の外国人選手の実力が、日本側の外国人選手の実力を超えることはありえないので、韓国(に限らずアジアシリーズに参加する各国リーグの代表チーム)は元々、国内の野球の実力以外の点で、不利な立場に置かれていることになるのだ。
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これは、国内に厚い選手層を持つ南米サッカー界でさえ、経済力のある欧州のクラブチームに高額年俸で一流選手を引き抜かれた結果、近年、欧州と南米のクラブチーム対抗戦「トヨタカップ」でほとんど勝てなくなったことを想起させる(95年以降、南米勢の2勝8敗で、南米側の勝者はアルゼンチンのボカ・ジュニアーズのみ。FIFA公式Web < http://www.fifa.com/jp/comp/tournament/0,4657,CWC-2005-8,00.html > )。
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●4000対50●
しかも日韓間では選手層の厚さが決定的に違う。
欧州と南米の、国内出身サッカー選手の層の差はあまりないが、日韓の野球のそれは桁違いだ。
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アジアの野球に詳しいジャーナリストの木村公一によると、韓国では草野球やリトルリーグで野球を楽しむ子供の姿を見かけることはありえず、硬式野球部を持つ高校は韓国全体で約50校、大学は約20校しかない、という(前掲JS3『KONAMI CUPアジアシリーズ2005』)。82年、韓国プロ野球の発足時、KBOコミッショナー補佐役に就任した張本は「韓国には高校野球をやってる学校は50しかない」と言っていたから、結局23年経ってもほとんど変わっていない、ということだ。
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【依然として韓国では、スポーツは「恵まれた環境にある一部のエリートのみが行う特殊なもの」であり、一般庶民が気軽に体験できるものではない。その意味で韓国は先進国ではない。】
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05年現在、日本には硬式野球部を持つ高校は4137校(朝日新聞Web版05年8月15日「夏の風物詩 - 全国高等学校野球選手権大会」 < http://www.asahi.com/special/summer2005/TKY200508150087.html > )、大学は368校(全日本大学野球連盟Web < http://www.jubf.net/list/index.html > )ある。日韓の選手層は高校の段階で約80倍、大学の段階でも約20倍違うのだ(韓国で高校野球の全国大会で優勝するより、日本で夏の全国高校野球選手権大会の地方予選、たとえば東東京大会で出場百数十校のなかで勝ち抜いて甲子園の本大会出場を勝ち取るほうが、はるかに難しい)。
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「外国人選手を除く」国内の選手層がこれだけ違えば、韓国の野球のレベルが日本に追い付くことなど半永久的にないと見てよい。だから、アジアシリーズ決勝のスコアが「5-3」だからといって、また9回表のサムスンライオンズの攻撃が最後、2死一、二塁、フルカウント(一打同点)まで行ったからといって「惜しかった」などと韓国側は考えてはいけない。
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この最終回のピンチは、マリーンズの抑えのエース小林雅英が「勝ってあたりまえ」と言われることのプレッシャーにより若干投球を乱した結果、つまり単なるアクシデントにすぎないのだ(前掲JS3『KONAMI CUPアジアシリーズ2005』における野球解説者、大塚光二の発言)。
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たとえサムスンライオンズの最後の打者キム・デイクが三振せず、外野手の間を抜く打球を打ったとしても、9回表のマリーンズの外野陣は「守備がため」により全員俊足強肩の選手がそろっていたから、同点にするのは容易ではなかった。
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万一同点、逆転となったところで、9回裏のマリーンズの攻撃は、その日本塁打を放っている二番打者の渡辺正人からという好打順だったから、サムスンライオンズの抑えの切り札オ・スンファンが少しでもプレッシャーを感じれば、たちまち打ち崩され、サヨナラゲームになっていたはずだ(もう1人の抑え投手クォン・オジュンはすでに8回裏に降板していたので、もはやまともなリリーフ投手は残っていなかった)。
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この2点差は、実は相当に大きな差なのだ。
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●アジアの盟主●
アジアシリーズは国際大会なので、スコアボードの選手名はすべて英語だ(マリーンズの「サブロー」は「Ohmura, S.」)。しかし、閉会式で優勝チームが表彰される際の電光掲示では、優勝賞金5000万円の表示単位はドルではなく円であり、今後も数年間は、十分な収益が見込める日本の球場のみで開催されることが決まっている(産経新聞05年11月14日付朝刊14面「国際化へ大きな一歩」)。これはすなわち、アジア球界全体が日本の「支配下」にあることを意味している。
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つまり、アジア球界における韓国は、北米球界におけるカナダか、それ以下の存在感しかないのだ。野球で、米国とカナダを同列に論じる米国人がほとんどいないのだから、日本人も日本と韓国を対等に比較する必要はない。
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【閉会式でマリーンズを表彰するプレゼンターの1人として、アジアシリーズ「後援」企業、読売新聞社の滝鼻卓雄・東京本社社長(巨人軍オーナー)の名前がアナウンスされたとき、スタンドを埋めた3万数千の観衆から怒涛のブーイングが起きたのは、笑えた。
(^o^)/~ 閉会式を最後まで見ていた人はトクをした。】
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●石の上にも…●
そうは言っても、アジアシリーズでベンチ入りする選手は各チームともたった28名である。
アジアシリーズに出場するのは、日韓台中の国内チャンピオンの「単独チーム」だ(例外的に、極端に選手層の薄い中国CBAのみは当分の間、国内全球団から主力選手を集めた「A代表」の参加が認められている。NPB公式Web < http://asia.npb.or.jp/team/index.html > )。
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単独チームは、アテネ五輪野球(のアジア地区予選)に出場した日本代表チーム(長嶋JAPAN)のように、選りすぐりの一流選手の集まりではない。いかに日本球界全体の選手層が厚くても、(都市対抗野球のように)他チームから選手を借りて「補強」することもできない。
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となると、国内でペナントレースや日本シリーズの真剣勝負を戦う中で故障者が出ると、当然その日本チャンピオンの戦力は低下し、かつ補強されないままアジアシリーズに出場することになる。じっさい、05年のマリーンズの主砲、福浦和也一塁手は故障によりアジアシリーズ出場登録をはずれたし、日本シリーズ最優秀選手(MVP)の今江敏晃三塁手もアジアシリーズ決勝の途中で負傷退場した。
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幸いに、05年のマリーンズの場合は、レギュラー選手と控え選手の間にあまり差がなかった。たとえば捕手は、里崎智也と橋本将の2人がレギュラーであり、指名打者の枠も使いながら、2人で1つのポジションを交代で守っていた。また内野手(二三遊)や外野手(と一塁手)も、4人で3つ、5人で4つのポジションを交代で守る(イ・スンヨプとフランコは一塁と外野を守る)ので、「レギュラー選手」を全員数えると10人を軽く超えてしまう状態だった。だから、レギュラーが1人や2人怪我で欠けても、大勢に影響はなかった。
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【今江の交代要員で出た、控え内野手の渡辺正人が、サムスンライオンズのエース(先発投手)ペ・ヨンスからいきなり本塁打を打ったのには驚かされた。「選手層の差」を如実に示した一打だった。】
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が、05年の福岡ソフトバンクホークスのように、レギュラーと控えの間に大きな実力差があるチームが日本チャンピオンになった場合は要注意だ(たとえば先発メンバーから城島健司捕手や松中信彦一塁手が欠けると、かなり戦力が落ちる)。
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【06年からMLBシアトルマリナーズに移籍する城島が抜けるとはいえ、ホークスはまだ相当に強い。05年現在のサムスンライオンズがある程度余裕を持って戦える日本の球団は、おそらく楽天イーグルスだけだろう。】
(>_<;)
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但し、たとえば、韓国側が2年連続アジアシリーズ出場の(場慣れした)サムスンライオンズで、日本側が初出場のホークス(しかも城島、松中抜き)というような場合もありうる。そのような、韓国側にとって望みうる限りもっとも望ましい条件がそろった場合、まあ、7回に1回ぐらい、韓国チームがアジアシリーズを制することもないとは言えない。
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でも、そういうときに限って、台湾チャンピオンが妙に強かったりして。
(^_^;)
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【北京五輪や警視庁コンピュータ犯罪捜査官について筆者に質問のある方は、必ず拙著『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html#cover > )や『中途採用捜査官@ネット上の密室』< http://www.akashic-record.com/oddmen/cntnt.html#cover > )を読んでからメールをお出し下さい。小説の宣伝コピーとメルマガ記事本文とを取り違えた御質問など、明らかに「読んでない」ことがわかる場合はお答えしません。】
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(敬称略)
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追伸1:
本誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、本誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。
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本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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Copyright (C) 2001-2005 by Satoshi Sasaki
All rights reserved. 不許複製、禁無断転載
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

