モナコ公国モンテカルロ・バレエ La Belle (美女)~眠れる森の美女~ | 日々のカンゲ記 ふろむパリ→トーキョー

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日々の感激と観劇のきろく。パリ生活のこと。

振付:J.C.マイヨー 音楽:チャイコフスキー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣装:カール・ラガーフェルド


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数年前、情熱大陸でモンテカルロバレエにいる日本人ソリストの特集をやった時からすっと観てみたかった「la belle」。
ほんと~ぅに素晴らしかった。
眠りのマイヨー版。
全編を通してマイヨーの世界観と演出が隅々まで行き渡っていて、彼の求める所の完璧な美とはここにあるのか、と思った。
まず1幕は、スクリーンを使た演出。
第2幕からbelleが登場。そのシーンのあまりの美しさに息をのんだ。
belleが透明な風船(泡)の中に閉じ込められ、舞台上のカーブの道を下りてくる。
白いスカートの脇にも風船がついていて、宙に浮いている。
そして男達に風船を破られ、外の世界に出るbelle。
大勢の求婚者がbelleのあまりの美しさに風船を破り、外の世界に出す。
そして超絶アダジオ。ものすごいリフト!
疲れ果てたbelleは100年の眠りにつく。。


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主演のベレニス・コピエテルスの身体能力がすごすぎる!
あんなにアクロバティックなリフトを次々こなし、その後の3幕での王子とのパ・ド・ドゥの間ずっと踊りっぱなし。
体のキレ、ラインの美しさ、表現力、何をとっても、彼女はこの作品の(マイヨーの)ミューズだった。
どれだけストイックな訓練を日々送ってきているのだろう。
私の大好きなダンサーが「舞台に立つ時は自分のすべてを捧げる気持ち」と言っていたが、彼女もまさにそれだろう。色々なものを犠牲にして、ひたすら訓練を積み、すべてを捧げているのだろう。
そうじゃなきゃこんなに胸に迫る踊りができるわけない。


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ラガーフェルドの衣装も素晴らしく(すごい踊りずらそうだったけど)隅々にマイヨーの美意識が行き届いていた。
3幕で2幕でbelleが下りて来たカーブに水の映像を映して、上からごろごろと落ちてきた時は、本当に海から遭難したようにみえたし(その後の王子とbelleのパ・ド・ドゥも素晴らしかった)、最後二人がスクリーンの間から物語の中に消えて行くラストもそうきたか~と感動。

本当に素晴らしいものを観ました。ありがとうございます。
帰り道は胸が苦しくて、今日もまた芸術酔い。