La dame aux camélias ー椿姫ー | 日々のカンゲ記 ふろむパリ→トーキョー

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この演目は、はじめから緞帳が上がり、板付きの状態から始まります。
はじめは音楽もなくお芝居から始まるので、始まったことに気づかない人もいました。


Frédéric Chopin Musique
John Neumeier Chorégraphie et mise en scène

MARGUERITE Agnes Letestu
ARMAND DUVAL Stéphane Bullion
MONSIEUR DUVAL Michaël Denard
MANON Isabelle Ciaravola
DES GRIEUX Christophe Duquenne
PRUDENCE Muriel Zusperreguy
GASTON RIEUX Josua Hoffalt
OLYMPIA Juliette Gernez
LE DUC Laurent NOVIS
LE COMTE DE N. Simon Valastro
NANINE Béatrice Martel

大好きな演目「椿姫」ノイマイアー版。
ノイマイアーの作品は、以前観たロメジュリもそうでしたが、劇中劇を使用してのメタファーの使い方が非常に上手です。

舞台としてすごく細かい所まで考えられており、いたる所に伏線があります。
それゆえ、かなりの演技力と表現力が必要とされますし、お話の内容的にも、
人生経験を積んだある程度円熟味を増したダンサーでないと務まりません。

実際の設定としてのマルグリットは、25歳くらいの設定ですが、その年齢のダンサーが配役されることはあまりないのではないかと思います。
それくらい難しく、表現力を必要とする演目だということです。

初日である今日のキャストはアニエス・ルテュステュとステファン・ブリオンペア。
ルテュステュは、私の中のイメージとして、テクニック的にはすごく上手で、容姿も美しく、文句のつけようのないダンサーなんだけど、あまり表情がなく、冷たい印象だったので、彼女が初日キャストということは結構以外でした。

でも、あまり明るくはつらつとしたイメージではない彼女だからこその苦悩の表現や、音楽を身体に乗せて踊る様がとても美しく、儚げで感動しました。

一方ステファンも好演でした。
マルグリットからの裏切りの手紙を受け取った後の苦悩のダンス、表現、とってもよくて胸がはち切れそうになってしまい、思わず涙が出てしまいました。

マノン役のイザベルもとても美しく、幻想的でした。
プリューダンスの振付けがとっても楽しくて、ああ、あの振付け踊ってみたい!と思いました。。

後半で、マルグリットが亡くなった後の回想として、彼女が死ぬ直前にほとんど力尽きながらもアルマンに思いの丈を綴り続け、それをアルマンが彼女のいない部屋で涙ながらに読むシーンでは、切なすぎて涙が止まりませんでした。

本当に大好きな演目です。あと、4回は観る予定なので、キャストごとの表現がまた楽しみです。