球団を増やす法:週刊アカシックレコード051121

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■球団を増やす法~週刊アカシックレコード051121■
プロ野球の球場広告を整理統合すれば、Jリーグと同様に広告収入を増やし球団の数を増やすこともできる。
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■プロ野球の球団を増やす方法~シリーズ「村上ファンドの阪神株」(3)■
【前回「『ポスト小泉』と首相の『側近中の側近』を読む」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/fukuda.html > 】
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05年11月16日に国立競技場で行われたキリンチャレンジカップ「日本代表 vs. アンゴラ代表」の試合は、日本サッカー協会(JFA)主催なので、当然JFA指定の日本代表公式スポンサー、キリンビールの広告が目立つようになっていた。TV中継(TBS)で見る限り、グランド上に見える看板の大半はキリングループのもので、ほかには日産自動車、アディダス、日本航空、ファミリーマートのロゴが散見されただけだ。
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この看板広告は試合前やハーフタイムに流れるTVCMと連動しており、キリンは試合のTV中継にもCMを打つ。視聴者は、試合中にもハーフタイムにもキリンの広告を見るので宣伝効果は抜群だ。ハードディスクドライブ(HDD)内蔵のデジタルビデオレコーダ(DVR)などで録画してCMをスキップしながら見る視聴者が大勢いても、重要なシーンはすべてグランド上のキリンの広告の近くで行われるのだから、キリンはスキップによる損失をほとんど被らない。
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キリンは試合のTV中継にCMを出している以上、勝利チームに贈られる賞金、商品のほかに、解説者の出演料などの番組製作費も負担している。「キリンのお陰でできた番組」だからキリンの広告が「独占的に」目立つのは当然だ。それがビジネスの常識だろう。
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日本サッカー界は某大手広告代理店(A社とする)と提携しているので、Jリーグでもこのように特定の一流企業に広告を独占させる「公式スポンサー制」をとっている。Jリーグの場合、リーグ全体として食品はカルビー、事務機はキヤノン、金融はニコス……と計9社のみを公式スポンサーとし、Jリーグ加盟全チームの主催試合で各業種ごとに排他的独占的に宣伝をさせる(ほかに限定的な協賛企業もある。JリーグWeb < http://www.j-league.or.jp/sponsor/ > )。だからカルビー(ポテトチップス)の看板の横に同業他社、たとえばグリコ(ポッキー)のロゴが見えて宣伝効果が半減する(ポテトチップを食べようと思った客の気が変わる)といったビジネス上「無礼な」事態が起こることはない。
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ところが、信じ難いほど無礼な広告ビジネスをしているプロスポーツが日本にある。ほかならぬプロ野球だ。
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●甲子園●
甲子園球場の広告はひどい。
バックスクリーンの上の、三菱電機のロゴ入りオーロラビジョンの左下にはパナソニックのロゴがあるので、この2大家電メーカーの広告は互いに相殺される。かつてはバックスクリーン右上にはソニーのロゴまであったが、05年現在、それはトヨタのロゴに替わっている。
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が、左翼フェンスには、ダイハツの乗用車タントのロゴがあるので、これもトヨタと相殺だ。左翼ポール際はもっと悲惨で、大同生命と朝日生命のロゴが並んでいるうえ、左翼フェンスには明治安田生命のロゴまであるから、左翼の金本知憲外野手の守備位置周辺だけで異なる生命保険会社の広告が3つも見えることになる。
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いったい、どんな広告代理店が、こんな、クライアント(広告主)を人とも思わないような無礼なビジネスをしているのかと思って調べてみると、甲子園の広告を扱っているのは、白石広告という従業員わずか13人の企業だった(同社Web < http://www.shiraishi-ad.co.jp/stadium.html > < http://www.shiraishi-ad.co.jp/gaiyo.html > )。
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阪神タイガースは一流の球団なのに、その本拠地球場の広告を仕切っているのは零細企業だったのだ。零細だから、世界の超一流企業トヨタに向かって「先にダイハツさんの広告が決まったのでご遠慮願います」とはとても言えない。結局、トヨタもダイハツも、朝日生命も明治安田生命も、なんでもかんでも引き受けて、広告主にほとんど効果のない広告を出させて、だまして損をさせているのだ。無礼で無責任な話だが、従業員13人の企業なら致し方あるまい。
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ところで、05年11月現在、タイガースの親会社である阪神電鉄の筆頭株主は元通産官僚、村上世彰(よしあき)率いるM&Aコンサルティング(通称「村上ファンド」、村上F)だ(小誌05年10月11日「阪神 vs. 村上広告代理店」 < http://www.akashic-record.com/y2005/htvsmd.html > )。阪神電鉄は、阪神電鉄の交通広告( < http://www.shiraishi-ad.co.jp/ > )も自身が所有する阪神甲子園球場の球場広告も、一手に白石広告に任せているが、これはまともな株主の目には理不尽に映るはずだ。もし村上Fがこの点を突いて株主総会で説明を求めれば、阪神電鉄は白石広告との関係を見直さざるをえないだろう。
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では、球界の「盟主」読売巨人軍の本拠地、東京ドームの場合はどうだろう。
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●東京ドーム●
大したことはない。
ドームのバックネット裏の席から内野スタンドの2階を見上げると、自動車部品メーカーの小糸製作所や曙ブレーキ、厨房機器メーカーの北沢産業など、エンドユーザーが一般消費者でない企業のロゴが多数目にはいる。外野フェンスなどと違って観客やTV視聴者の目に触れにくいところだから広告料金は安いだろうが、野球ファンのなかに自動車産業や外食サービスの関係者がとくに多い、という事情はないので効果はほとんどない。
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いったい、この球場を担当する広告代理店(B社とする)はどうやって小糸や曙をだまくらかして……失礼、熱心に営業して、ケチケチ小銭を稼ぐような無意味な広告を受注したのか知らないが、その仕事ぶりは甲子園球場に「キリンラガービール」と「アサヒスーパードライ」の広告を同時に取って来る白石広告と大差ない。
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また、ドームの三塁側内野席に腰掛けてフェンスを見ると、フコク生命と明治安田生命のロゴが両方見える。
05年5~6月に開催されたセパ両リーグの交流戦では、交流戦だけの勝率で優勝チームを決める制度が採用され、千葉ロッテマリーンズが優勝賞金5000万円を手にしたが、その賞金を出したのは交流戦限定の公式スポンサー、日本生命だ。
が、甲子園でも東京ドームでもライバル生保会社の広告が「出しっぱなし」だから、宣伝効果は半減だ。
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05年11月10~13日に東京ドームで開催されたアジアシリーズ2005の優勝賞金5000万円を出したのはテレビゲーム会社コナミ、シリーズ最優秀選手への賞品を提供したのはフォルクスワーゲンだが、ドームの外野席の上の壁には、セガ、日産自動車といったライバル企業の広告が「固定」されている(筆者撮影の外野広告 < http://blog.melma.com/00042082/20051121 > )。
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野球場にお客を集め、視聴者の注目を集めるのは球団である。その球団にギャラ(賞金)を提供しているのは、上記の場合、日本生命でありコナミなのだ。それなのに、なぜ両社のカネで集められた観客や視聴者を相手に明治安田生命やセガが宣伝効果をあげてしまうのだろう………単に球場を所有しているだけの「不動産屋」の発言力が不当に強く、球団の広告ビジネスを代行すべき広告代理店の力が弱いからだ。
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●12球団統一広告●
もし、白石広告やB社でなく、A社が球場広告を仕切ったら、どうなるだろう。
A社は日本代表やJリーグの公式スポンサーを募る際「アサヒビールを断ってキリンビールを選ぶ」といった具合に超一流企業を「断る」ことも平然とやって来た。小糸や曙に無意味な広告を出させて小銭を稼ぐ、などというケチな発想も元々ない。
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もしA社がプロ野球界の広告取り扱いに参入し、それを独占したら、おそらくセパ12球団の統一公式スポンサーを、Jリーグと同様に、1業種1社に絞り込んで募るだろう。
