2022年11月 石鎚神社石鎚本教 功労章 有功功労笏 | 旅する石鎚信仰者

旅する石鎚信仰者

やはり石鎚山は素晴らしい。

石鎚信仰との御縁から新たに大切な物を譲り受ける事となった、有功功労笏である。

まず功労章(有功功労笏)とは「石鎚神社先達手帳」に以下のように記されている。

「功労章は階級ではなく、元老大顧問の階級者の内で功労大なる者に対して下付され

る称号であります。神鏡笏を受けた後、銀笏、更に金笏の順にて拝受。但し選考は宮

司以下、常務総代、氏子総代の役員会にて決議されます。

更に「第二章・役襟章及び階級笏」の所には以下の様に記されている。

第五条・元老大顧問にして、功績有るものに、有功神鏡笏を授与する。原則として、元

老大顧問補名後、五年以上を経たる満年齢六十才以上の先達を対象とし、組合長が

推薦する。神鏡笏、御神鏡一座を下付する。

第六条・有功神鏡笏拝受者にして功績有るものに、功労章銀笏を授与する。神鏡笏

拝受者中、宮司が推薦し、役員会にて承認された者とする。銀色笏、格衣一領を下付

する。

第七条・功労章銀笏にして、功績有るものに、最高功労章金笏を授与する。銀笏拝受

者中、宮司の推薦による者とする。金色笏を下付する。

第八条・金笏、銀笏、神鏡笏拝受者は、石鎚神社の重要事項に付いて、宮司の質疑

に応答する義務を有する。

第九条・役襟章、階級笏、有功功労笏の権利は、拝受者本人一代限りとし、子孫他人

に借譲する事はできない。

以上のように記されてあり、この有功功労笏(有功神鏡笏)を拝受するには、石鎚神社

先達会符拝受後17階級昇進(毎年しても22年)、元老大顧問にして更に功績有る者と

いう事であり、拝受者は石鎚神社社報を見ていても年間に数名いるかどうかである。

普通に考えれば、なかなか表に出る物でもなく見る事すらできない笏であるが、今まで

の僕の旅の中でいくつかの有功功労笏を実際に手に取って見る機会はあった、しかし

どの笏も、拝受者本人を失い地方の石鎚神社にひっそりと祭られている物ばかりで、

手に取って見る事はできても、そっとしておくしかなかった。

そして今、僕の手元に有功神鏡笏・銀笏・金笏のすべての笏がある訳だが、この三本

の笏には先達会符のように氏名が記されている訳でも無く、見ただけでは誰の物か分

からないが、この三本の笏の拝受者は分かっていて既に二年前に他界、その御親族

から値打ちが分かる方へという事で僕が譲り受けたものである、しかし、この功労章

の権利は拝受者本人一代限りという事なので僕が持っていても何も権利は有さない、

しかし御親族の中に石鎚山に縁のある方がいる訳でもなく、何よりも瀬戸内海の島で

無人となった家の後片付けで廃棄寸前、立派な祭壇には石鎚大神の御神像が無残

に放置され、三本の笏もホコリまみれ、他に先達階級笏に以前昇進の度に出されて

いた役会符も散乱、ひとつひとつ手に取り御親族に説明するも全く関心は無し、御神

像も含めこの度、僕が譲り受ける事となったm( _  _ )m

今回の件で御親族には「分かる方へ引き取っていただいて良かった」とは言っていた

だいたものの、ここで引き取らなければ「ゴミ箱」、そして二度とこの祭壇の前に座る事

が出来ない事も分かっていた、目の前にある小さな御神像を見ていると選択の余地は

全く無く、この場で引き取る事になった。

だが後に思い返してみると、この出会いは、この日、この時でしかなく、僕はこの石鎚

大神と三本の有功功労笏に呼ばれたと思っている、しかし貴重な物だけに誰が持って

いてもいい物でもなく、どのように扱えばいいものか?そして今後どうすればいいもの

か?いろいろと思う事はあるが、とりあえず我が家でお祭りしていればゴミ箱へ行くよ

りはよっぽどましである、そしてその後は機会を見て石鎚山へ担ぎ上げようと思ってい

る、更に時を見て石鎚神社へ相談してみようとも思っている。

そして何より信仰的な物だけにいろいろと自分的に想いもあったが、石鎚信仰の貴重

な物としてここに公開する事とにした。

今回のこの御縁、今の自分に問いかけてくるものとは・・・m( _  _ )m

 

 

 

 

 

 

 

3本の有功功労笏

 

黒の漆塗りの箱

 

左は「有功神鏡笏」右二つは「功労者之章」とある。

 

先達会符のちょうど倍くらいの箱

 

ふたを開けてみると

今までの僕の旅の中で幾つかは実際に手に取り見た事がある

しかし金笏はそうそうあるものではない

 

金笏

 

表に「最高功労者之章」

過去に最高の右に「石鎚神社」と記された金笏も見たことがある

 

銀笏

 

石鎚神社功労者之章

 

有功神鏡笏

 

石鎚神社有功神鏡笏

 

一緒に引き取った先達階級笏と旧役会符

 

先達階級笏は現状と変わりなく全階級が揃っている

 

最近では見かけなくなった役会符

役会符は1883/1/30~2011/1/1の間発行されていたと僕の本にある

m( _  _ )m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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