CASIO EXILIM ZOOM EX-Z80。修理依頼品です。
電源は入りますがレンズが出っ放しのままです。電源を入れるとレンズがギギとちょっとだけ動いてレンズエラーになってしまいます。
聞いてみれば落としたとのことガーン
言われてみれば、なるほど右上にボディのへこみがあります。まだキレイなのに、あぁ、残念
落ちた衝撃でレンズがダメージを受けたみたいですね。鏡筒がゆがんでしまったのだろうか。
新しいデジカメを買いなおしたので修理はダメ元でいいよとのことでしたので、では心置きなくやらせていただきます、と言って、お預かりすることにしました。
というわけで、まずは分解してレンズがどういう状況になっているのかを確かめてみましょうかね。
1.見えるネジを全部取ります。
2.銀色の枠を外します。上面の枠は粘着テープで留められていますので慎重に剥がしとります。
3.さらにネジが見えてきますので、外し、表蓋を取ります。
4.レンズのフレキ2本を外し、レンズを取り出します。ハメコミをはずしながら右のモーター部分から浮かせてやれば取れるはずです。
さて、これがレンズユニット。レンズユニットの裏蓋を外せば中の状態が確認できます。
なお、裏蓋をはずすとギヤボックスのギヤが剥き出しになります。小さくてなくしやすいので注意します。あと、どうやって組んであったかも忘れないように写真を撮っておきましょうか
さて、レンズのほうはというと・・・
ありゃりゃ、シャッターと絞りのメカが中で外れています
ははん、こいつが中で外れて引っかかっていたせいで、鏡筒を出すことも引っ込めることもできず、エラーになっていたんだな。
他にダメージがなければ、これを元どおりにすれば直るかも。
ですが、中途半端にレンズが飛び出した状態では、ここから先をバラすのはなかなか難しいのです。でも、無理やりでも中のメカを引っ張り出すしかありません。
で、「部品折れるなよぉ~、フレキちぎれるなよォ~」と祈りつつ、声は優しく手元は厳しくで、なかば強引にその部品を引っ張り出した状態がこれ。
よく見たらメカが外れていただけでなく、中のシャッター機構も壊れているではありませんか。幕が外れちゃっています。
うーむ、これは思いのほか重症だわ
本当はあんまりいじりたくない場所なんですけど、やむを得ずでカバーを開け、ピンセットでシャッター幕と絞りの幕を正しくセットしなおます。
幕自身もちょっとキズ付いちゃっていますけど、大丈夫かなぁ・・・
あと、ここの外したカバーは特殊な方法で接着がされていましたので一度外したら元どおりに留め直すことができません。
苦肉の策で2つのポッチの上に瞬間接着剤を塗り、上からフィルムを貼って固定しました。
見た目が素人くさいこの補修方法は赤目の美的センスから行っても正直ちょっといただけないですね もっときれいに施工する方法がきっと他にあったはずです。
で、これが正常に組みなおした状態。
さて、やることはやりました。元どおりに組みなおし、スイッチオン
よっしゃあ直った
エラーが出ずにスムーズにレンズがせり出し、起動しました。撮影もごらんのとおり正常
無事修理成功です
今回はかなり困難な修理でしたが、ある意味ラッキーな壊れ方です。
もし電源がイッちゃってたら先日のFinePix J50 みたいに基板の全交換になっていたでしょうしね。電源が生きていたのは実に幸いでした。
早速ニコニコ顔で元の所有者のところへこいつを返却しに行きました。
直ったことにかなり驚かれたご様子でしたが、そういうリアクションを見てしまうと、ついつい「どんなもんだいエッヘン」って胸を張った気になってしまいます。
いやそれにしても、今回もまた楽しく修理をさせてもらいました。ありがとう!!
※難易度レベル:高
※注意:感電の危険がありますので良い子は絶対にマネしないでください