- 土曜日 (新潮クレスト・ブックス)/イアン マキューアン
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ロンドン未明、午後4時。
ざわめく心を秘めて今日が始まる。
イアン・マキューアンはこれで5作目。
現代文学は・・・・正直けっって感じだったのに、ゼミ担任のお陰で変わりました。
思い切り現代だけど、かなり古典っぽさが残っているイアン・マキューアン。
古典好きだときっと好きだと思うけど・・・(相当彼、読んでいるはず。愛読書とかかなり知りたい)
普段からあんまり海外文学読まない方だと、嫌いという方が多そうです。
この人はね、「普通」を描かない。
ショッキングな事実をほぼ織り交ぜて小説を書いている。
まぁ・・・『夢みるピーターの七つの冒険』 のような児童書だとちょっと違うけど、
これもピーターがいきなり変身したりしますからね
処女作のサマセット・モーム賞を受賞した『最初の恋、最後の儀式』もそろそろ読もうかなぁと思ってます。
これ、本当に異色でショッキングだと有名ですが。。
さて、この『土曜日』は脳神経外科医であるヘンリー・ペロウンが主人公です。
文学を愛し、詩人となった娘に、ミュージシャンとなった息子。
そして、子供が大きくなっても変わらず愛し合っている弁護士である妻。
絵に描いたように幸せな家族。
そんなヘンリーがある明け方目が覚めると・・・・
炎を上げながらヒースロー空港へ向かう飛行機を目撃します。
あとがきによると、2003年2月13日の未明のことらしいですね。
あの、おぞましい9.11テロが起こったのも記憶に新しい頃。
なんだか不吉な予感のする始まり方なのですが・・・・どうなっていくのか。
主人公ヘンリーのある1日、「土曜日」を描いた小説。
たぶん、ヴァージニア・ウルフから影響受けているような気が・・・・するのですが、どうなのでしょう。
マキューアンはどうもパズルみたいな作風。
はっきり言って、最初は毎回全然意味が分からないことが多い。
ラスト50ページくらいで一気に
「えええええーーー!?なにその展開ーーー!??それに、そういうことだったのーーー!?」
ってパターンが多いのです。
この『土曜日』は『愛の続き』とかなり似ているように感じました^^
あとがきにイアン・マキューアンの『土曜日』を批判した人へちょっと挑発的に言ったことが載っています。
うーーん、そうだよなぁ。
これ、ちょっと面白かった。
娘のデイジーはかなりの文学好きで、父親にもなんとか文学を理解してもらいたい。
ダーウィンの『進化論』だとか、コンラッドだとかを「読んで!」と渡してきます。
デイジーは『ジェイン・エア』でどうやら文学に目覚めたらしいのですが
その次に与えた本がなんと、カフカの『変身』。
理由は「十三歳の女の子にぴったり」だから(笑)
ぶっはーーーー!!!
ああもう、吹き出しました。こういうの好きですが。
「かわいそうな、グレゴール・ザムザ。家族の人たち、ひっどいんだから。
部屋を掃除してザムザの好きな食べ物を届けてきてくれる妹がいたのは本当によかった」
なんか・・・・微笑ましいですね(笑)
『変身』読んだことある方とか、あらすじ知っている方なら分かってくださるはず。
マキューアンって研究職とか、なんかの専門職好きですねー!
医者もそうでしょ?
弁護士もそうでしょ?
子供二人も、言っちゃえば、そうだよね?
『贖罪』はちょっと違ったけど。。スペシャリスト描くの好きなのかな。
マキューアンであればやっぱ『贖罪 』が今のところベストです。
『最初の恋、最後の儀式』、『イノセント』、『初夜』もそのうち読むつもりですー
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いっつも言ってますが・・・
やっぱり洋書のほうが表紙ステキですよね?
マキューアンの英語は読みにくいと思われます。
話飛ぶんだもの。
動詞の使い方とか面白いのですが、大学の先生お二人からもマキューアンの英語は難しい、と聞きました。