そして、それが実現した場合の宣伝効果は巨大なものとなる。
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たとえば、タイガースの金本がフェンスによじ登ってホームラン性の大飛球を捕る超ファインプレーを演じたとする。そのプレーは、その夜のTV各局のスポーツニュースで、また、翌朝のニュースでも何度も放送されるので、金本が跳び付いたフェンスにたまたま広告を出していた企業は、巨大な宣伝効果を得ることになる。
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スポーツファンは歴史的な名場面は、TVニュースで何度も見るものだ。これは、05年6月8日に行われた、日本代表が06年W杯サッカー本大会出場を決めた試合(アジア地区予選、対北朝鮮戦)での、大黒将志選手の2点目のゴールシーンを、全国民が1人あたり数回ずつ見ていることを想起すれば、理解できよう。
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つまり、このゴールシーンは、試合の生中継を見ていた人々(関東地区の視聴率43.4%。ビデオリサーチ調べ。以下同)だけでなく、試合そのものを見ていなかった人にも見られているのだ(朝日新聞Web版05年6月9日「サッカー北朝鮮戦、視聴率は43.4% W杯アジア最終予選」 < http://www.asahi.com/sports/wc2006/TKY200506090122.html > )。
JFAとA社は、日本代表のゴールの持つ巨大な宣伝効果を知っており、日本代表の試合に看板広告を出せる公式スポンサーを絞り込むことにより、公式スポンサー数社に「極めて高い確率で、全国民が何回も見る名場面に御社の広告が映るようにできます」と売り込んで、高い広告料を取っているのだ。
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スポンサーとしてもこういう提案は有り難い。DVRの普及により今後CMをスキップしながらTVを見る視聴者はどんどん増えるが、名場面の背後に映っている広告は絶対にスキップされず、その宣伝効果は試合結果をTVニュースで見るだけの「熱心でないファン」にまでおよぶからだ。
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一方、プロ野球界では、そのような宣伝効果は事前に計算できない。
現状では、金本がフェンス際で球史に残る大ファインプレーを演じても、その宣伝効果は、たまたまそれが行われた球場の、たまたまそのフェンスに広告を出していた企業に、まるで宝くじに当たるような低い確率で与えられるだけだ。タイガースの外野手がファインプレーを演じる確率がいちばん高い球場は甲子園だが、交流戦の導入された05年以降は、12球団の、どの本拠地でそういう名場面が生まれてもおかしくないので、甲子園球場やタイガースだけが「ウチの選手がファインプレーをやりそうだから」という理由で、高い広告料金を請求するのは不可能だ。
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個々の球場、球団にとってはあまりに確率が低く事前に計算できないので、球場も球団も広告代理店も、だれもその効果を広告主に売り込むことができない。
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しかし、12球団すべての本拠地球場の広告を、1つの広告代理店、たとえばA社が統括し、統一公式スポンサー制を導入するとしたら、どうだろう。毎年プロ野球の公式戦が行われる(本拠地)球場のうちどこかで必ず外野手はファインプレーをする。もちろん、外野手の頭上を越えてスタンドに飛び込む、優勝の行方を決めるような劇的なホームランも、どこかの球場では絶対に出る。とすると、たとえば、12球団の本拠地(公式戦開催球場)すべての外野フェンスの広告がたった1社に統一されていたら、どうだろう。
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その1社が日本生命なら、ホームラン性の大飛球をめぐる名場面は、それがホームランになる場合でも外野フライになる場合でも、必ず日本生命のロゴの近くで演じられることになる。その名場面はTVニュースで何度も流されるので、日本生命のロゴは、試合の生中継を見なかった視聴者にも、その名場面を演じた球団のファンでない人々にも印象付けられることになる。
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この巨大な宣伝効果は事前に計算できる。外野フェンスを1社で独占するのが無理なら、1業種1社で計4社、たとえば自動車は日産、家電はソニー、生保は日本生命、ビールはキリンといった形にし、料金を1社独占の場合の1/4にすればいい。これら公式スポンサーから得た莫大な広告料金は12球団で公平に分配してもいいし、勝率や観客動員数に応じて比例配分してもいい。いずれにせよ、その恩恵は全球団に行き渡るのだ。
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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●16球団も可能●
この「全球団統一広告」の場合、球団数は多ければ多いほどよい。一般に球団数が増える場合、新球団は、05年に誕生した東北楽天イーグルスのように、従来球団のなかった都市を本拠地とするはずだからだ。
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05年現在プロ野球の球団本拠地を持つ都市は札幌、仙台、所沢、東京、千葉、横浜、名古屋、西宮、広島、福岡に、オリックスバファローズの2つ本拠地のある大阪、神戸を加えて12しかない。が、新潟、金沢など13~14番目の都市に球団ができ、仙台のイーグルスファンのような熱心な「地元ファン」が生まれると、外野を独占する「1業種1社」の公式スポンサーの宣伝効果はその分上がることになる。
Jリーグが90年代、毎年のようにチームを増やせた理由はここにある。
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04年まで日本プロ野球界は巨人の全国的な人気に依存して来た。全国的に注目される対巨人公式戦の放送権料は1試合1億円の高値でTV局に売れるから、という理由で、パ・リーグ各球団は巨人と公式戦で対戦できる交流戦の導入を望み、05年から実現させた。
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04年、球団合併により球団総数を削減し1リーグ制に移行することを、複数の球団のオーナーが模索したのも、対巨人戦の放送権などの「分け前」をより多く得るためだ。巨人は1つしかないのだから、それと対戦する他球団の数が少なければ少ないほど、各球団の対巨人公式戦の年間試合数は増え、放送権料が多く手にはいる、と計算したのだ。
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が、05年、巨人の公式戦の関東地区における年間平均視聴率は、史上最低の10.2%にまで落ち込んだ(小誌前掲記事)。とくにひどかったのは05年9月13日の試合で、関東地区では5%を切り、オールスター戦以降は関東ではすべて1桁だった。ゴールデンタイムの番組としては完全に「失格」であり、連続ドラマならとっくに「打ち切り」になる数字だ。
06年以降、このように視聴率の低い巨人戦が1試合1億円で売れることは、まずありえない。今後、放送権収入は激減するので、もはや巨人以外の11球団には球団総数を減らすメリットはほとんどなくなった。だから、もう04年のような、球団削減の動きは再燃しないと見てよい。
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むしろ、いまは球団数を増やす好機だ。広告主を人とも思わない無礼な広告代理店を各球場から追放し、たとえ「世界のトヨタ」が相手でも堂々と断れるだけの、企業規模と実績のある、スポーツビジネスに慣れた広告代理店1社が、全球団の本拠地の広告を管理すれば、プロ野球は、極端な話、再来年(07年)からでも球団を増やせる。広告ビジネスの仕方をちょっと変えるだけで、新潟や四国に新球団が生まれるのだ。
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そうやって球団数を16に増やし、セパ両リーグが東地区と西地区、各4球団ずつで(リーグ間、地区間の交流戦を含めた成績で)地区優勝を争い、その優勝チーム同士でリーグ優勝決定戦(プレーオフ)を戦うようにすれば、日本のプロ野球でも米大リーグのように10月のポストシーズンゲームが盛り上がり、収入も増えるはずだ(05年10月16日のパリーグ・プレーオフの視聴率は関東地区で巨人戦の年間平均より高い13.8%を記録し、プレーオフのほうが巨人戦より価値があることを示した。産経新聞05年10月18日付朝刊29面「鷹×ロッテ 巨人戦超え」)。
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さすれば、05年現在パ・リーグが実施している「シーズン勝率5割以下の、3位のチームがパを代表して日本シリーズに出るかもしれない」という「変則プレーオフ」はやらずに済む。
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【北京五輪について筆者に質問のある方は、必ず拙著『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html#cover > )を読んでからメールをお出し下さい。小説の宣伝コピーとメルマガ記事本文とを取り違えた御質問など、明らかに「読んでない」ことがわかる場合はお答えしません。】
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(敬称略)
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福田幹事長:週刊アカシックレコード051027

