あなたが欲しいものは店にとって売りたくないものなのかもしれません | がんばれ熊さん

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食品スーパー店員の絵日記

前々回記事にした

 

爺さんがまた

 

店に取り扱いのない商品を欲しがりました。

 

 

寿司用のシャリ玉です。

 

シャリ玉とは、

 

寿司飯が寿司の形に握られていて

 

あとはお刺身ネタを上にのせるだけで

 

素人でも寿司が作れるという便利な代物です。

 

うちのお弁当コーナーには寿司弁当も置いていて

 

そこのメーカーに仕入れられるか聞いてくれと言われ

 

早速聞いてみると

 

取り扱いがないから無理と断られました。

 

それを爺さんに伝えると

 

「寿司があるのに作れへんってあかんところやな」と言いつつも諦めてくれたようだったのですが

 

 

今度はうちの鮮魚の担当者に長々と交渉してきました。

 

お弁当コーナーに置いているよりも鮮魚コーナーに置いているお寿司の方が若干値段は高くなりますが鮮度の良いネタが上にのっていて美味しいです。

 

実をいうとこの鮮魚のお寿司は鮮魚担当が握っているわけではありません。

 

寿司用のシャリ玉を仕入れて朝に刺身を上にのせて寿司として売っているものなのです。

 

そこで爺さんはその外部から仕入れているシャリ玉を商品として売ってくれと交渉したのです。

 

後で鮮魚担当に話を聞くと

 

「うちでは寿司玉は販売しません」という回答に爺さんはなかなか納得されないようで

 

「鮮魚コーナーは鮮魚を販売するのが目的でそのうちの一つとして寿司を販売しているわけで・・・・」

 

と必死に説明してしぶしぶ諦めたようです

 

 

しかし、爺さんにはこちらの本音は説明してはいません。

 

本音は

 

シャリ玉なんて全然儲からんから売りたくない

 

ということなのです。

 

しかし、それを爺さんにストレートに言うわけにもいかずやんわりと断るのに骨が折れたようです。

 

魚は加工すればするほど、その加工代が商品に上乗せされて利益が取れるのです。

 

シャリ玉だけを売るのであればお寿司よりも安くないと売れません。

 

半額でも高いかなと思うほど。

 

その辺は察してもらいたいところですが

 

爺さんは爺さんで

 

自分で好き勝手に安いネタを上にのせて

 

安くお寿司が楽しめるシャリ玉が欲しいのでございましょうが

 

自分が欲しいものが必ずしも店が売りたいものであるとは限らないと

 

いうことなのでございましょうか。