井沢元彦説に入って行く。
『逆説の日本史・神功皇后編』からの引用であるが、僕の都合で勝手に変えている。
諡号の中に「神」という一字が入っている天皇は何人いるかというと、実はたっ た三人しかいない。
初代の神武天皇、第十代の崇神(すじん)天皇、第十五代の応神天皇の三人だけである。
それでは、この「神」と言う一字はどのような意味を持っているのか。
それは「始祖」だと考えられるというのであるな。
●神武天皇は天皇家の初代である。文字通りの始祖だ。
だから「神」なのである。
●崇神天皇はどうか?
実は、神武と崇神には驚くべき共通点がある。
漢風諡号はそれぞれ違うが和風諡号がまったく同じなのである。
ハツクニシラススメラミコトという。
初(ハツ)めて国(クニ)を統治(シラス)した天皇(スメラミコト)ということだ。
しかし、「この国を初めて統治した」という内容は、どう考えても「初代」の天皇に与 えられるべき称号である。
どうして崇神も神武と同じ「ハツクニシラス」なのか。
そして、応神天皇も「始祖」だと考えられる。
戦前の皇国史観では、天皇家は「万世一系」であり、初代から現代に至るまで一度も断絶することなく連綿と続いてきたということになっていた。
戦後は歴史学者から、この「万世一系」に対する疑問が数多く出された。
その中で最も有名なのは、早稲田大学名誉教授の水野祐氏の「三王朝交替説」である。
水野祐氏は
・天皇が万世一系になったのは、第二十六代の 継体天皇以後のことで、それ以前は三っつの王朝が交替しているというのである。
・初代神武より九代開化までは架空の存在であると考えているから、初代は崇神 ということになる。
上の図に神武王朝がないのはそのためである。
・応神・仁徳・履中・反正といった水野氏の言う「征服王朝」の天皇たちは、 大阪の河内平野にあの有名な巨大古墳を造らせた。
日本の天皇陵の大きさのベスト3は、この「仁徳・応神・履中」の三人の天皇の陵なの である。
これだけの巨大古墳を造るにあたっては、それに見合うだけの巨大な権力がなければな らない。
したがって、それを実現させるような大きな征服か統一があったのではないか、 と考えられる。
勿論、水野説に反対の学者も多くいる。
ただ、僕は「嘘つきかアホかの古代史㉙ (古墳の話)」のシリーズで古墳は、
古代において、その地を開墾した残土の置き場である。
開墾ができたのは、その地に豪族(リーダー)がいたからである。
豪族(リーダー)が亡くなったときに、その偉業をたたえるためと墓を作るためにはこの小高い山は最適であったと言うことであるな。
新しく墳墓をつくるより簡単に早く作れるんじゃ。
と言って来た。
しかし、「仁徳・応神・履中」の三人の天皇の陵に関しては単なる開墾した残土の置き場とは言えないかもしれないと思っていた。
また、継体天皇の継体と言う称号にも疑問を持っていた。
なぜ、わざわざ継体としなければならなかったのか。
本当は継いでいなかったから継体と言わなければならなかったのか。
継体天皇は『古事記』、『日本書紀』によると応神天皇5世の子孫であるとある。
これでは、殆ど他人であるな。
真相は分からない。
しかし、神武天皇、崇神天皇、応神天皇、継体天皇の称号は前回書いたように、奈良時代後半の淡海三船が一人で付けたのであるぞ。
淡海三船は神武天皇から元正天皇までの43人の天皇を全部知っていたわけではない。
その間の歴史を全部知っていたわけではない。
彼の知る範囲の天皇の業績で称号を付けただけであるな。
そこを忘れてはいけない。
しかし、淡海三船とは何たる天才であろうか。
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【川柳コーナー】
◯柳 児
おでんなべ おなご呑み会 もりあがる
*若い娘のか?
それだったらいいけどの。
婆々の飲み会は
年金、体の痛いとこ、
医者の評判、飲んでる薬。
しかも、脚色も入るでの。
きわみむり せめて食べたや せいこがに
*昔はせいこがになんて
キャラメルよりも
安かったんじゃないかな。
なんでやろ?
◯小 彦
丁寧に しっかりするとは 流石です
*丁寧は職人の世界では
ほめ言葉。
最近は職人が減ったからな〜。
自動車会社の検査不正。
などなど。
◯忘己利他老
この寒さ ふんどしひとつ 鬼さんは
*三途の川・閻魔シリーズ
赤鬼は寒くて泣いています。
「泣いた赤鬼」
青鬼は寒くてふるえています。
「トイレばかり行く青鬼」
鬼退治するなら今のうちやざ。
若い頃 腰巻きだけで あったかかった
*おばちゃんシリーズ
そうじゃなあ〜
腰巻きの中にいつも
爺さまの頭があったな。
今はそれがないから
寒いのよ。
◯鷺 草
男の涙 見せぬ綱の 陰で泣く
*日本の男やの。
いろいろ言わないのが
美学やけど。
外国人には通じないからの。
女の涙 見せずエプロン 締め直す
*日本の女やの。
いろいろ言わないのが
美学やけど。
恨みは奥の奥で
燃えているからの。
恐いざ。
◯深紅の薔薇
空白の カレンダーにゃ 夢があり
*ちゃう、ちゃう。
もう存在しないと
言うことや。
眼が合うと 愛想する癖 元芸人
*香具師(やし)はなおっても
癖はなおらない。
これ、福井だけでしか
通じんことわざかの?
意味はわかるやろ?
露天で商売をしていた人が
儲かって立派な店を持っても、
品がないということや。
この川柳は、その意味でなく
愛嬌を言っているんやざ。
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