
今回は、スタジオ ジブリのアニメの紹介です。
タイトルは「火垂るの墓」
8月14日金曜日に、日本テレビの金曜ロードショーで放送されました。
日テレ リンク http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20090814/index.html
1988年に野坂昭如氏の原作をもとに、高畑 勲 監督が製作した映画です。
となりのトトロと同時上映されました。
「4歳と14歳で生きようと思った・・」というキャッチコピーが示すように
戦争末期・戦後の混乱期を、両親をなくした兄弟が、一生懸命に生きようとした物語です。
くろすけはスタジオジブリの作品は大好きですが、この映画はどうも苦手です。
何度も見ようと思って、なんどもチャレンジしましたが、あまりに救いのない話に
途中で涙で見れなくなって止めてしまっていました。
今回レビューを書くにあたり、不幸な事実を見ないのは卑怯な行為だと思って最後まで見ました。
終戦記念日が近いからとかいうわけじゃないですけど、後世に残すべき作品と思いますので
レビューを書いてみます。
----------------------------------------------------------------------------------------
あらすじ
舞台は戦争末期の神戸で、空襲によって幼い兄弟は何もかもなくします。
母と一緒にいましたが、空襲のとき離れて、次にあったときは息をひきとりました。
兄、清太と妹、節子は親戚を頼って西宮に行きますが、父方の従兄弟の叔母と上手くいかず
兄弟二人で暮らすことを決意し、親戚の家を出て生活を始めます。
食料もなく、身寄りもいない兄弟は一生懸命生きていこうと頑張りますが、
飢えに直面し、少しずつ体力を失って衰弱していきます・・・
妹思いの兄は、窃盗をしてでも食べさせようとします。
妹は兄をとても慕い、この世界にないような兄弟の愛を見せてくれます。
しかし・・・
------------------------------------------------------------------------------------------
くろすけの感想です。 (もう見たって人のために)
この映画ってフィクションでアニメでファンタジー的な要素が強いジブリ作品の中では
異色の、きわめてリアリズムの写実的な作品です。
この映画は反戦映画として見られることが多いと思いますが、極端に戦争の悲惨さを訴える
ものでもなく、ただ淡々とB29が飛んできて、街が燃えていく描写しかありません。
戦争の敵を怨むような描写もなく、空襲も仕方のない事実として描写しているようにさえ感じます。
もののない時代背景ですが、周囲の大人たちも、その場面に応じて適切な助言を兄弟に与えます。
しかし、兄、清太は誤った判断をしてしまいます。
あと清太が2歳ほど成長していれば、働いてご厄介になるという選択もあったかもしれません。
そんな清太の判断も、妹、節子を思うあまりの判断なので、誰も攻めることができません。
登場する大人たちも、残酷に突き放す訳でもないのですが、どうすることもでません。
この時代に、このような子供はあふれ、手を差し伸べる余裕のある人も居なかったのでしょう。
兄弟の死の直接的な原因は戦争であったと思います。
しかし、作品の内面はもう少し深くて、鑑賞者にいろいろな疑問を投げかけます。
また、見た人は、事実に直面し、深く考えます。
くろすけは、この作品において終始描かれているのは、兄弟の美しい愛の姿だと思いました。
二人はとても仲がいいです。
兄は妹を思い、妹も兄をしたって4歳にしてはあまりわがままを言いません。
不公平な扱いを受けて親戚のうちを出ますが、それも妹のことを思っての結果でした。
二人の笑い声は、蛍の舞う塹壕に、いつも、こだましています。
兄清太は、4歳の妹に母の死を隠そうとしますが、妹は知っていました。
それを知った清太は泣きじゃくります。
世間の不文律を、悔しくて泣いていると、自分の力ではどうしようもないことを
清太は少しずつ自覚していきます。
不文律は飢餓という形で二人を襲います。
兄、清太は衰弱していく妹を見て奔走します。
捕まって殴られても、妹のために少ないながら食べ物を運んできます。
衰弱して待っている妹も、お兄ちゃんのために泥の団子を作って待っています。
自分が食べれなくても、兄のことを思う妹を見て、泣き崩れます。
この兄弟の愛は清く、とても美しいものです。
この世界に、これ以上の愛はないほど二人の兄弟は、仲良く暮らします。
でも、最後に二人は力尽きてしまいます。
二人の兄弟は、お互いを思い頑張って生きていきますが、報われません。
せめて、天国でお母さんと、お父さんに会えて、幸せに暮らせたらなと願ってしまいます。
-----------------------------------------------------------------------------------------
やばい、レビューかいてて涙がでてくる。
こんな、けなげな2人は、絶対に報われなければならないと思うのですが、
今現在でも世界中で飢えに苦しんでなくなる子供はたくさん居ると思います。
我々が映画で見る、努力が報われてハッピーエンドという作られたリアリティーではなく
現実に起こっている写実的なリアリティーの映画です。
今でも政情不安で、家を焼かれ、両親を失い、路上で生活する子供がたくさん居ると思います。
国内でも育児放棄の飢えや虐待で、苦しんで死んでいく子供がたくさん居ます。
このような事実があるのですが、自分の生活が精一杯で、手を差し伸べることができないのが
現実だと思います。
せめて、みんなが、安心して眠れる場所と、一日一食、食事がとれる環境になればと思います。
このようなリアリズムの映画は、ときに鑑賞者を叩きのめしますが、真実を
見つめなおすために必要だと思います。
みんなのイマジネーションが、戦争や貧困、飢餓を救う唯一の手段かもしれません。
少し、考え直すために、素晴らしい作品を高畑監督は残してくれたと思います。
大人にはそういった意味でお勧めです。
お子さんには、兄弟愛や両親の居ることの大切さを教える、いい映画と思いますが
辛辣で救いがないので、一度、親がチェックされてから判断された方がいいと思います。
長文になりました。
くろすけの主観ですので、異論・反論もあるかと思います。
この映画について、ご意見・感想ありましたら、コメント聞かせてください。