■福田幹事長~週刊アカシックレコード051027■
マスコミで首相の「盟友」「後見人」「側近中の側近」と呼ばれている者が、小泉首相に心底信頼されているという証拠はない。
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【コイツ】
自民党の片山さつき衆議院議員が民主党の前原誠司代表を05年10月21日放送のテレビ朝日『スーパーJチャンネル』で「コイツ」呼ばわりした、として民主党の野田佳彦国対委員長が21日「タカビーで高慢」と批判(日刊スポーツWeb版05年10月22日「野田氏『さつき氏こそタカビーで高慢』」 < http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-051022-0002.html > )。でも、自民党の舛添要一参議院議員は片山議員と夫婦だったときは毎日言われてたわけで(それが高じて離婚したわけで?)、それに比べれば前原代表は「軽傷」。
(^_^;)
【『龍の仮面』文庫版カバー画像も掲載】
佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』が文庫になり、紀伊國屋書店新宿本店で05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃からは平台も拡張され、ベスト20を維持しています。ご協力有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
本店においでになる方は(補充の関係で一時的に店頭から消えている恐れもありますので)あらかじめ
Tel: 03-3354-0131
でご確認下さい。
m(_ _)m
【東洋紡績、川崎地質、沖縄県庁から投票】
農林水産研究計算・情報センター2、岡山県庁2、沖縄県庁、福井医大2、都築通信技術、三洋電機、丸紅、東洋紡績、図研2、ヤフー、BML(臨床検査)、川崎地質(建設・測量)、日新グループ(国際物流)、松下電器……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに農水研、岡山県庁、福井医大、図研からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
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■「福田幹事長」もあり~「ポスト小泉」と首相の「側近中の側近」を読む■
【前々回「広島こそ上場~シリーズ『村上ファンドの阪神株』(2)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/carp.html > 】
【前回「ソ連とアポロの裏取引?~『アポロ疑惑』再考」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/ursapo.html > 】
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05年11月1日の特別国会閉会後に予定されている小泉純一郎首相の内閣改造・党三役人事が近付いて来た。小泉は派閥の領袖の推薦を一切受け付けず、すべて独断で人事を行うので、マスコミは予測できなくて困っている。
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が、小泉はかねがね「ポスト小泉」の総理総裁候補を要職に就けて将来の(政権禅譲の?)布石とすることを明言しているうえ、党運営の執行責任者である幹事長には首相の側近(盟友)が就任するのが最善であることから、マスコミではおおむね
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#1: 「ポスト小泉」は安倍晋三党幹事長代理、福田康夫前官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎総務相の4人のうちのだれか
#2: 幹事長は武部勤幹事長(留任)、二階俊博党総務局長(選挙実務責任者)、山崎拓首相特別補佐(元幹事長)、中川秀直党国会対策(国対)委員長、麻生太郎のうちのだれか
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という予測が出ている(05年10月25日放送のTBS『朝ズバッ!』での岸井成格・毎日新聞特別編集委員の発言、05年9月23日放送のテレビ朝日『スーパーモーニング』「麻垣康三って誰?」、ほか)。
つまり、小泉は安倍、福田、谷垣、麻生の器量を評価し、武部のほか二階、山崎、中川を側近として信頼しているということなのだ。とくに二階、山崎、中川は05年9月19日放送のテレビ朝日『報道ステーション』「すべて仕組まれていた 側近のスクープ証言で迫る小泉圧勝戦略の舞台ウラ」でインタビューに応じ「解散秘話」を語っていたので、「側近中の側近」ということなのだろう。
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●蚊帳の外●
が、ちょっと待って頂きたい。
たしかに、二階総務局長(衆議院郵政民営化特別委員会委員長を兼任)、山崎首相特別補佐(同特別委員会筆頭理事を兼任)、それに、小泉と同じ派閥(森派)出身の中川国対委員長の3人は、肩書きや所属に注目する限り「小泉の側近」に見える。が、それならなぜ、この3人だけが「舞台ウラ」を証言し、解散・総選挙以前も以後も党運営の最高責任者である武部幹事長が一切語らないのか。
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小誌既報のとおり、自民党執行部は解散のはるか以前、05年5~6月頃に党独自の世論調査を実施し「いま解散すれば総選挙で岡田民主党に圧勝できる」ことを知ったが、その世論調査データそのものは極秘扱いにされ、一般党員は閲覧を禁じられた(小誌05年9月19日「データベース選挙」 < http://www.akashic-record.com/y2005/dm.html > )。上記『報道ステーション』に登場した二階、山崎、中川はこの世論調査にまったく触れておらず、かたや、調査データそのものを閲覧できる数少ない党幹部の1人であることが確実な武部は、これには登場しない。
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そして、小泉と武部の2人だけが、05年通常国会中、しきりに自民党の郵政族議員の造反を煽るような、つまり、故意に郵政民営化法案を通常国会で否決させて解散に持ち込もうとするような過激な言動をとっていた(小誌前掲記事)。その一方で、二階は特別委員会委員長として、山崎も特別委員会筆頭理事として、中川も国対委員長として、それぞれ「いま法案が否決されて解散したら、総選挙で自民党は大敗してしまう」と思い込んで党内造反派の懐柔や与野党折衝に励み、法案成立に全力を尽くしていたのだ。
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明らかに彼ら3人は、内心「法案否決→解散」をねらう小泉と武部に「だまされていた」のであり、この点に着目すればおのずと、05年の解散・総選挙を託された小泉の「側近中の側近」は武部1人であり、二階、山崎、中川らは調査データの閲覧すら許されず、完全に「蚊帳の外」に置かれていたことがわかる。
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【二階のポスト、総務局長は選挙実務担当だが、上記『報道ステーション』などから判断すると、二階は武部と違って党独自の、選挙区ごとの詳細な世論調査データを見ていない。したがって二階には選挙戦術を議論する材料がなく、小泉と武部の候補者選定会議に参加しても何も発言できなかったはずだ。二階には「9.11総選挙」大勝の功績は何もない。】
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TVの報道番組ではよく「首相の側近中の側近(盟友、後見人)がいますべてを明かす」などの謳い文句で山崎や中川や森喜朗前首相(森派会長)を登場させるが、それはそのように宣伝しないと視聴率が取れないからだ。
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たとえば森は(勝手に)小泉首相の後見人と称しているが、小泉が森の意見を聞いて人事を行った例は皆無だ。小泉は03年9月に森派の小池百合子を環境相にする際、べつに森の了解などは取らず、直接小池本人に電話をかけて「一本釣り」している。また、04年9月の内閣改造・党三役人事では、森は「郵政民営化法案を成立させたければ、当時の自民党の実力者、亀井静香元党政調会長や野呂田芳成元防衛庁長官を党・政府の要職に就け(て「運命共同体」にし)ろ」と小泉に進言したが、完全に無視された、と自ら認めている(05年8月8日放送のフジテレビ『ニュースJAPAN』ほか)。
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さらに、「否決解散」をねらう武部とは正反対に、森は05年8月の参議院本会議での郵政民営化法案採決前に、民主党の鉢呂吉雄国対委員長(当時)に「(法案が否決されても解散にならないように内閣)不信任案を出さないで欲しい」と要請しているから(朝日新聞05年8月4日付朝刊4面「説得工作、時間稼ぎ」)、森も「蚊帳の外」だったことがわかる。参議院採決前の、例の「ひからびたチーズ」持参のパフォーマンスは、森が小泉に頼まれて郵政造反派説得のためにTVカメラの前で演じたかの如く「大本営発表」をしているが(『週刊朝日』05年9月2日号 p.122「ビール缶握りつぶしたのは首相発案の芝居だった」 < http://opendoors.asahi.com/data/detail/6882.shtml > )、小泉側からは「森に頼んだ」という証言は一切出ていない。
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「盟友」のはずの山崎とて、幹事長だった01年8月、小泉に(「A級戦犯」が合祀されている限り)「靖国神社に参拝するな」と忠告したが(共同通信01年8月10日付「首相『熟慮に熟慮重ねる』 与党幹事長は中止要請 靖国参拝、結論は持ち越し」)、結局その忠告はその後5年連続で無視されている。
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中川は上記『報道ステーション』で「首相の解散の決意は、04年秋に打ち明けてもらった」と述べているが、それは、森や山崎と同様に「オレは総理に近い(信頼されている)」などと言わないと、人も情報も集まらなくなり自身の政治力が低下するから、仕方ないからそのように見栄を張っているだけで、じっさいは小泉に対してなんの影響力もないのではないか。
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チベット人ペマ・ギャルポ氏が顧問を勤める政治研究所

