言わずと知れた名作『星の王子さま』。この本は、子供の頃にでも読んだことのある方は多いのではないでしょうか。私も実はその一人。でも、どうも「合わない」というか・・・さっぱり意味も分からないし、読んではみたけど数年後には全くあらすじも覚えていない、という読んだとはいえないような感じでしたね。
しかし、幼い頃には全く理解できなかった物語がある日突然分かるようになり、それにのめりこんでしまう・・・ということは良くあることだと思います。シェイクスピアはいい例ですし、この『星の王子さま』も当てはまります。
私の場合は、大学の講義でこれがテキストだったので久々に読んでみて、「なんだ、分かるようになってるじゃーん」という感じでした。だから大学って・・・素敵。楽しいんだよね
「分かる」と言っても語弊がありますけどね、人によって価値観が違いますし、そもそも正解がないものですから。
アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリの代表作。
彼のほかの代表作としては『人間の土地』『夜間飛行』などがあり、彼は『人間の土地』の中で「愛するとは互いに見つめあうことではない。互いに1つの方向を見つめることである。」という名言を残しています。もともと「名言集」や「格言集」といった類のものが大好きな私ですが、その中でも特に心に残っている言葉のひとつなのです。この言葉を、常に心のどこかに留めておきたい。
「大切なものは、目に見えない。」
そんなの、誰でも知っている当たり前のこと。人間の心の内面、その心の美しさや清らかさ。そういったものは決して目には見えないわけで・・・・いい大人だったら尚更、そんなこと百も承知のはずなんです。
分かっているはずなのに、分かっていない。本質を理解していない。
あぁ、そうなんだ。そうなんだよね・・・・目には見えないんだよね、一番大切なものって。この本を読んで、改めて気付かされる。自分ももう、そういう意味で大人になってしまったのだろうか、などと考えさせられます。
これは原文に忠実に訳すと「本質は眼では見えない」となるそうですが、内藤濯氏の名訳ですよね。
『星の王子さま』は一応児童書という扱いになるでしょう。
子供が読んでも、普通にあぁ、面白かった、となる。(私はならなかったけど)
しかし、本当は子供向けではなくて子供の心を忘れてしまった大人へ向けて書かれたものなのです。子供で書かれている鋭い風刺などを理解するのは難しそうです。
あらすじはあまりにも有名なので省略しますが、物語に出てくるひとつひとつに(バオバブ、バラ、小惑星の人間たち、キツネなど)意味が込められ、妙に納得してしまったり。
バオバブは何を表しているのか?などという議論も、面白いんですよね。
これらを一つ一つ書いていくと、3千字超えるレポートになりそうなので、やめておきますがだから文学のレポートって好き。
著者のサン・テグジュペリはこの本を書いた時はもちろん、大人でした。でもここまで少年の心を忘れない大人って、どれだけ今いるでしょうか
また、ここまで人間らしい人も珍しいんじゃないかな・・・・
とても薄い本ですし、新訳も続々と登場していますので、まだ未読の方は是非読んでみてください
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