6000人が選んだ20世紀世界文学ベスト50
フランス隋一の毒舌作家が、愛と博識をもって語る究極の文学案内!
確かに究極の文学案内です。
溢れんばかりのユーモアで・・・というか、普段あまり読書に親しんでない人でも気楽に読める文学案内書ですね。
フランスでは有名らしいフレデリック・ベクベデ氏。
フランス人6000人が選んだため、非常にフランスに偏っています。そして1作も日本のはないのが寂しいですねー。
著者も指摘しているよう、ノーベル文学賞受賞作家のものが多いこと!どういう基準で6000人が選んだのか知りませんが、受賞リストから選んだ?と言いたくなります。
ですので、大抵はその著者が選びますが、元々選ばれた作品の解説を皮肉も交え、痛快にコメントする・・・という形。真面目な解説読みたい方は止めておきましょう。言っていいですか?ぶっ飛んでます。
何て言うか・・・ね、もう、凄いんです。
だって、最初から最後までずーっと「どうして○位は自分の作品じゃないんだ!」と言ってますから
今時、検閲に引っかかって一部削除されている本なんてあるんですね!変な本ではないですし、気になった方一度手にとってみては如何でしょう
ただ、正直なとところコレを読んでこの本が読みたくなった!と思いはしなかったです。
後で気が付いたんですけど、20世紀の文学なんですよね。
皆様ご存知のよう(?)、私古い方が好き・・・なので、知らない作品が多すぎました。50のうち、全く聞いたことのないものが多すぎて、読んだことあるのが7作品のみという状態です語る資格ないですね・・・
ヘミングウェイで『老人と海』ではなく『誰がために鐘は鳴る』が8位に選ばれていることに驚き。やはり一番売れたから?「ヘミングウェイは文学を競争とみなす数少ない作家だ」なーんて言われてしまっています。
9位に選ばれた『グラン・モーヌ』 アラン・フルニエ著 が46位にランクインした『グレート・ギャツビー』に非常に似ているため、
著者が「フィッツジェラルドは『グレート・ギャツビー』を書く前にこれを読んでいると思うかい?」と言っています。
なんか、気になる。読んでみたいと思います
凄く気になるのが、何でこのベスト50が選ばれたのか分からないけれど、本当に読んで選んだの?ということ。文学の専門家が選んだとかなら分かりますが。
著者も「本当は読んでなくて、映画化されたのを観たんじゃないの?」なんて痛烈なコメントをしていたり
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』がね、28位に選ばれているのです。『ユリシーズ』が分かる、ということはホメロスの『オデュッセイア』を読んでいると言う事だと思いますし、(『オデュッセイア』のパロディだから)現に著者も
「そもそもこの6000人のうち、何人がこの膨大な『ユリシーズ』を最後まで読めたのか?」「これを読むにはヘラクレスの仕事1ダースに匹敵するほどハードだ」と言っているんです。
うーん・・・、同感。
では、ベスト5だけ、発表しておきましょう。
5位 『人間の条件』 アンドレ・マルロー
未読。フランス人作家。ごめんなさい、聞いたこともなかったです。
舞台は、上海。ひどく20世紀らしい小説だ、と著者はコメントを残しています。
4位 『星の王子さま』 サン・テクジュペリ
これはレビュー済みです。私はこれが1位になるだろうと思ったのですが・・・4位とは、意外。彼もフランス人。
3位 『審判』 カフカ
未読。カフカは現在でチェコに位置する場所に生を受けています。「カフカ的」なんて言葉まである、有名な作家ですよね。
カフカだと私は『変身』しか読んでないので、『城』と共にこちらも読もうかな。
2位 『失われた時を求めて』 プルースト
未読。これは過去1000年の名作1000(誰が選んだのでしょうね?)の1位に選ばれており、2位に入って当然だと著者は主張。これは元々読みたい本の1つです。プルーストもフランス人。
1位 『異邦人』 カミュ
NO1なのに、処女小説。これは読みました。カミュはフランス系アルジェリア人。カミュもノーベル文学賞を受賞しています。
確かに良い作品では有ります。でも、これが1位・・・?というのが正直な感想。
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