   http://www.g-i-i.net/
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●小泉と福田●
00年10月、当時森内閣の官房長官だった中川がスキャンダル報道で辞任に追い込まれたあと(民主党Web 00年10月26日「証拠の会話テープで、辞任に追い込む~仙谷、長妻両議員が中川長官を追及」 < http://www.dpj.or.jp/news/200010/20001026_nakagawa.html > )、当時まだ森派の中堅議員(当選5回)にすぎず「押しが弱く手腕は未知数」と酷評されていた福田を「後任にしろ」と小泉は森に強く迫り、福田は官房長官になった(産経新聞00年10月27日付朝刊2面「中川官房長官を更迭 後任に福田康夫氏 暫定人事の色濃く 小泉氏が首相に提案」)。
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その後、首相が森から小泉に代わっても、福田はそのまま官房長官に留まり、04年5月に国民年金保険料の「未納」問題で辞任するまで、史上最長の3年6か月その座にあった(共同通信Web版04年5月7日「福田官房長官が辞任 年金保険料未納で引責」 < http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/pension/news/0514-3.html > )。
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そして、これが福田の唯一の閣僚経験となった。
つまり、この「小泉推薦入閣」を除くと05年10月現在、福田は閣僚経験ゼロであり、さらに党三役の経験もゼロなのだ。閣僚も党三役も経験しない者が総理総裁候補になることはありえないので、福田は小泉の「引き」がなければいまごろは、総裁候補どころか「ただの中堅議員」に留まっていたはずだ。
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05年10月現在、福田は36年7月生まれの69歳であり、63歳の小泉より年上だが、「小泉に育てられた」と言っても過言ではない。なぜか。
小泉は福田の父親、福田赳夫元首相を師と仰ぎ、その書生として政治生活を始め、修行を積んだ。福田(康夫)は小泉にとって「主君の血筋」にあたるうえ、青年時代から「同じ釜の飯を食った仲」だ。
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森は福田赳夫の派閥(清和会)を引き継いで派閥の会長となり首相となったため、00年の官房長官人事の際、小泉から「主君の御曹司を入閣させろ」と迫られると断れず、福田(康夫)の初入閣が実現した(森派内では、宮下創平元厚生相や町村信孝現外相を推す声が強かったが、小泉が押し切った。産経前掲記事)。これは、小泉が04年の人事で、森の提案を蹴って亀井らを登用しなかったのと比べると、あまりにも対照的だ。
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小泉と福田(康夫)は、ともに親の代から政治家(大臣)の家に生まれた「サラブレット」であり、同じ悩みや使命感や「師匠(赳夫)の教え」を共有して成長した。それらは、一代で成り上がった森などにはないものばかりだ。
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つまり、小泉と福田(康夫)は、本来福田赳夫のものであった派閥(清和会)を、森ごとき「成り上がり者」の手から奪回し、赳夫の目指した「小さな政府」路線(無駄な公共事業の縮小)を実現しようと戦って来た「戦友」なのだ。
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●自民党幹事長●
武部幹事長のもとで行われた05年総選挙での与党自民党の圧勝により、首相(総裁)と幹事長が合意しさえすれば、森や公明党幹部など、ほかのどんな大物政治家が反対しようと、解散・総選挙を強行して小選挙区制の選挙で圧勝することができ、政局を一変させることができる、と証明された。
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このように、現行選挙制度のもとでは与党幹事長の権力は憲政史上最大だ。その重要なポストを小泉が、山崎や中川、あるいは小沢一郎(前民主党副代表)の自由党を裏切って(保守党、保守新党を経て)03年11月に自民党に鞍替えしたばかりの二階などに渡すことがあるだろうか。
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他方、福田は、官房長官として閣僚経験は豊富ながら、党三役(幹事長、総務会長、政調会長)の経験がない。
小泉は党三役を経験せず、郵政相と厚生相を経験しただけで首相になったため、01年の総裁(首相)就任直後の参院選では党を十分に把握できず、小泉の総裁選の公約であった「郵政民営化」に反対する郵政族議員(候補者)たちを応援する羽目に陥った。そして結局、その公約を(05年特別国会で)法案成立という形で実現するまで4年半もかかった。
小泉が福田に自分と同じ苦労をさせたくないと思うなら、小泉は当然福田を党三役、とくに幹事長に抜擢しようとするはずだ。
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そうなると、05年9月の総選挙で圧勝した大功労者である武部を更迭することになるので、小泉は武部を官房長官か財務相などの重要閣僚として処遇する必要があるだろう(福田が官房長官にまわる場合は、幹事長は武部の留任が妥当だろう)。
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【小誌は05年2月から「ポスト小泉は福田」と予測して来た(小誌05年2月10日「自民党 vs. 朝日」 < http://www.akashic-record.com/y2005/ldpvsa.html > )。
マスコミが福田を、総理の「側近中の側近」「盟友」「意中の人」などとして紹介することがほとんどないのは、おそらく単に、福田が極端なTV嫌いで、山崎や安倍のように簡単に出演してくれないため視聴率に結び付かないからだ。福田がTV好きなら余人の出る幕はなく、いまごろダントツの後継総裁最有力候補になっているはずだ。】
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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●安倍入閣●
筆者の見るところ、小泉は福田が好きなのは間違いなさそうなので、福田が「小泉後継」への伏線として幹事長(か他の党三役か、官房長官などの重要閣僚)になる可能性は高いが、さりとて福田は人気がない。与党は05年9月の衆議院総選挙で圧勝したから、あと4年(衆議院議員任期)は解散の必要がないが、そのうち1年は小泉が自分で使ってしまうので、その後誕生する福田政権は3年以内にどうしても衆議院総選挙をしなければならない。
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そのとき、TV嫌いで国民的人気に欠ける「福田首相」を奉戴して戦えば、自民党は不利だ。小選挙区制の選挙ではほんの数%の有権者が(自民党から民主党に)鞍替えするだけで、2大政党の議席が50~100議席も増減するような事態が簡単に起きるので、自民党は惨敗する恐れがある。
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その場合は、自民党は国民的に人気のある安倍を総理総裁に立てるしかない。
その安倍は、幹事長の経験はあるが、閣僚経験はない(00年7月~03年9月に官房副長官を務めただけ)。安倍が首尾よく首相職をこなすには、その前に(副長官ではなく)閣僚を経験しておいたほうがよい。となると、安倍は05年11月の内閣改造で入閣するはずだ。
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谷垣は国家公安委員長と財務相として閣僚経験があるが、党三役の経験はないので、11月の内閣改造で閣僚に留まると小泉後継候補として一歩後退する。とくに財務相に留任した場合は事実上「増税担当大臣」になるので、次の総選挙の顔としては使えない。他方、麻生は経済企画庁長官、経済財政担当相、総務相のほか党政調会長の経験があるが、小泉との個人的な絆はとくにないし、国民的人気は安倍ほどにはない。
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06年9月に予想される小泉退陣のあと、自民党の次期総裁(首相)を決めるのは党則上、自民党員であって小泉ではない(いくら小泉が「福田禅譲」を唱えても、万一党員の多数が反対すれば実現しない)。法律上、小泉の人事権は次期総裁の人選には直接はおよばないのだ。
小泉が自分の好きな福田や「選挙の顔」になる安倍を確実に総裁にするには、彼らが後継候補として党内世論対策上遜色ない状態に、つまり谷垣や麻生に比べて経歴で劣らないようにしておく必要があり、それには、いま人事権を行使して福田や安倍に党・政府の要職のうち「足りないもの」を経験させておくほかない。
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05年の特別国会では議員年金の早期廃止で与野党が合意するなど年金問題が重要課題になって来たので、その担当閣僚である厚生労働相か、「増税」の試練を迎える財務相が、安倍には最適だろう。
但し、その閣僚ポストを安倍がうまくこなせなければ、安倍人気は下降し、自民党は次の総選挙では(「サラリーマン増税」を決めたあとの選挙になるので)窮地に立つ。
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いずれにせよ筆者は、マスコミの大方の見方とは異なり、森、二階、山崎、中川を政局のキーマンと「みなさない」。筆者とマスコミと、どちらが正しいかは、05年11月2日までに小泉が決めてくれる。
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【上記は筆者の純粋な「予測」(推測)であり、「期待」は一切含まれていない。】
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【北京五輪について筆者に質問のある方は、必ず拙著『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html#cover > )を読んでからメールをお出し下さい。小説の宣伝コピーとメルマガ記事本文とを取り違えた御質問など、明らかに「読んでない」ことがわかる場合はお答えしません。】
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ソ連とアポロの嘘?:週刊アカシックレコード051024

