初級者からアマ5段といわれるプロ級まで、囲碁愛好者の棋力は様々である。年齢、性別、職業、性格、いずれも異なる。しかし、共通なこともある。それは「もっと強くなりたい」という願いだ。では、強くなるにはどうすればよいか。本を読む、新聞の囲碁欄を読む、テレビで対局を観戦しながら解説を聞く、プロの対局棋譜を見ながら盤上に石を並べる、高段者に指導碁をお願いするなどいろいろな方法が考えられる。
しかし、どの方法にもプラス面とマイナス面がある。例えば、新聞やテレビの解説は、スペースや時間に制限があるために、十分な解説とは成りえないのだ。
私も自分なりの方法をとっているが、上達に繋がっているかといえば疑問だ。ここであらためて「強くなる」ための方法・心得について考えてみる。
第1条 対局作法
碁器は両膝の間、盤のヘリに半分隠れるくらいに置き、蓋は盤の右手手前に、相手からハマが見やすいように置く。第1着は右上隅に打つのが、古くからのしきたりである。理由は、後で並べ直したり、棋譜をとったりする場合に便利だからだ。最も大切にしたいことは、対局開始と終了時には、礼を交わすことである。「礼に始まり、礼に終わる」である。
第2条 打つ手が決まってから石を持つ
囲碁は対局者同士が、互いの構想力・読みの精密さ・判断力などを競うゲームである。「プロは考えてから打ち、アマは打ってから考える」といわれるが、打ってから考えてミスに気づいても、遅いのだ。相手の打った手に、どう応じるか考えて、打つ手が決まったら、石を持つ。
第3条 投了する勇気を持つ
碁盤のどこを見ても、挽回可能な手が見つからない。そうなったら、投了するしかないのだが、投了は自分で自分の負けを宣言するのだから、極めて苦しい決断である。投了するには勇気がいるのだ。決断のつかぬまま、手の無いところに手をつけて、いたずらに打ち続ける人は、私だけでなく結構いる。みっともない悪あがきを止めて、潔く負けを認める決断をすることが、次に繋がるのだ。いうのは簡単だが、いざ決断は難しい。
第4条 棋譜を取る
本因坊戦で、驚異の9連覇を達成した高川名誉本因坊は、強くなるための方法を尋ねられた時、「強くなりたいと言う人に聞いてみたい、あなたは碁罫紙を持っていますか」と答えたという。自分が打った碁の棋譜を取るのは容易ではない。何局も打って、勝った負けたと喜んだり悔しがったりしていたのでは、楽しいけれども、棋譜は取れない。真剣に丁寧に打てば、打った碁を並べ直せるし、棋譜は取れるし、強くなれる。
第5条 本を読む
何局も打って番数をこなすだけでなくでは、上達は難しい。定石・手筋・詰め碁等の本を読むことによって、先人やプロ棋士の手助けを受けることも、上達への道の一つだ。