坂辺周一漫画『新レイプ』サイコパスの子はサイコパスなのか? | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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漫画『新レイプ』サイコパスの子はサイコパスなのか?

 
タイトルが非常に、活字にしにくく、ましてや口に出しにくいので困るのですが、
この漫画は単なるエロ漫画とはわけが違います。
 
 
漫画『新レイプ』は、レイプ犯と被害者の間に生まれた子の深い心の傷と葛藤を描く作品です。
 
 
『レイプ』から読んでいる方はよくご存じですが、レイプ1でのヒロインを、
拉致監禁して犯す御子柴という男は異常人格者で、
女性に対して、自己流の厳しい審査基準を持っていて、
その審査基準を満たさないと判断した女性を次々と拉致し凌辱し殺害してゆくのです。
 
 
『新レイプ』では、
連続拉致強姦殺害犯という、とんでもない異常人格者の御子柴と、心優しいヒロイン内田楓の間に出来た男の子が主人公で、
成長した彼の普段の性格は、非常に心優しく正義感の強い青年なのです。
 
 
そういった面は、優しかった母親のDNAのなせる側面と考えられますが、
そんな彼の奥深くに潜む父親御子柴の呪われたDNAが、主人公に、無意識のうちに性犯罪を働かせていたという悲惨な物語です。
 
 
自分には抗えないDNAの力というものがあるのならば本当に不幸な話だと思います。
 
 
激しい憎しみの果ての感情が、淡々と無感情に殺人を犯すサイコキラー御子柴。
 
この御子柴というキャラクターについて作者は、
悪の教典の蓮実聖司などよりも、もっと綿密に深く、
その歪んだ精神世界が、どのようにして培われてしまったのかを描いています。
 
そのサイコパスな感情は、突然変異的に御子柴だけに現れたものではなく
彼の一族の呪われた血縁関係の中で脈々と受け継がれてきたのです。
とは言え、サイコパス的気質は、親から子へ必ず遺伝するのではなく、1~2世代を飛び越えて現れるというような話だったと思います。
 
遺伝と精神気質の関係性だけとっても、現代の科学をもってしても未だ解明されていない未知数な部分がかなりあると思われますが、
それをテーマに漫画にしてしまうのだから凄いです。
 
そして画風の方は、
いかにも30代以上の男性好みの肉感的なグラビアアイドルのような女の子がヒロインにも関わらず、
作者が実は女性であるという驚きの漫画でもあるんですよね。


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