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■ソ連とアポロの嘘?~週刊アカシックレコード051024■
ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行の捏造を暴露されないために米国と取引したと考えると、ソ連が「アポロ疑惑」(米国の有人月面着陸の虚構)を暴露しなかった理由が説明できる。


【『龍の仮面』文庫版カバー画像も掲載】
佐々木敏の小説『中途採用捜査官 SAT、警視庁に突入せよ!』が、『踊る大捜査線』の作者・君塚良一氏の推薦を得て、紀伊國屋書店新宿本店で04年12月15日に発売され、発売第1週の「週間ベストセラー」小説部門第8位になりました。有り難うございました。
引き続き「桶狭間の奇襲戦」にご協力下さる方は < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail > で『龍の仮面(ペルソナ)文庫版』(上)(下)をご注文下さいませ。
尚、紀伊國屋書店新宿本店店頭でも05年10月5日に発売され、発売第1週(3~9日)のベスト10(Webで公表)はのがしましたが、ベスト20(業界内部情報)にははいり、10月13日頃から平台も拡張されました。ご協力有り難うございました。
m(_ _)m
本店においでになる方は(補充の関係で一時的に店頭から消えている恐れもありますので)あらかじめ
Tel: 03-3354-0131
でご確認下さい。


【NTTデータイントラマートから投票】
農林水産研究計算・情報センター、岡山県庁3、福井医大3、丸紅3、NRIセキュア(野村総研グループ)、松下電器3、図研5、ヤフー、BML(臨床検査)、NTTデータイントラマート……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。
とくに岡山県庁、福井医大、丸紅、松下電器、図研からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ < http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご覧下さい。
m(_ _)m
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■ソ連とアポロの裏取引?~「アポロ疑惑」再考■
【前々回「阪神 vs. 村上広告代理店~村上ファンドの阪神株買い占めで『プロ野球のJリーグ化』?」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/htvsmd.html > 】
【前回「広島こそ上場~シリーズ『村上ファンドの阪神株』(2)」は → < http://www.akashic-record.com/y2005/carp.html > 】

