石鎚神の投げ石伝説
この投げ石伝説はいろいろとあり書籍によって多少の違いはあるが、基本的な内容に
大差は無く、一般的には以下のように言い伝えられている。
西条市のHPには「石鎚の神と伊曽乃の神はもともと夫婦神である。夫の神である石
鎚の神が山上に行かれる時、今、我の行かんとするところは、女神などの行くべきとこ
ろではない。だから、しばらくここにとどまっておれ。やがて山上に着けば、三つの石を
投げるであろう。その落ちた真ん中を汝のすみかと定めよ。しからば我は常に汝のと
ころに行きかうようであろうと約束した。その後山頂に至り、三つの巨石を投げた。
今、伊曽乃神社の鳥居元にある巨石がその一つであるという。他の二つは伊曽乃神
社の社寺に近い境内であったろうと思われるところにある。土地の人々は、これを神
聖視して決して手に触れないという。」そして石鎚山旧跡三十六王子社では、この投げ
石伝説を女人返王子社伝説として伝えている。
この投げ石があるとされる西条市の伊曽乃神社鳥居横にある投げ石は2011年8月
に訪問している、そして近年になり、残り2つの石のうち、1つが実在していることが分
かり再調査してみた。
残り2つの投げ石がある場所は、諸説あり、伊曾乃神社境内に二つ落ちたとも、また
その内の一つは大三島に、あるいは西条市小松町大郷に、さらには西条市兎之山に
落ちたとも伝えられ、この内、兎之山に落ちたとされる投げ石には次のような言い伝え
が残されている。
兎之山に落ちた大石は、夜泣きをするとか「又兵衛のチンカラ、チンカラ・・・」といいながら夜中になると小高い丘から村の畦道まで転がり落ちて、朝になると元の場所に戻っていると伝えられています。さらに後日談として・・・、祈祷師に拝んでもらうと「石鎚の神の投げ石」であることが分かり、毎夜石が転がり落ちる畦道にお地蔵様を祀り拝んでからは、大石が転がり落ち、夜泣きをすることも無くなったそうです。このお地蔵様は、今も兎之山地区の投げ石がある直ぐ下の畦道に祀られています。
という内容で、兎之山地区に祀る地蔵尊とこの投げ石の写真が手元にある、今回は
この投げ石を探しに行ってみたm( _ _ )m
しかし写真からの情報は乏しく、場所が特定できる内容ではないが石を発見した時に
見比べる事はできる、そして現地聞き込みも、もはや忘れられた伝説となり知っている
者はいなかった、そんな中、道端の地蔵尊を発見しそこから山側にある投げ石も発見
やはり予想通り石は草むらに埋もれ、特別な扱いをされている状態ではなかった。
少し残念な気持ちもあるが、何より現在に見つけることができて良かったと思っている
まず伊曽乃神社鳥居横の投げ石へ
現在ではグーグルに「投げ石」と出ている
第一鳥居横の投げ石
以前に来た時と変わりは無く何の看板もない
一説では「男神様の手形がついているともいわれています」
とあるがそれらしき所は分からなかった
せめて伝説を記した看板でも欲しいのだが
この伊曽乃神社に石鎚神投げ石伝説を記すものは何もない
兎之山の投げ石へ
これが夜になると転がり落ちてくる投げ石の為に祭られた地蔵尊
中には大小2体のお地蔵様
投げ石は「小高い丘から村の畦道まで転がり落ちて」
と伝えられているので奥の丘にある事になる ! !
この地蔵堂の横から丘側に続く道へ入っていく
民家の中へ続いている感じ
なかなかよそ者がうろうろしにくい環境にある
m( _ _ )m
投げ石はこの藪の奥にある
まず、この右側へ入っていくと
右手前ではなく、左奥の石が投げ石である ! !
もはや藪の中の石である
反対側へ回ると石の上に雑木が干されていた
しかし間違いなくこれが伝説の石である
何とかこの石鎚神投げ石伝説をここに残してほしい
「やはり石鎚山はすばらしい」
旅する石鎚信仰者