ブラック・ベルベット 恩田陸 | 本の虫になりたい

本の虫になりたい

本嫌いの少女、本の虫を夢見る大人になる

今回は

恩田陸 ブラック・ベルベット

 

 

 

§あらすじ§

神原恵弥は東洋と西洋の交差点、T共和国を訪れた。

 

目的は夢のような鎮痛剤「D・F」について

ある人物から情報を得ることと、

多田からの依頼である

T共和国で消息を絶った女性科学者を探すこと。

 

そしてもう一つ、

T共和国に滞在しているという

学生時代に恋人関係にあった橘浩文と再会すること。

 

交差しないはずの3つの目的は

恵弥を中心に複雑に絡まり始める。

 

彼が見つけ出す真実とは。

 

 

§感想§

「MAZE」「クレオパトラの夢」に続くシリーズ三作目。

 

「MAZE」からは満

「クレオパトラの夢」からは多田、慶子、和見が登場。

オールスター並みの勢ぞろいで

それだけでなんだか嬉しくなってしまいます。

 

そして、今回の重要人物の一人、

恵弥の学生時代の恋人、橘浩文。

 

絶対なんかある!

何なら危ない橋渡ってる!

と、思わされるようなキャラクター。

 

橘が出てくるたびに疑ってしまいました。

 

物語はアキコ・スタンバーグが通り魔に刺されるシーンから始まり、

これから何が起こるのか、一気に引き込まれます。

 

今作はシリーズの中で一番ミステリーしていると思う。

 

謎が三つもあるから結構こんがらがってて

これはどこに繋がるのだろうと

ワクワクしながら読み進め、

最後、満の告白に

お前っ!

と、突っ込みたくなりました。

 

私の中の恩田陸作品は

幻想的なお話が多い印象だけど

このシリーズは割と現実的なミステリー。

 

幻想的ではないけど、

代わりに旅行に行ってるかのような

多彩な風景が楽しめるのが

このシリーズかな。

 

これもまた良き良き。

 

満足度★★★★☆

シリーズの続きが出たら買いまーす