今年のエイプリルーフール特集記事、小誌05年3月31日「月面着陸を否定」(Web版なし)で、アポロ11号など人類の月面着陸(有人月面飛行)の「歴史」はすべて虚構ではないか、という欧米に幅広く存在する疑惑を紹介した。

エイプリルフールの記事であるにもかかわらず、インターネット上の掲示板(BBS)やblogでムキになって反論する者(米航空宇宙局NASAの手先?)が出現したが、それは上記特集記事の相当部分が事実に基いていたからだ。


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●NASAの捏造?●
西側自由世界のマスコミは政府機関の発表をそう簡単には鵜呑みにしない。必ず事件の現場に記者を派遣し、裏付け取材をして事実を確認してから報道しようとするものだ。


が、アポロ宇宙船の月面着陸の場合「現場」は月面なので、だれも裏付け取材には行けない。米国の政府機関であるNASAは、宇宙船と地球の間の交信を独占していたので、たとえアポロ宇宙船が地球のまわりをグルグルまわっていただけだとしても、「いま宇宙船が月面に着陸した」と発表することができ、マスコミはその真偽を検証することができないので、NASAの発表はそのままノーチェックで全世界に報道されることになる。


「アポロ疑惑」は元々、アポロ計画の「成功」後に、NASAが月面で撮影したとして発表した多数の公式写真のなかに(月面でなく)地上のスタジオで撮影したとしか思えない不自然なものが少なくなかったことから、主として写真家たちによって提起された。


ほかに、人類は、地球を取り巻くバン・アレン放射帯の外側の、有害な放射線量が不規則に急増する外宇宙に生きたまま出られるのか、とか、月面で金属の保護壁のない船外活動中、薄い繊維製の宇宙服しか着ていないNASAの宇宙飛行士は放射線で死なないのか、とか、物理学の専門家から投げかけられた疑問は多い。


いちおうNASAやNASA擁護派の専門家から、すべてに関して反論はされている。筆者は写真や物理学の専門家ではないので、詳しい議論はそれらの専門家に任せるが、少なくともアポロ計画は「世界中のマスコミが(有人月面着陸が)成功したと報道しているのだから、成功したに決まってる」と言えるほど、単純明快なものでないことだけは間違いない。


それは、世界中のマスコミが「02年ワールドカップサッカー本大会で、韓国代表は実力でベスト4になった」と報道しているにもかかわらず、欧州の何千万ものサッカーファンと、日本の小誌読者の方々が、まったくそれを信じていない(韓国代表は審判の相次ぐ「誤審」によって不正にベスト4になった、と思っている)ことを想起すれば(「韓国対ポルトガル」戦前日の予測記事、小誌02年6月13日「●いまこそ『奥の手』を~審判に『期待』」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#04referee > )、容易にご納得頂けよう。


【類似の例として「01年9月11日に米国はイスラム原理主義過激派のテロ攻撃を受けた」というTV報道(9.11)に疑問を感じている者が少なくないことが挙げられる。あの日、米国防総省にはボーイング757旅客機が激突したと報道されているが、それによって建物にあいた穴の直径は旅客機の横幅よりはるかに狭く、また激突後のボーイングの残骸を見た者がいないことから、実は巡航ミサイルの攻撃ではないか、という指摘がある。市民運動自主制作のDVD『911 ボーイングを捜せ』( < http://www.wa3w.com/911/ > )を参照。】


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チベット人ペマ・ギャルポ氏が顧問を勤める政治研究所

   http://www.g-i-i.net/
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●ソ連のウソ●
NASA擁護派の反論のうち、写真や物理学の知識がなくても容易に検討できるものとして、「もしアポロ月着陸計画が虚構なら、ソ連(の諜報機関)がそれを見破れないはずがない」というものがある。当時、米ソは核軍拡競争や宇宙開発競争でライバル関係にあったので、米国が国威発揚のためのプロパガンダとしてアポロ計画を推進したのなら、ソ連はその虚構を暴いて米国の威信を失墜させればよかったではないか、というのだ。


これに対して「NASA糾弾派」は有効な反論ができていない。たとえば、副島隆彦・常葉学園大教授は「頑迷な共産主義イデオロギーに侵されて官僚統制と非効率の極みにあったソビエトの人間たちを、急にこの場で持ち上げるのはおかしい」と議論をそらしているだけだ(副島著『人類の月面着陸は無かったろう論』(徳間書店04年刊 p.100)。


この問題は有人月面飛行が可能かどうかを検証する技術的な争点にはならないが、NASA糾弾派はこの関門をクリアできないと、おそらく「文科系」の人々の賛同は得られまい。


そこで、筆者が上記特集記事で展開したのは、「(当時もいまも)西側諸国民はソ連政府の発表など信じない(から、ソ連は米国の虚構を告発できなかった)」という仮説だ。ソ連など社会主義国家には言論報道の自由がなく、ソ連の報道機関は国家権力の広報機関にすぎず、その報道は(社会主義経済政策の失敗で飢餓が発生しているときでさえ)「社会主義のもとでソ連人民は豊かに暮らしている」といった類のウソばかりだったので、ソ連はアポロ計画に関して米国批判を展開することを諦めたのだろう、と筆者は考えたのだ。

が、最近考え直した。

たしかにソ連の報道はウソだらけだが、こと宇宙開発に関しては必ずしもそうではない。たとえば、人類初の人工衛星は57年のソ連のスプートニクだが、この「ソ連政府発表」は西側の多くの科学者によって検証され、事実として認定されている。つまり、宇宙開発に関してはソ連の言い分が正しい場合もあることを、57年以降の人類は知っていたのだ。


また、アポロ月着陸計画が実施された69~72年当時は、日本や西欧の西側諸国には相当数のソ連シンパ(左翼)がおり、彼らは反米的な傾向が強いので、ソ連政府が「アポロ月着陸は虚構」と言い出せば、それに便乗して米国批判を展開する可能性は十分にあった。


たとえば日本の場合、日教組の理科や社会科の教師が結託して「米国は宇宙開発で大ウソをついている」と教え子に吹き込み、それに日米安保条約の延長に反対の勢力(70年安保闘争)が同調すれば、「アポロ疑惑」は一定の「常識」として日本国内に定着しえたはずだ。日本国内のソ連の「手先ども」は伝統的に、日米安保反対論でも非武装中立論でも、また、70年代にソ連が先に欧州中距離核兵器(INF)を配備したのに、米国がそれに対抗してINFを配備することだけに反対する「反米反核」論でも、どんな偏向した意見でも平然と唱えていたのだから、アポロ疑惑ぐらい言えないはずがない。


が、そうならなかったのは、ソ連の諜報機関が、日本や西欧諸国の国内にいる、自分たちの手先の左翼文化人や労組幹部に「アポロ疑惑を追及せよ」という司令を出さなかったからにほかなるまい。少なくとも、「非武装中立で日本は平和だ」と証明するより「人類の有人月面着陸成功の客観的な物証はない(あるのは関係者の発表だけ)」と証明するほうがはるかに簡単なのに、アポロを米国批判の口実に使わなかったのは、そういう司令がなかったから、に相違あるまい。


では、なぜ「司令」がなかったのか?……この疑問を解くヒントになる番組があることを最近知った。
それは英オーリス社00年製作の『What happened on the Moon?』( < http://www.aulis.com/contact.htm > )で、日本語版はtandm.tvのドキュメンタリー『月面で何が起こったか?~アポロは本当に月に行ったのか?』( < http://tandm.tv/top.html > )。


【筆者自身は上記URLで有料で見たが、Yahoo!BB契約者は05年11月1日まで「Yahoo!動画」(趣味とくらし)コーナーで無料で視聴できるそうだ。】


上記番組(Part 4)は、ソ連のガガーリン宇宙飛行士が行ったとされる「人類初の宇宙飛行」も捏造だったとしているのだ。

これは、よく考えてみれば、ありそうな話だ。ソ連は61年に「人類初の有人宇宙飛行をやる」と宣言して実行したが、万一宇宙飛行士が途中で事故死(または脱出)して帰って来れば、宇宙船のカプセルが無事に戻っても航空学規定上は「失敗」であり、ソ連は全人類に対して恥をかく。


そのような屈辱を避けるには(二度目以降はともかく)初めてのときはニセモノを宇宙に飛ばして帰還させ、ガガーリン本人は地上のどこかに隠しておいてカプセル帰還後に呼び出して「帰還記者会見」をさせたほうが、失敗する恐れがなく、国家的威信を守るのも簡単だ。


ソ連はスターリン時代に農業集団化政策が大失敗して飢餓が発生しても「経済は順調」つまり「人類初の社会主義国家は成功」と言い続けた。国家の威信を守るためにウソをつくのは常套手段であり、ガガーリンのときとてほかの方法はあるまい。上記番組は(ソ連が人類初の有人宇宙飛行を成功させたことは否定しないが)ソ連の報道機関(政府)が西側に流したガガーリン打ち上げ当日の「ニュース映像」を検証し、それが別々の日に撮影された複数の映像を編集して捏造したものであることを暴く(たとえば、狭いカプセル内には複数の照明やカメラを置くスペースがないのに、飛行中のガガーリンの顔や頭が複数の照明を使って不可能なアングルから撮影されている点などを指摘)。


そしてそれは当然、米国の諜報機関にはばれてしまう。しかし、米国はそれを暴露しない。
61年当時、米国の宇宙技術はソ連に大きく遅れていたから、米国にはソ連の技術を批判する資格がなかったが、米国の技術が有人宇宙飛行(地球周回)を安全にできるまでに進歩した68年になっても、米国は61年のソ連のウソを暴露しなかった。
なぜなら、自分たちがこれから行う「史上最大の捏造」についてソ連に黙っていてもらう、という裏取引を持ちかけたからだろう(米ソで取引が成立しさえすれば、2大宇宙先進国が相互承認した「事実」を、日英仏などの宇宙後進国が否定してもあまり説得力がない)。


この取引は、ソ連には「人類初の有人宇宙飛行」、米国には「人類初の有人月面着陸」という栄誉をそれぞれ保証し、自国民や同盟国に対して両国政府が恥をかくことを防げるので、双方にとって多大の利益がある。とくに米国側には、ケネディ大統領がうっかり言い出した月着陸計画の無謀さを認める必要がなくなり、米国の軍需産業にも、国庫から膨大なロケット(ミサイル)研究開発予算を引き出せるメリットがあった。


アポロ計画終了間際の72年、米ソ間にデタント(緊張緩和)が成立して戦略兵器制限交渉(SALT-I)が妥結し、さらに宇宙開発でも75年、米国のアポロとソ連のソユーズが地球周回軌道上でドッキングする米ソ共同宇宙飛行が実現し、「オモテ取引」が進行していたことを考えると、「歴史の捏造」を助け合う裏取引が行われた可能性は低くない。


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●米ソ共謀説は無用●
上記番組(Part 4)は終了間際「ロシア革命(の指導者)に米ウォール街の資本家が出資していた」という説を唐突に紹介し、宇宙開発でも米ソの共謀があった、と示唆する。


が、筆者は、いくら小説『龍の仮面(ペルソナ)』( < http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html > )の著者でも、一気にそこまでは思わない。その種の(国際政治の素人が好きそうな)軽率な陰謀論は、かえって「アポロ疑惑」論争のレベルを低下させてしまう恐れがあるからだ。


いや、『龍の仮面』の著者だからこそ、筆者は大きすぎる陰謀論に軽々しく与することはできないのだ。
この小説の第6章(金門島侵攻作戦)で描いたように、敵対する2国間にも一時的な利害の一致が生まれることはある。だからこそ、軍縮交渉や和平交渉が成立するのだ。敵対する国同士に利害の一致点がまったくなければ、一度戦争を始めた国同士はどちらかが消滅するまで永遠に戦い続けることになるが、現実にはそんな事例はまれだ。


筆者はこの外交論を、国際政治学の権威と言われた故・高坂正尭京大教授から教わった。宇宙開発(疑惑)における米ソ裏取引仮説を立てることは、大学の授業で教えられている、常識的な政治学の援用で可能であり、仰々しい陰謀論は必要ない。上記のロシア革命の事例も、米国の資本家とソ連の共産主義(革命)指導者との間に利害の一致した局面があったことの証拠にはなりうるが、米ソが終始一貫して共謀していたことの証拠にはならない。


「ロシア革命にウォール街が出資していた」という説は、ロシア革命の結果経済的にまったく非効率なソ連という社会主義国家が誕生したことによって、ロシアの農工業生産力が著しく低下し、それによって米国が世界最大の工業国と食糧輸出国の地位を手に入れた、という現実を見ると、一定の説得力はある(ロシアが資本主義国家として存続していたら、米国の世界支配はたぶんなかった)。革命前のロシアは世界最大の穀物輸出国であり、株式市場からの潤沢な資金調達により、鉄鋼も石炭も数年間連続で生産高が伸びていたのに、革命後、レーニンらの共産主義者は株式市場を閉鎖してロシア工業の資金源を断って成長を止め、農業を集団化政策で破壊して、最終的にはロシア(ソ連)を食糧輸入国に転落させたのだから(ジェームズ・デール・デヴィッドソン他著『世界経済が破綻する時』草思社88年刊)。


レーニンの革命は一種の「背任罪」であり、彼が米国の資本家たちの食糧や鉄鋼の輸出を助けるために彼らに雇われていた可能性(あるいは、経済のわからぬ、ただのバカだった可能性)は大いにある。が、アポロ計画の前、62年に米ソ対立がキューバ危機によって全面核戦争寸前までエスカレートしたことを考えると、米ソ間にまったく対立がなかったとは言えないので、軽々しくアポロ疑惑論争の中で「米ソ共謀論」を持ち出すべきではあるまい。


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      2008年北京五輪、開催不可能!
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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >


●007は知っていた!?●
ところで上記番組(Part 3)は、71年の英国映画『007/ダイヤモンドは永遠に』(MGM)にアポロ疑惑を示唆するシーンがある、と指摘している。007ジェームズ・ボンドがNASA月面着陸シーン(?)撮影中のスタジオの「月面セット」に迷い込む場面があるほか、その前には(月面での?)放射線の危険性を不必要に印象付ける場面まであるのだ。この番組は正式な著作権処理をしてMGMの映像を引用しているので十分に楽しめるし、信用できる。

番組によれば、月面セットや放射線の場面はイアン・フレミングの原作にはないので、当時すでに英国の知識人のあいだで常識になっていた問題を一般大衆に(こっそり?)知らせようとして、真相を知る映画関係者が人気映画の中に敢えて風刺的な場面を挿入した、と考えられるのだ。


【尚、番組(日本語版)の中の「西洋」は「西側」の誤訳だ。】


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